liberal educationとは?

アイルランド史と大学の歴史を研究しているnasastar氏が19世紀の文脈からliberal educationを語る!!
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nasastar @nasastar

「大きな問い」に関するセッションに出ていた。感想。教養教育と一般教育と、リベラル・エデュケーションとリベラル・アーツは分けて考えた方が、何かと楽になると思った。

2014-03-19 12:28:23
FUJITA YUH @fujitayuh

Liberal Educationはリベラル・エデュケーションというしかないのだろうか??・・

2014-03-19 12:33:57
nasastar @nasastar

あと、「大きな問い」を組み込むことと、FDは別の話だと思うんだよね。FDへの参加率が低いのは、忙しいというのがあって、その次は上から、強圧的に、というのが、大きいと思うのよ。

2014-03-19 12:35:13
nasastar @nasastar

@fujitayuh うん。あれは19世紀のブリテン島近辺の特殊な状況や文脈に依存する言葉だと考えているよ。

2014-03-19 12:37:06
FUJITA YUH @fujitayuh

@nasastar ハクスリーについて言えば、古い社会体制に代わる新しい社会が根ざすべき知とは何か、そしてそれをどのように教育していくかという問題設定ですね。記憶が定かではありませんが、修士論文では四字熟語で訳した気がします。

2014-03-19 12:46:46
FUJITA YUH @fujitayuh

ヴィクトリア時代(特に中期)について言えば、liberal educationをめぐる議論は(政治や経済も含む)リベラリズムをめぐる問題圏の核心部分に位置づけられるというのが僕のイメージ。

2014-03-19 13:39:36
nasastar @nasastar

「学生提案型授業」を含む学生主体型FDのセッションに。今のところ、事例紹介。課題や困難な点など難しいポイントの紹介は、参考にはなる。

2014-03-19 14:27:41
nasastar @nasastar

というわけで、自分で投げておきながら、専門家二人のリベラル・エデュケーションの議論はちら見程度しかできていない。

2014-03-19 14:29:54
nasastar @nasastar

さて、昼に呟いたまま、投げっぱなしていた話の続きを。

2014-03-19 19:20:18
nasastar @nasastar

今、やっている研究は19世紀半ばのブリテン諸島の高等教育の整備の話。これは全然進捗してなくてヤバいんだけど、見通しとしてはこんな感じ。

2014-03-19 19:22:00
nasastar @nasastar

前提として、オックスブリッジは停滞している。議会で委員会作られ、圧力かけられまくるぐらい停滞している。特に教育。一方でロンドン大学も成功しているかどうかまだわからない状況。1840年頃。ダーラムは、よくわからないから置いて置く。

2014-03-19 19:24:09
nasastar @nasastar

イングランドにある大学はこれだけ。スコットランドは独自路線。工学とか取り込みつつ色々やっている。ただ大学入学年齢が低いので、半ば中等教育的な要素も残している。

2014-03-19 19:25:26
nasastar @nasastar

アイルランドはトリニティの一つだけ。ウェールズにはまだない。

2014-03-19 19:26:03
nasastar @nasastar

ここでいうところの大学はユニヴァーシティのこと。カレッジはポコポコできるけど、学位は出せないし、カリキュラムもバラバラ。

2014-03-19 19:28:46
nasastar @nasastar

そんな中、アイルランドにできる大学を調べ、位置付ける、というのが僕の研究。今のところ判ってきたのは、大陸、ロンドン、スコットランド、古典的大学の美味しいとこを混ぜて、新しいモデルを作ろうと努力し、当初はそれなりに成功した、ということ。この辺については来年度中になんか書きます。

2014-03-19 19:31:15
nasastar @nasastar

そういう状況下で二つの、現在まで影響を与える、大学論が発表されます。一つがニューマンの大学論。これは上智の建学の理念にもなっているから、日本でもそれなりに研究が存在する。

2014-03-19 19:33:16
nasastar @nasastar

高等教育論的な文脈はそれでいいんだろうけど、アイルランド史的な文脈や当時のブリテン諸島の高等教育政策の文脈に落とし込むと、一筋縄では読めないテキストだったりする。

2014-03-19 19:34:52
nasastar @nasastar

ニューマンという人は、カトリックの枢機卿まで上り詰めるえらい人なんだけど、実はオックスフォードの出。つまり国教会からの改宗者。オックスフォード運動とかあの流れ。

2014-03-19 19:36:27
nasastar @nasastar

彼が学長に就任した大学は、現在のダブリン国立大学の前身に当たるんだけど、設立当初は私立。政策的に作られたクィーンズ大学に対抗する形でダブリンに作られた、カトリック大学。

2014-03-19 19:38:50
nasastar @nasastar

なんでそんな大学が私立で出来たかを説明すると長いんだけど、簡単に言えば、カトリックのための大学が出来ると思ったら、そういうわけでもなく、ダブリンにも出来ると思っていたのにダブリンにはできなかったので、ヤケで作った。そんな感じ。

2014-03-19 19:40:19
nasastar @nasastar

そういうわけで政府からの支援はないは、学位授与権は認められないは、スタッフはあつまらないはで散々。これまたヤケで、有名人のニューマンに学長のオファーを出したら、受けちゃったので、それはそれで困る、そんな感じ。

2014-03-19 19:42:10
nasastar @nasastar

というわけでニューマンはその大学のことよくわからない状況で、学長就任演説をしたんだけど、これがニューマンの『大学の理念』の元ネタ。自由主義嫌い、専門家教育とか意味わかんねー、古典だろ古典、古きよき大学に戻れ、これが彼の主張。おかげで学生が本当に集まらない。

2014-03-19 19:44:48
nasastar @nasastar

集まるのは実践的に専門家教育やった医学部だけ。という感じなので、同時代的にはそれなりに痛いテキストだっただろうと、思っている。ここでニューマンが提唱しているのが、リベラル・エデュケーション。

2014-03-19 19:46:57
nasastar @nasastar

少し時代が下るんだけど、もう一人、お偉いさんを学長に据えて、その演説が現在まで残っているパターンがある。それはミルの大学論。

2014-03-19 19:48:18
nasastar @nasastar

ミルはご存知のように、大学教育を受けていない。恐らくは憧れがある。彼が就任した、セント・アンドルーズはスコットランドの大学。殺菌剤説明したように、ここは半ば中等教育機関的な機能もある。イングランドではパブリック・スクールでやっていた内容を大学でやっていた。

2014-03-19 19:52:08