バルトーク133歳おめでとうございます!

3/25はバルトークの誕生日。 その日から続く、ぱぷりりかさんのツイートのみをまとめさせて頂きました。 まとめ不慣れなので、何かありましたらどなたか修正して頂ければ幸いです。
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ぱぷりりか @papririka

民謡の語法を自身のものとして吸収していったバルトークは、民謡の旋律を借りるだけでなく、民謡に則った旋律を新たに創りだして作曲します。「舞踏組曲」はブダペシュト市成50周年記念の委嘱作品ですが、ハンガリーとその周辺の民俗音楽に則したバルトークオリジナルの旋律で構成されます。

2014-03-25 09:33:30
ぱぷりりか @papririka

バルトーク「舞踏組曲」http://t.co/Qm8QoynDZb リトルネッロをはさみつつ様々な舞曲が展開されます。フィナーレにはそれまで登場した旋律が次々と戻ってきて賑やかに締めくくられ、「コッシュート」のナショナリズムとは全く異なった民族観を覗わせます。

2014-03-25 09:51:17
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ぱぷりりか @papririka

「舞踏組曲」と同時期には「中国の不思議な役人」やヴァイオリンソナタ第1番、同第2番、「3つの村の情景」などが作曲されました。ドビュッシー以後ますます和声が複雑精緻となっていく流れの中、不協和音が大好きというバルトークもまた高度な和声で曲を彩ります。

2014-03-25 09:59:29
ぱぷりりか @papririka

バルトークは民謡から和声についても得るものがあると述べており、短7度が協和的であることや、完全4度跳躍下行による終止、四度和音といった要素が挙げられます。そしてそれは、当時の芸術音楽の最先端と方向を同じくしていたのでした。

2014-03-25 10:05:02
ぱぷりりか @papririka

さて、ようやくバルトークは真にバルトークとなる準備が整いました。残ったピースは新古典主義。バルトークは「舞踏組曲」の後、作曲活動上では2年間沈黙します。そして1926年、「ピアノソナタ」「戸外にて」を引っさげて戻ってきたバルトークは、以後傑作を次々と生み出すこととなります。

2014-03-25 10:12:24
ぱぷりりか @papririka

バルトーク「ピアノソナタ」http://t.co/mYdTmZlhPR 強靭な骨格を持つ音楽です。より対位法的、よりシンプルで、古典的な形式を兼ね備え、かつ民俗音楽の語法が息づいています。多彩なリズムは素材の一つとなり、機能和声だけに頼らないことが多彩な不協和音の開放を導きます。

2014-03-25 11:08:26
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ぱぷりりか @papririka

バルトークがこの時までにバロック以前の音楽を調べていたことは確実でしょう。ストラヴィンスキーやヒンデミットは1920年代すでに新古典主義の作品を書いていましたし、新ウィーン楽派も大変凝縮された作品を発表していました。この流れにバルトークも呼応しました。

2014-03-25 11:18:05
ぱぷりりか @papririka

ストラヴィンスキーがバロック音楽へ立ち返り、シェーンベルクが無調から12音技法へ突き進むとき、バルトークは民謡とともにどちらともつかない独自の道を歩みます。分かりやすい調性音楽を書くことはしませんでしたが、無調に賛成することもありませんでした。

2014-03-25 11:33:59
ぱぷりりか @papririka

バルトークのいわゆる中期の音楽、特に弦楽四重奏曲第3番や第4番は急進的な作品です。しばしば無調と評されるものの、実際には激しい複調であったり、旋法を多様に使っていたりして、最後には必ず主音に戻ってくる構成がとられます。機能和声が捨て去られたこともありません。

2014-03-25 11:41:40
ぱぷりりか @papririka

バルトークは中期の頃から、そして後期にはますます対位法的な音楽を指向するようになり、さらに楽曲全体を支配する形式の対称性に異様なこだわりを見せるようになります。「ピアノ協奏曲第2番」「弦楽四重奏曲第5番」にその成果が結実します。

2014-03-25 11:58:36
ぱぷりりか @papririka

エネルギー迸る独奏ピアノの上行と「火の鳥」終曲主題の早回しファンファーレで始まる「ピアノ協奏曲第2番」は、祝典的な雰囲気とエンターテイメント性を持ちながら、バルトークの作曲技法がこれでもかと発揮されています。http://t.co/mYdTmZlhPR

2014-03-25 12:16:54
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ぱぷりりか @papririka

見直したら「ピアノ協奏曲第2番」のところで「ピアノソナタ」の動画を貼ってしまっていました。「ピアノ協奏曲第2番」の動画はこちらです。http://t.co/Ml1JUtJak1

2014-03-27 13:54:50
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ぱぷりりか @papririka

エネルギー迸る独奏ピアノの上行と「火の鳥」終曲主題の早回しファンファーレで始まる「ピアノ協奏曲第2番」は、祝典的な雰囲気とエンターテイメント性を持ちながら、バルトークの作曲技法がこれでもかと発揮されています。http://t.co/Ml1JUtJak1

2014-03-27 13:55:24
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ぱぷりりか @papririka

ピアノ協奏曲第2番の構成をざっと述べましょう。第1楽章はソナタ形式、第2楽章はABA'の三部形式からなる緩徐楽章、第3楽章はロンド形式、と古典派に通ずる楽式を採用しています。第3楽章は第1楽章の変奏となっており、曲全体としてX-ABA'-X'という対称的な構造(アーチ形式)です。

2014-03-25 12:45:02
ぱぷりりか @papririka

ピアノ協奏曲第2番第1楽章では、ソナタ形式の再現部で第1主題が反行形で再現され、提示部との対称性が明確に表現されます。そして第3楽章では第1楽章の主題がロンド形式のなかで変奏されながら次々と登場します。

2014-03-25 12:55:56
ぱぷりりか @papririka

主題を変奏する方法として反行形や鏡映形は頻繁に用いられますし、リズムを変えて全く違う表情を持たせることも多いです。曲中、展開や再現としてカノンやフガートが登場するのも特筆すべき点です。こうした技法はベートーヴェンに原点があります。

2014-03-25 13:02:03
ぱぷりりか @papririka

ピアノ協奏曲第2番は管弦楽法にも大きな特徴があります。第1楽章は管楽器と打楽器のみによる伴奏、一方第2楽章は主部が弦楽器と打楽器のみ、中間部が木管楽器による伴奏です。そして第3楽章にてようやく管弦楽全体が用いられます。

2014-03-25 13:08:34
ぱぷりりか @papririka

そうそう、先程「ベートーヴェンに原点があります」と書きましたが、それはもちろん同時にバロック以前の音楽に由来するものでもあります。

2014-03-25 13:10:26
ぱぷりりか @papririka

ピアノ協奏曲第2番では、ピアノの響きを管弦楽と合体させて強化する試みも行われています。第1楽章のカデンツァではティンパニがシンクロしますし、第2楽章ではピアノの減衰音が弦楽器によって延長されます。

2014-03-25 13:14:25
ぱぷりりか @papririka

ピアノ協奏曲第2番にあっても、ハンガリーの民俗音楽の語法は明確に現れています。それはリズムパターンであったり、旋律の終止の仕方であったりといった形であり、もはや旋律の引用ではなく音楽の骨格の一部として溶け込んでいるのです。

2014-03-25 13:22:41
ぱぷりりか @papririka

8分音符や16分音符を主体とする機械的な動きは、バロック音楽を取り込んだ結果であるという指摘もあります。バルトークの音楽の中には、古い音楽から新しい音楽に渡る様々な要素を見つけ出すことができます。

2014-03-25 13:26:44
ぱぷりりか @papririka

やーばーいーSQ5と弦チェレがまだ控えてる。夜の音楽についても書きたい。疲れたので一休み。これ下書き一切なくてリアルタイムで書いてます。

2014-03-25 13:32:07
ぱぷりりか @papririka

あとヴァイオリン協奏曲第2番とディヴェルティメントは紹介したい。そしたらやっとアメリカ時代かな…?

2014-03-25 13:33:04
ぱぷりりか @papririka

続きは深夜に書きます。これではいつものおふざけができぬ、ぐぬぬ……(-w-)

2014-03-25 20:08:43
ぱぷりりか @papririka

|w') ウルトラコンバンハ!

2014-03-26 00:59:28