「千の想いを」~第二章・交錯・分岐イベントA1~
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mamiya_AFS
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…ごめんなさい、言い忘れていました。 航路と補給の量的に出撃は6人までしか行けません。作戦の内容が内容ですから、戦意の無い人は早目に言って下さい。本態メンバー6人の準備と訓練を手伝う側に回ってもらいます。 …どうしますか? 千代田航空母艦。
2014-03-01 18:25:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
天龍以上に、感情の灯らない声が。 「お姉…?」 人形のような、無機質な瞳が。 誰もいない空間を見詰めたままで、あたしを映さない。
2014-03-05 04:21:14![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
奥歯が、鳴った。 「バカなの…? 戦艦の人ですら苦戦する世界にあたし達が行って何ができるって言うのよ…!」
2014-03-05 04:28:24![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「勝てるわけがないでしょ! あんたより経験豊富な夕張だってこうな…、え?」 隣の夕張を示そうとして、彼女の表情がさっきまでとまるで変わっている事に気付く。
2014-03-05 04:31:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
怯えは、ある。 天龍のように嬉々としている様子は欠片も無い。 だけれど彼女はもう決めている。 『戦う』と。 『逃げない』と。 どうして。 戦う事の恐怖をこの中で1番知ってるのは夕張のはずなのに。
2014-03-05 04:36:48![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@tiyodadayo …あのお偉いさんはこうも言ったわ。「自分が指揮を取ってもいいんだぞ」って。 こんな命令下すようなヤツの指揮なんてどうなるかわかりきってる。 だから、ここで退くわけにはいかない。
2014-03-01 22:41:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
夕張の口元が翳りのある笑みを浮かべる。 いつもの明るい笑顔とは全く違う種類のその笑顔を、あたしは知らない。 天龍の隣でにこにことしている龍田さんは何も言いそうにない。 「待っ…。 待ってよ提督。落ち着こうよみんな。 おかしいよ。おかしいでしょ、こんなの。 だって…」
2014-03-05 04:49:24![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
句が途切れた。繋げられなくなる。 小さい頃からずっと優しかったお姉が。大丈夫だって言っても少し怪我をしただけで慌ててくれるお姉が。誰よりも大好きなお姉が。 「…は、はは…。旗艦だからだよね? 旗艦の立場があるから無理してるんだよね、お姉。もう、やめようよ。ね? おね…」
2014-03-05 04:57:18![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ただ1人立ち上がったままのあたしが押し黙ったまま動けなくなり、他のみんなも一言も声を発さない。 相変わらず辛そうな顔の提督も、あたしとお姉を心配そうに見比べる夕張も、対象的な表情の龍田さんと天龍も。 伊吹も。 そうだ、伊吹。 伊吹をどうにか助けないと。このままじゃ伊吹も…。
2014-03-05 05:06:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
殺伐とすら言える剣呑な沈黙が、伊吹の声に破られる。 多分あたしも天龍と同じように伊吹の事を睨んじゃったと思う。目が合った途端に小さな身体がびくんと震えて、声が尻すぼみになっていく。
2014-03-05 05:07:39![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@tiyodadayo @tiyodadayo え、えっと……お、教わればいいと思います!航行運動は息がピッタリな天龍さんと龍田さんに…火力はこの中で誰よりも優れている夕張さんに…耐久力は……私が…一番先頭に立ちます…私は元々重巡として設計されましたから…
2014-03-01 22:44:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
おずおずと。 …やっぱり伊吹の事を甘く見ていたかもしれない。 伊吹は島の名前すら知らなかっただろうに、場の発言と空気から察したんだろう。それに加えて、メンバーの特性までも理解している。まともに戦線を組んだ事が無いのにも関わらず。
2014-03-05 05:08:38