『戦略読書日記』の素

一橋大MBA楠木建教授ご推薦の書物たち。
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楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子『忍ばずの女』。本編脚本の前に収録されている高峰先生の芸論が貴重。芸への構えを書いた文章は少なくないが、女優としての自分を語る人ではなかったので、具体的な芸論は珍しい。「なぜ」にこだわる役作り。順番の問題を論じた宝田明へのコメントにはシビれた。そういうことか!

2019-07-21 11:57:36
楠木建 @kenkusunoki

【本】斎藤明美『高峰秀子 夫婦の流儀』。生活芸術とその55年に渡る実践。

2019-07-17 18:06:28
楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子『いいもの見つけた』。冒頭の田中絹代のエピソードが哀しくてイイ。モノに対するこだわりは人嫌いの裏面のように思う。

2019-07-16 16:24:11
楠木建 @kenkusunoki

【本】北康利『思い邪なし』。稲盛和男伝の決定版。思想と精神が強烈なのでどうしてもその言葉に目が向くが、特に京セラ創業前後に稲盛のとった具体的行動が勉強になる。いよいよ経営者としての非凡な資質と能力が明らかになる。

2019-07-16 13:31:56
楠木建 @kenkusunoki

【本】斎藤明美『煙のようになって消えていきたいの』。嫌悪する仕事で成功し辞めるに辞めれずどうせやるならと腹を括って大成する。この成り行きが極端に稀少。高峰秀子のような人は奇跡的な確率でしか生まれない。それでも言葉に触れて内省することはできる。「断ることも能力です」。肝に命じる。

2019-07-16 13:24:05
楠木建 @kenkusunoki

【本】斎藤明美『高峰秀子解体新書』。カタログ的編集。乳ガン誤診の話が印象的。

2019-07-15 16:24:55
楠木建 @kenkusunoki

【本】『高峰秀子』(文藝別冊)。どの人の記憶の中でも高峰像はまったく同じでブレがない。かつての本業の映画の話がとりわけ面白い。仲代達矢や木下恵介の回想。佐藤忠男や長谷部日出雄とのインタビュー。沢木耕太郎の回想は例によってスカしているが面白い。

2019-07-15 15:32:26
楠木建 @kenkusunoki

【本】斎藤明美『高峰秀子の引き出し』。意志の人。自分の意志ひとつで完璧な人生を創造した偉人。存在それ自体が作品にして芸術。

2019-07-15 10:24:38
楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子『高峰秀子の人生相談』。簡潔。有用。率直。そしてヒジョーに厳しい。諦観の深み。自己規律と自己修練の人ならではの名回答。お見事。どんな答えもすべて高峰哲学と高峰基準から出てくる。恐るべき一貫性。昭和日本の因習と無教養炸裂の質問に時代を感じる。それでも社会は進歩する。

2019-07-14 19:37:32
楠木建 @kenkusunoki

【本】小谷野敦『とちおとめのババロア』。表題作。残念ながら私小説ではないが設定が面白い。「実家が怖い」以下3篇は本領発揮。とりとめのなさが強烈。参った。特殊私小説。久しぶりに小谷野世界を堪能した。

2019-07-12 16:38:12
楠木建 @kenkusunoki

【本】永江朗『メディア異人列伝』。93ー04年の連載。100人超。続く人とフェードアウトする人がいる。ここに注目して読むと面白い。石川次朗「僕はある持ち味しか持っていない。企業の方向と自分の方向が違ってきたら自分の存在意義がなくなる」。ノレなくなったら辞める。大切なことだろう。

2019-07-07 15:39:20
楠木建 @kenkusunoki

【本】角田光代『しあわせの値段』。連載随筆。企画よし。著書とはことごとく趣味が合わない。それでも面白く読ませる。考えさせられる。実に上手い。手練れのプロの文章芸を堪能。さすが。

2019-07-02 07:52:02
楠木建 @kenkusunoki

【本】斎藤明美『高峰秀子の流儀』。自己規律の天才。自己客観の怪物。自由意志の極致。理想の頂点。初期条件がフツーでないのでこれほどの人は二度と現れない。

2019-07-01 16:14:48
楠木建 @kenkusunoki

【本】小林弘幸『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』。この本が出たあとに小林先生の話を聞いて目から鱗が落ちた。いまでもときどき読む。人にもよく薦めている。自律神経パラダイムが明確なので説明に説得力があり応用も効く。すなわちためになる。

2019-06-28 14:32:06
楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子『類型的なものは好きじゃないんですよ』。書籍未収録の随筆がざくざく出てくるのが嬉しい。どれをとっても上等上質。自然の極み。

2019-06-28 13:16:26
楠木建 @kenkusunoki

【続き】子役時代の「おばさん!」のセリフ一発で高峰演技の本質を見抜き学んだ杉村春子の慧眼にシビれる。高峰は本質的に冷酷。これがイイ。若い女優「好きな仕事だけ選んで家庭もあって理想的。私も先生みたいになりたいわ!」高峰「ああそうかい。50年かかるよ」。そういうこと。これが本当のプロ。

2019-06-28 11:06:50
楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子『高峰秀子と十二人の女たち』。『十二人の男たち』よりもはるかに面白い。本音が出ている。29歳から71歳までの対談・座談を収録。先生はまったく変わらない。原理原則が20代で確立している。田中絹代、山田五十鈴との鼎談はそれぞれのプロとしての仕事哲学の差異が際立ち実に興味深い。

2019-06-28 10:53:03
楠木建 @kenkusunoki

【本】ジーナ・キーティング『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』。面白い。創業初期ものとしては『SHOE DOG』を面白いという人が多いが、こっちがずっと面白い。ネットフリックスの正体を知りたければ動画配信以前の「郵便DVDレンタル」時代に遡らなければならない。そこに戦略と競争優位の本質がある。

2019-06-24 11:01:20
楠木建 @kenkusunoki

【本】松永光弘『「アタマのやわらかさ」の原理。』。創造とは何かを突き詰める姿勢が素晴らしい。創造は視点転換。生み出すよりも見つける。「組み合わせ」「編集」という言葉の意味がやや広い。組み合わせの前提にある「要素」とは何か。まとまった文章を書くことが究極の編集に思える。

2019-06-19 08:15:40
楠木建 @kenkusunoki

【本】先崎彰容『バッシング論』。時事論。共感。自分ではここまできちんと批判する気にはならない。「小人閑居して…」なので放置しておくに若くはなし。「辞書的基底」という言葉が分かりにくい。社会共有価値、常識、教養基盤の意に思う。意識的だろうがクセのある文章。語尾が揺れる。珍しい。

2019-06-17 11:19:23
楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子『コットンが好き』。名文。究極の自然体。世界観よりも生活感情。すなわち美意識。最初に読んだ高峰先生の随筆は中学校の現代国語の教科書にあった黒についての話。この短文が収録されている。懐かしく読んだ。「のっぴきならない」という言葉をこの文章で知った。

2019-06-17 11:12:14
楠木建 @kenkusunoki

【本】小野一光『殺人犯との対話』。凶悪殺人犯オンパレード。ケダモノ(大牟田連続殺人、福岡連続強盗殺人など)、バケモノ(北九州監禁連続殺人、大阪姉妹殺人、尼崎連続変死など)、ただひたすらにダメな人(秋田児童連続殺人、大阪二児虐待死、中洲スナックママ連続保険金殺人)に別れる。

2019-06-14 14:18:12
楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子他『高峰秀子 暮らしの流儀』。高峰再読シリーズ。隅々まで高峰。

2019-06-12 23:41:58
楠木建 @kenkusunoki

【本】高峰秀子『おいしい人間』。極上の随筆。たまらなく美味しい。身辺整理。「生活を簡略にして、年相応に謙虚に生きよう」。勉強になる。司馬遼太郎は「どういう教育をしたらこういう人間ができるのか」と感嘆したそうだが、高峰秀子はひたすら自分で自分を教育した人。最高の手本。

2019-06-10 19:07:35
楠木建 @kenkusunoki

【続き】それにしても高峰秀子という人間の天才ぶりは夫に松山善三を選択したことに象徴されている。善三の善良は次元が違う。『浮雲』も素晴らしいが、高峰秀子の最高傑作はその人自身にして松山善三との生活の総体。一挙手一投足、言葉のひとつひとつが勉強になる。人間の理想にして究極の生活者。

2019-06-08 12:35:22
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