“心理療法を行なうために、心理学の知識は必須であるとは思いません”に関するやりとり

「心理療法」と「心理学」についてのやりとりが、面白かったので。 まとめ主は、基礎心理学の学際的な一分野について学んでおり、 行動分析と認知行動療法に興味を持っている者です。
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元のツイート

臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@meri5rott 私も卒業はしてませんが、元理学部出身です。こういう臨床心理士の方は多いですよね。日本の臨床心理学の中核を占めて来た心理療法という分野を考えれば、様々な背景を持つ人材が集まることで活性化され、創造性が産み出されてきた面があると思います。続き。

2014-02-19 17:17:11
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

承前。心理療法を行なうために、心理学の知識は必須であるとは思いません。以前にも書きましたが(http://t.co/ffqGxa9iML)、例えば精神分析実践に必要なのは、ある程度の知的能力、内省と観察の力です。そして全ての要となる、この仕事へのpassionでしょう。続き。

2014-02-19 17:23:04
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

承前。私は、心理療法に役立つ知識の筆頭に心理学を挙げません発達研究は例外です。早期母子相互作用、愛着などの研究、脳神経科学、人類学、文化人類学、霊長類研究、言語学など、そして文学と芸術が、重要な知識源と考えます。つまり、心理療法は、アカデミック心理学とは別の知の流れなのです。

2014-02-19 17:30:43

やりとり

𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 はじめまして。全体としてはご意見に納得する部分も大いにあるのですが、「心理療法を行なうために、心理学の知識は必須であるとは思いません」ではなく、「心理療法を行うためには、臨床心理だけでなく基礎心理も必要」という書き方ではいけないのですか?

2014-02-21 11:44:47
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 挙げていらっしゃるなかで、少なくとも「早期母子相互作用、愛着などの研究、脳神経科学、霊長類研究、言語学」は心理学とその周辺・関係領域ですし、人類学、文化人類学もまた、心理学的な一面もあります。学部から基礎心理学を学んできたものとして、気になりました。

2014-02-21 11:47:32
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ あくまで必須でないというだけです。むしろきちんと基礎心理学を学んだ人の方が、下手に臨床心理学を学んだ人より余程ものごとを的確に考える訓練を積んで来ている

2014-02-21 15:09:30
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ 承前。人の方が心理療法の基礎が出来ているかもしれません。また基礎心理学の知識、方法が役立ちうるとも思います。同じように、医学、社会福祉、哲学、宗教、芸術、いろんな背景の人が集まることで、豊かな創造性が生まれる分野だと思います。

2014-02-21 15:15:06
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 おっしゃっていること、意図なさっていること自体は理解できるのですが、なぜ「“心理学”が必須でない」という表現方法になったのかが気になりました。→

2014-02-21 15:28:55
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 以下の2点がその理由です 1) 基礎心理学はそもそも「心理学」 2) 「必須ではない」ということは「学ばなくてもいい」ということになるが、心理学の知識がまったくない状態で、「心理療法をおこなう」ことは出来るのか(協力体制をとってというならまた別ですが)

2014-02-21 15:35:59
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ 心理療法はアカデミック心理学、基礎心理学とは別の知の流れに属することを強調するためです。世界的にみて、(CBTなどを除いて)心理療法の基礎訓練に心理学を必須としない場合が多いと理解しています。心理療法が盛んな英国では確かにそうです。

2014-02-21 16:56:24
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 アカデミック心理学とは具体的に何を指していらっしゃるのでしょうか。また、別の知の流れとおっしゃりながらも、基礎心理学の範疇にある発達研究(内容にもよるが)、脳神経科学、霊長類研究、言語学を役立つ知識として挙げていらっしゃるのが腑に落ちません。→

2014-02-21 17:05:13
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 あとは、単純な疑問なのですが、「心理療法の基礎訓練」それ自体が心理学についての学びではないのでしょうか。それとも、何かまったく別のメソッドであったり知識であったりの訓練なのでしょうか。興味があります。

2014-02-21 17:07:05
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ 先にも指摘しましたが、英国の心理療法の訓練課程に入るのに心理学の学位や知識は必要ではありません。訓練課程の中で発達心理学や脳神経科学など心理学関連科学を学ぶ場合があると思いますが。日本でも、医師が心理療法訓練をする場合、いわゆる基礎心理学の知識がなくても大丈夫。

2014-02-21 18:01:34
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ 心理学という言葉で何を意味してるいるか、ですね。私のいうアカデミック心理学と心理療法などの非アカデミック心理学という区分は、質的研究が一定アカデミック心理学の中で認めらつつある今日、だんだん意味のないものになりつつあるのかもしれません。これは歓迎すべき変化です。

2014-02-21 18:04:40
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ 以上の議論は、以前の博士課程の強調とどうつながるのかは、また日を改めて。要は、心理療法はアカデミズムとのつながりで堅固な基盤、そして一線を画することで自由な創造性を維持できるのでは、と考えます。

2014-02-21 18:08:54
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 訓練課程に入るにあたって問われる知識・学位ということだったのですね。しかし、心理療法のメソッド等を学ぶこと自体が心理学の知識を学ぶことだと思いますので、「心理療法を“おこなう”にあたって心理学は必須ではない」はやはり当てはまらないのではないでしょうか。

2014-02-21 18:13:41
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ 心理学を広く「心について科学的方法によって探究して蓄積されていく知の体系」と取ればそうとも言えますね。他の心理療法はわかりませんが、精神分析は、面接室=実験室の中での参与観察を基盤にした質的研究-方法論とそれによって蓄積された知の体系が科学としてのその実質です。

2014-02-21 19:37:29
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 前提としての、心理学および心理療法の定義がそもそもズレているのだな、ということが、ひとまず分かりました。かなり狭い範囲の「心理学」「心理療法」ということですね。

2014-02-21 20:09:51
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ どちらかというとその「狭い」定義がworld standardだと理解しています。東大の下山氏も指摘しているように、心理療法(行動療法、CBT以外)は、アカデミック心理学、その応用分野である臨床心理学とは別ものという考えが英国ではとられています。学問の性格上妥当

2014-02-21 23:56:50
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ 心理療法は、狭義の心理学、医学と重なる部分があるものの明瞭に異なる、実践-科学の総称。その方法論は、通常、狭義の心理学の伝統的手法と明瞭に異なるの。

2014-02-22 00:00:43
臨床心理士有志の会 @cpyuhshi2013

@saphir_ ただし、先にも述べましたが、現在この区別は融解する兆しがあり、それは概ね歓迎すべきことだと認識しています。

2014-02-22 00:03:07
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 整理しますと 1) 狭義=アカデミック=基礎心理学は心理療法をおこなうのに必須ではない 2) 発達研究、脳神経科学、霊長類研究、言語学は基礎心理学とその関連領域 3) 上記2)は心理療法をおこなうのに「心理学よりも」役立つ知識 矛盾していませんか?

2014-02-22 06:42:05
𝑃𝑢𝑛𝑖𝑐𝑎 𝑔𝑟𝑎𝑛𝑎𝑡𝑢𝑚 @saphir_

@cpyuhshi2013 区別の融解についてはおっしゃる通りですね。ただし、学んできた専門領域・環境と年齢によって、心理学や心理療法についてだいぶ認識に違いがあるのではないかと感じました。

2014-02-22 06:44:35