いさきな誕リレー小説

いさきなさんの誕生日おめでとう企画第二弾だよ!
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葉山 @hayama_mi

@isknymh @aka_310 @masssssss777 @piro_blk1 @arisawa47 いさきなさん誕生日おめでとう!いさ誕企画はまだ続く! これから葉山あかぴろます有沢によるいさ杉劇場が始まるよー! がんばって書いたので楽しんでください! では始めます!

2014-02-27 23:00:18
葉山 @hayama_mi

@isknymh 1. 二月も終わり。立春をとうに過ぎたと言えど、まだまだ寒い日が続く。ダッフルコートのポケットに両手を入れて、杉原多紀は恋人を待っていた。 今日は彼女の誕生日。しかしどうやら主役は遅れて登場するらしい。

2014-02-27 23:00:43
葉山 @hayama_mi

@isknymh 2. 『ごめん!電車乗り間違えた!でも機転を利かせて別のに乗ったからちょっとしか遅刻しないよ!』 届いたラインを確認し、その彼女らしい物言いに杉原はくすりと笑う。そして約束の時間を五分ほど過ぎたところで彼女はやってきた。

2014-02-27 23:00:58
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 3.息を切らして駆け寄ってくる彼女が目にはいると自然に笑みが零れる。いつも以上に可愛らしい格好は杉原のためのものだということが一目でわかった。頬を赤らめて、ごめんね!とはにかむ彼女に杉原は「大丈夫だよ」と笑顔で答えた。そんなやりとりがとても心地よい。

2014-02-27 23:01:43
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 4.「今日どこに行くの?」と、いさきなが杉原に問いただした。本日のデートプランは杉原が考えることになっていて、当日になるまで秘密という念の入れようだった。杉原は待ってました、とばかりににっこりと笑い、答える。 「スケートに行くよ」

2014-02-27 23:01:58
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 5.「え!?」いさきなは驚きの声を上げた。それもそのはず。彼女はウィンタースポーツが苦手なのである。それなのにもかかわらず、スケートを選んだ杉原に疑問を抱いたいさきなは思わず口にした。「…意地悪!」そんな彼女に杉原は言う。「だって堂々と人前で手を繋げるでしょ?」

2014-02-27 23:02:15
ぴろ @piro_blk1

@isknymh 6. そんな笑顔を向けられたら嫌なんて言えるはずがない。 ーしかしいさきなはさっそく後悔した。考えてみれば氷の上で全身を頼りないブレード2つで支えているのだ。リンクは整備されたばかりのようで削られてできる細かい氷片一つなく、まだ表面がキラキラと光輝いている。

2014-02-27 23:05:57
ぴろ @piro_blk1

@isknymh 7. リンクに降り立ったはいいがあまりにも不安定で、手すりにつかまり一歩も動けない状況に泣きたくなった。視線は足元ばかりで満足に前を見ることすらできない。 「ゆっくりなら大丈夫だよ、はい」 頭の上から声が聞こえ、ふと視線を向けると差し出されている手が見えた。

2014-02-27 23:07:58
ぴろ @piro_blk1

@isknymh 8. おそるおそる手を取ると意外にもしっかりと支えられて不安定さが軽減する。華奢そうな身体に見えてどこにこのような力があるのだろう。 「顔を上げて前を見て、体の重心を意識していれば転倒しないよ。僕が隣にいるから大丈夫。」

2014-02-27 23:11:35
ぴろ @piro_blk1

@isknymh 9. 普通に手を繋ぐというだけでも心臓が高鳴るのに、ふらつきそうになるいさきなの手をしっかりとバランスをとり握りしめている。男性の力を直に肌で感じてしまい、せっかく声をかけてくれているにも関わらず、まともに隣の彼の顔を見ることはできなかった。

2014-02-27 23:13:46
葉山 @hayama_mi

@isknymh 10. (かわいいな…) いさきなが怖がっていることはわかっていたが、それでも必死に自分の手を握り、言うなれば自分にすべてを委ねてくる彼女を見て、杉原はそう思わずにいられなかった。繋いだ手に力を込める。 (守ってあげたい) それは杉原の素直な気持ちだった。

2014-02-27 23:15:42
葉山 @hayama_mi

@isknymh 11.それから一時間後。 「見て!杉原くん、見て!」 氷上に慣れたのか笑顔を見せるいさきながいた。 「危ないよ、ちゃんと前見て」 苦笑しながら杉原は思う。 (楽しそうでよかった。イサ・キナから某スケート選手を連想してデート場所を決めたことは内緒にしておこう…)

2014-02-27 23:16:38
ます@ @masssssss777

@isknymh 12.「…それにしても、随分滑れるようになったね」杉原は目元を緩め、彼女を見つめる。それに照れたように俯きながらいさきなは「でしょ?私、やればできる子!」と返し、杉原の腕にぎゅっと抱き付いた。彼女の可愛い照れ隠しに杉原は思わず笑いを零す。

2014-02-27 23:17:46
ます@ @masssssss777

@isknymh 13.そんな杉原の様子に釣られ、いさきなは彼の腕に押し当てていた顔を上げ、笑みを深めた杉原を見つめ破顔した。互いに目を合わせてクスクスと笑い合いながら、こんな時間がずっと続けばいいと切に思う。

2014-02-27 23:18:40
ます@ @masssssss777

@isknymh 14.彼女の笑顔は杉原に優しい時間と癒しを与えてくれた。彼女と共にいると、いつに無く穏やかな気持ちでいられるのだ。「そろそろ疲れてきたんじゃない?切り上げてご飯食べにいこっか」美味しいお店見つけたんだ。とはにかんだ杉原に、いさきなは嬉しさに頬を紅潮させる。

2014-02-27 23:19:34
ます@ @masssssss777

@isknymh 15.苦手なスケートも彼の優しいエスコートによって時間を忘れる程楽しく過ごすことが出来た。この後も彼と一緒にいられる、そう思うだけでいさきなは至極幸せだった。「ご飯楽しみ!杉原くんのおすすめでしょ?絶対美味しいね!」そう言ってはしゃぐ彼女に杉原は優しく微笑んだ。

2014-02-27 23:20:07
有沢 @arisawa47

@isknymh 16「今日はね、塚田農場だよ」「え?」いま、なんて?思わず振り返った先にはにっこり微笑む彼の笑顔。今までふたりで行ったお店が走馬灯のように蘇る。イタリアンやフレンチ、お座敷の懐石料理。どれも高級そうで美味しくて、…そんな彼の口から、どうして。いさきなは混乱した。

2014-02-27 23:21:02
有沢 @arisawa47

@isknymh 17完全に思考回路がショートしているいさきなをみて、杉原はくすくすとうれしそうに笑い始める。「冗談だよ」「え!?冗談なの!?どっち!?」ころころ表情を変える彼女は本当にかわいくて、愛おしくなる。「この間楽しそうに昇進制度の話してくれたから、気になっちゃって」

2014-02-27 23:21:43
有沢 @arisawa47

@isknymh 18「そ、そうだっけ…でもゴタゴタしてて杉原くんにはイメージ合わないかも…」いさきなは赤面して口ごもる。「そんなことないよ、君の好きなもの、もっと知りたいんだ…今度、連れて行ってよね、約束」差し出された小指に、「うん、約束!」いさきなは笑顔で自身の指を絡めた。

2014-02-27 23:22:23
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 19.「え、ここって…」「前に行きたいって行ってたよね」到着した場所は有名シェフが経営している超人気店。夜景がとてもキレイなフレンチのお店だった。「なかなか予約とれない所なのに…!どんな手使ったの?」いさきなは信じられないと言わんばかりの顔をして杉原に質問した。

2014-02-27 23:25:01
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 20.「秘密だよ」不敵に微笑む杉原。「時間に遅れるから行こうか」誤魔化された感じがしたが、楽しみが目の前にあったため気にしない事にした。緊張した面持ちで店内に入ると落ち着いた高級感溢れる店構えに背筋が伸びる。場違いのようにも感じたが、前を歩く杉原を見て安堵する。

2014-02-27 23:25:56
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 21.豪華な料理と宝石箱のような夜景が特別な日だと思わせる。シャンパンが注がれ、料理も一段落した時、「いさきなさん」杉原はゆっくりと彼女の名前を呼ぶ。「誕生日おめでとう」「…ありがとう!」お祝いの言葉を聞くとより一層頬が赤くなりはにかむ姿を見て幸せを感じた。

2014-02-27 23:26:42
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 22.「夜景キレイだね」視界に広がる都会の街が作り出す輝きを見て彼女が呟いた。横顔を見ながら、どんな光よりもいさきなの笑顔が一番綺麗だと杉原は思ったが、夜景に釘付けになっている姿があまりにも美しく言葉にできなかった。― 君と見る景色はいつだって輝いてるよ ―

2014-02-27 23:27:26
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 23.「美味しかった!夜景も綺麗だった!」店を出ると、興奮覚めやらぬ様子で何度も感動の言葉を発していた。足取りも軽く先に進もうとするが、先程飲んだワインが回ったのかふらついてしまう。「そんなにはしゃいだら酔い回るよ?」「楽しいからいいの!」支えた腕に力を込める。

2014-02-27 23:28:12
あか@ひがし1ウ17a @aka_310

@isknymh 24.「また捻ったらどうするの?」「ごめん」「僕が居る時ならいいんだけどね」「あはは」大声で笑うも体勢を整え杉原に向き合う。「今日は本当にありがとう!楽しかったよ!」最上級の笑顔を咲かせ感謝を述べた。「こちらこそ楽しい時間をありがとう」杉原も答えるように笑った。

2014-02-27 23:29:06