トークイベント「日本の小説を世界の読者に届けるには?」(東京国際文芸フェスティバル2014)イベントレポート編
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予習編(アレクサンダー・O・スミス氏とトニー・ゴンザレス氏の訳業紹介)
イベントレポート
本日、このような催しが>「日本の小説を世界の読者に届けるには?」 早川書房とのコラボ企画が発表になった翻訳出版社BentoBooksの二人に、ディック賞ノミネート中の円城塔が今後の展開を聞き尽くす! 東京国際文芸フェスティバル http://t.co/u9doDkvJra
2014-03-02 12:56:30国際文芸フェス「日本の小説を世界の読者に届けるには?」のトークショー行ってきた。日本の小説のアメリカにおける市場の話はもちろん、実際に日本の小説を訳す時の苦労話なんかも聞けて思ってた以上に興味深かった。
2014-03-02 20:05:49こたつはアメリカ人には通じないので普通はローテーブルとかに変えちゃうけど、「容疑者Xの献身」ではこたつのコードが凶器になってるからそうもいかなくて困ったって話とかw
2014-03-02 20:07:26↓今日はこれに行って来たよ。興味深い内容だったけど、個人的にはもっと突っ込んだ先の話を聞きたかったかも。米のオタク/それ以外の需要の差は面白かったんだが、SF・ミステリも日米で求めるものがかなり違うはず。それでも東野圭吾がエドガー賞候補になった理由とか気になった。
2014-03-02 23:11:47日本は根強く「本格」にこだわるし東野圭吾もそうだと思うけど、アメリカはもうこだわってないだろうし。あと皆川博子のように海外が舞台の日本作品はどう映るのか気になったがこれは質問すればよかったなぁ。
2014-03-02 23:15:06昨日、東京国際文芸フェスティバルのトークイベント「日本の小説を世界の読者に届けるには?」を見てきた。早川書房と組んで日本の小説を英訳出版するBento Booksの翻訳家2人(トニー・ゴンザレス、アレクサンダー・O・スミス)と円城塔が参加。以下、いくつかトーク内容についてツイート
2014-03-03 21:39:13会社を立ち上げようと思った理由。自分たちで訳す本を決めたい。また、出版社に依頼されての翻訳だと訳文を渡したらそれでおしまい(印税はもらえない)。現状では小説の翻訳では稼げないので、翻訳で半永久的に利益が入ってくるようにしたい。また自分たちで編集、品質管理まで責任を持ってやりたい。
2014-03-03 21:40:36面白いけど翻訳できないもの。「新宿」「渋谷」などの地名だけで日本人には色々なイメージがわくが、海外の読者には難しい。井上ひさし『吉里吉里人』や「早川から出た四国が舞台のロボット物SF」(タイトルは忘れてしまったとのことだったが、三島浩司『ダイナミックフィギュア』?)などは難しい。
2014-03-03 21:41:09それから、マツコ・デラックスのようなタイプのいわゆるお姉キャラが出てくる小説があるが、それを英語にしてしまうと全然別のイメージになってしまう。そういうキャラが出てくる作品を訳すのは難しい。
2014-03-03 21:41:51海外の読者にとっては日本人の名前が覚えづらい、という話も。英訳版『容疑者Xの献身』の読者から、靖子(Yasuko)と曜子(Yoko)で混乱したという意見があったそうだ。(※靖子は容疑者。曜子は死体のそばに残されていた自転車の持ち主)
2014-03-03 21:43:08英訳版『数学ガール』の読者からは、ミルカ(Miruka)と村木(Muraki)で混乱したという意見。こういうのは事前に気付ければ作者と相談して名前を変えたりといったこともできたが、気付けなかったと。
2014-03-03 21:44:03小説『数学ガール』シリーズ作者の結城浩氏のツイート
“@s_keisuke: @hyuki 英訳版「数学ガール」は本当に存在するのですか?” つ http://t.co/X0NW9HEZGl
2014-03-03 22:11:14あと、『容疑者Xの献身』ではコタツのコードが凶器になる(※ネタばれではないです)。そのためコタツを「テーブル」と訳すわけにはいかず、かといって英語圏の人はコタツを知らないので、少々会話を付け足して自然にコタツがどういうものか分かるようにした、という話も。
2014-03-03 21:44:45@Colorless_Ideas ここ、面白かったですよね。「布のかかった、電源コードのあるテーブル」とそのまま説明してもわけがわからないとか、原本にない説明台詞を足して理解をうながすこともあるとか。
2014-03-03 21:54:21@biotit 会話を新しく作っちゃったりもするというのはなかなか面白い情報でした。翻訳でどこまでやっていいのか、実際にどこまでやっているのかは興味深いところです。
2014-03-03 21:58:42- 『容疑者Xの献身』の英訳はアレクサンダー・O・スミス氏。これはBento Booksではなく、ニューヨークのミステリ出版社 @MinotaurBooks からの刊行。
オタク向けコンテンツの翻訳との違い。日本アニメ・漫画のファンは日本が好きで、多くが日本語学習者。だからたとえば、~chan、~san、~samaの意味を知っているし、そのまま訳した方が喜ばれる。ただ、これだとオタクしか楽しめない。早川の小説を訳すときは、そういう訳し方はしない。
2014-03-03 21:45:25