概念分析のターゲットとは何かをめぐって:サール・フーコー・ハッキング

サール・フーコー・ハッキング、そして概念分析の社会学の仕事それぞれにとって、「言語や概念を分析する」という作業が占める位置はどのあたりにあるのかを考えてみました。 参考:飯田隆「存在論の方法としての言語分析」 http://www.chs.nihon-u.ac.jp/philosophy/faculty/iida/ANALYSIS.pdf 続きを読む
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縮限 @contractio

「ひとつの権力があるのではなく、ある社会には、驚くべき多くの、多種多様な権力関係があるのだ」 vs. 「ひとつの社会システムがあるのではなく、ある社会には、驚くべき多くの、多種多様な社会システムがあるのだ」

2013-07-02 19:48:09

optical_frogさんの疑問(サール「社会の哲学」について)

optical_frog @optical_frog

サールやオースティンが「言説の分析」なんてしますかね? 「言説」で思い浮かべているものがちがうのかな.

2013-07-02 19:06:45
エコール @metalinguistic

@optical_frog 言説の分析、社会学ではあるようなんですが、言語学がそこに踏み込む意義てどんなもんだと思われますか?

2013-07-02 19:14:07
optical_frog @optical_frog

@metalinguistic 社会学の人たちがときおり参照しているのは知っているのですが,オースティンにしろ,サールにしろ,「世間にでわまる特定の主張」くらいの意味でいう「言説」の分析には関わっていなかったと思います.「おしゃべり,談話」という意味なら,そう大間違いでもないかと

2013-07-02 19:21:46
optical_frog @optical_frog

@metalinguistic あと,言語学が「談話」ならぬ「言説」の分析に乗り出す意義は,よくわかりません.

2013-07-02 19:25:55
optical_frog @optical_frog

北田せんせがオースティンの「インクの三つのこぼし方」をかなり重要な文献として参照していたのは覚えてる.でも,あれは社会学というより行為の哲学みたいなお話じゃなかろうか.

2013-07-02 19:30:08
optical_frog @optical_frog

北田せんせの『責任と正義』は手元にない.誰かにあげたのかもしれない.手元にある「動機・責任・道徳」をのぞくと,主に参照してるのはオースティンじゃなくてデイヴィッドソンだった.

2013-07-02 19:38:59
エコール @metalinguistic

@optical_frog じつは私もよくわからないのですが、批評的談話分析などもありますし、言説分析をすすめる方もいたりして、ディスコースの研究ではひとつの流れなのかな、と。発話行為はたしかに言説とは言えないように思います。依頼が言説といわれると違和感ありますし…

2013-07-02 19:43:09
optical_frog @optical_frog

サールに関して言うと,社会科学の基礎論をやるんだ,と意気込んで著作をだしてはる.

2013-07-02 19:52:51
optical_frog @optical_frog

「ぼくが提案しているのは,社会科学の哲学や社会・政治哲学のどちらよりも基礎的な研究の道筋,すなわち人間社会そのものの性質の研究があるってことだ:政府,家族,カクテルパーティー,夏休み,労働組合,野球の試合,パスポートなどなど,いろんな社会的実体の存在様態とは,どんなものだろう?」

2013-07-02 19:53:04
optical_frog @optical_frog

サールがやりたがってるのが言説分析じゃないのは確か.

2013-07-02 19:54:58
optical_frog @optical_frog

@optical_frog 引用もとは,J. Searle, Making the Social World, p.5; "I am suggesting that there is a line of research that is more fundamental..."

2013-07-02 19:57:42
Ken Kawamura @ken_kawamura

これ全く正しいと思うんですけど、この存在論という目標と、彼が実際にやっている「私たちの日常的観念our ordinary notion(Searle 1995:18)」としての「協調行動」や「制度」に関する諸概念を分析する作業がどういう関係にあるのかって最初全然わからなかったな。

2013-07-02 22:27:23
Ken Kawamura @ken_kawamura

結局一年くらいずっとわかんなかったんだけど、飯田隆の「存在論の方法としての言語分析」(1994)という論文を読んでおぼろげに見えてきた。

2013-07-02 22:29:51
Ken Kawamura @ken_kawamura

飯田先生によると、存在論と言語分析の結びつき方には、ラッセル的なやつとデイヴィドソン的なやつの二つがあるらしい。

2013-07-02 22:32:32
Ken Kawamura @ken_kawamura

ラッセルが最初に何が存在するのかを決定し、その上で言語の意味論を構成するのに対し、デイヴィドソンはまず言語の意味論を明確化し、それからその言語がいかなる存在者にコミットしているのかという存在論を明らかにする、らしい。

2013-07-02 22:35:24
Ken Kawamura @ken_kawamura

で、サールはこの二つで言えばどっちなのかというと、実は後者のタイプなんではないかというのを、CSRの9章におけるストローソンの写像理論批判の受け入れ方と照らし合わせるうちに思うようになった。

2013-07-02 22:39:00
Ken Kawamura @ken_kawamura

でもまあそういう「存在論の方法としての言語分析」みたいなものが社会学の言説分析と関係あるかといったら、距離が相当あるのは確か。

2013-07-02 22:40:43
Ken Kawamura @ken_kawamura

圧倒的に逃避してしまった。作業に戻ります(´・ω・`)

2013-07-02 22:41:13
optical_frog @optical_frog

いまのサールがつくろうとしてる体系では,志向性の概念が基礎になっている.一方では,志向状態の型が発語内行為の型のベースになっている,といい,また他方では,集合的な志向性から協調行動,ひいては社会制度の基本的性質についての主張を展開してる――

2013-07-02 23:11:30
optical_frog @optical_frog

――というのが,サール『心・言語・社会』 (1998) でのいわば中間報告だった.

2013-07-02 23:11:59
optical_frog @optical_frog

そういう協調行動や社会制度の成立についてのサールてんてーの議論では,もはや「言語分析」はでてこない.制度の成立は一種の宣言型言語行為なんだ,という言い方はするけれど,むかしの言語行為論のように文をあれこれとりあげて分析する,というスタイルじゃあない.

2013-07-02 23:19:46
optical_frog @optical_frog

サールなんかがあくまで概念的に言ってることをいくらか参照しつつ,実証的に研究してるのは,幼児や類人猿の協調行動や心の発達を研究してるトマセロのような人たちなんだと思う.(※くりかえしますが,もちろん,ぼくはサール etc. の専門家でもなんでもありません)

2013-07-02 23:23:22