市川 大河氏『ごちそうさん』感想追えるだけの呟きまとめ

なんとか十一週から最終週(後日談込)までは見つけ出しました。
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市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん め以子と西門の間で握られる「新米のおむすび」二人は今まだまさに「新米のおむすび」であり、そしてやがては二人は「なべ底大根」に至らんとしている。苦労があり苦難があり、絶望があって寄り添いがあって、幸せと失敗と少しの成功で生きていける二人。『ごちそうさん』が次の一歩へ

2013-12-21 12:58:50

【ふくが来た!】

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 母からの手紙。それは来訪を告げる。それがドラマに何を呼び込むのか、アヴァンタイトルは示唆しないが、ほんわかとした予感だけでは終わらせないように、悠太郎の職務上の「壁」が示唆される。森下脚本は常に観客にストレスは与えるが、それは必ず回収されるので安心感がある。

2013-12-23 12:47:16
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 義父を呼びたがるめ以子と、向き合う静と紀子の背後に「ほんの少し差し込む自然光」その自然光が窓一杯に差し込む中で悠太郎は恩師に仕事の件で抗議する。帰宅した中で三人娘(笑)から手厚い接待を受ける悠太郎(笑)「何かあるんですか」あるんだけどね(笑)賤も希子もめ以子に協力

2013-12-23 12:51:17
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 去年の #純と愛 も、実際の年末年始とドラマ内の年末年始を被らせる演出はセオリーになっている。今年は今年なりに正月を迎えようと構成が寝られている。森下脚本はそれまでの「西門女性陣VSめ以子+悠太郎」から、巧みに「西門女性陣+め以子VS悠太郎」へと構図がスライドした

2013-12-23 12:54:04
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん キレやすいキャラという印象しかない恩師の言葉を通じて語られる悠太郎のトラウマ・過去。その店にもオレンジの電燈が明るく二つ(悠太郎とめ以子)。一方で語り合うめ以子と紀子の語り合う中にもオレンジの電燈(悠太郎)が写り込む。希子のキャラが凄く良い方に育っている(笑)

2013-12-23 12:56:53
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん それらの照明効果の色温度が喪失した先で、正蔵を訪ねる岩淵という登場人物。職場での悠太郎の立ち位置も「ぐずぐず言わんように、やったればえぇやん」め以子の背中をかつて押した言葉が、悠太郎の背中を押し始める。並行して描かれる正蔵と岩淵。猫の鳴き声だけが残る。

2013-12-23 13:00:18
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 強烈な陽光に照らされるバツの悪い正蔵。家族を修復していく事は、社会を修復させていく事と同義語である。め以子に出来る事は少ない。食事を作り、食べてもらって「ごちそうさん」との声をかけてもらい、子を産み育て死んでいく。それこそが「人生なのだ」よと最後に知るのだろう。

2013-12-24 12:46:53
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 正蔵にわたされる岩淵の遺品。それを見る事で初めて正蔵は自分の放蕩さ加減を思い知る。誰も知らない正蔵の生き様。オレンジの灯の下で真ん中のふすまを対象にしっかりとシンメトリー的位置に配置されるめ以子と悠太郎。悠太郎の職務への熱意は、父親へ対して抱いた復讐心かもしれない

2013-12-24 12:50:20
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 夢をかなえる、夢を持つ。人はそうする事でしか生きる事すらできない、と説いたのは市川森一氏。綺麗事などではない「夢を見なければ、現実だけでは押し潰される」脆弱性が、人をして夢を見させるのだという法則論。め以子はめ以子の夢の為に、正蔵に「西門のお節」を尋ねるめ以子。

2013-12-24 12:52:34
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 自分に課せられた職務を全うしたいがために最後まで粘る悠太郎。そして最後まで正蔵に粘り西門流お節を習うめ以子。「おせち料理とは何か」その命題はきっと、め以子の中で新たな成長を即すのだろうと、見送る猫の背中が示唆している。

2013-12-24 12:54:05
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん め以子宛てに和枝から届けられた大量の産着とおむつ。しかしそれらは微妙に人がほつれるように仕上がっている。それがほどけるということは「一つ一つの祈り」が綻んでいるという事である。「呪いや!」必要以上に驚く静の反応に、め以子は倒れるしかないが、果たして和枝の目論見は?

2013-12-24 12:56:36
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 正蔵がめ以子に託した謎かけが「お節料理は全て『願い』なのだ」という答えが示唆される。満面の笑顔で納得するめ以子。源太とめ以子のシーンには必ず悠太郎(オレンジ灯)がいる辺りがこの作品の面白い演出。一人仕事に残る悠太郎に対しても、一つのスポットライト(こちらはめ以子)

2013-12-24 12:58:58
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「料理は人を傷つけない。建物は倒壊すれば人を傷つける」しかしその解釈は悠太郎の傲慢なのだ。料理も人の心を充分に傷つける。そのことを大阪に来てからずっと学ばされ続けてきため以子だから、お節の選択に困惑するのだ。「人をもてなす」という事は一期一会の中で最善を尽くす事。

2013-12-24 13:01:15
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 黒と金の鍋のコントラスト。悠太郎の「料理は人を傷つけない」という言葉に、料理で人を傷つけ、傷つけられてきた時間を思い出す。その瞬間、ハレーション寸前の陽光の下で、原田泰造以下のめ以子の実家族が笑顔で姿を現す。何も「ほうるもん」のない完璧なアヴァンタイトル。

2013-12-25 12:47:40
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん め以子の家族が向き合い、そして西門の静と紀子との出会い。平和な懇談。和枝の話題は出たのだが、め以子と父のバトルは健在!その光景を見て笑う希子の天真爛漫さを、娘が築いた物だと理解できない父。母はそれを安心するが、め以子の地獄の日々には想像が追い付かない。

2013-12-25 12:51:10
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 窓からの陽光と、室内のオレンジライトの交錯の下で、め以子の家族は源太と再開する。「の、いとこ!」源太はナイスプレイ。その次の瞬間に、悠太郎は強烈な夕方の光で竹本に怒鳴られる。葛藤の中で頭を下げる悠太郎には、不条理なまでに下げた頭に真下からオレンジの灯が照らし出す。

2013-12-25 12:53:52
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 今度はオレンジの灯の方が薄暗くなり窓の陽光の方が強くなった窓辺で悠太郎が一人残される。その悠太郎が帰った時に迎えるめ以子の父。「親子じゃねぇかよ!」嫁をめとった男性にとっては一番心に響く一言。だからこそ、悠太郎は職務上の悩みを相談する。正蔵の話題を出すんかめ以子!

2013-12-25 12:58:06
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 曲がった事が大嫌い!原田泰造が、正蔵の存在にブチギレる!原田は悠太郎を信じてきた。人が人を信じるということはとても敷居が高い。ここでも叱責される悠太郎。このシーンはしっかり「夜の食卓」だが、どこにも光源は写されておらず「皆を一つにする灯」は存在していない。

2013-12-25 13:00:57
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん ふてくされる父に対して、江戸っ子らしくなだめる母。そこへやってくる静。画面的にはめ以子の父母が右側にあって、静は左側。そこでは映像心理学的に、静の説得が原田泰造をして説得しきれない無力感を示唆している。しかしポイントは多分「そこまでして仲介しようとする静」だろう。

2013-12-26 12:47:56
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 朝食でもふてくされる泰造の父。それと入れ違うように正蔵が西門家へ向かう。正月は(作品内的にも番組表的にも)すぐそこ。初めて相対する「二人の父」ロジックでもない、レトリックでもない。「美味い物でもてなす」一期一会があればこそ、人と人は分かり合えるという信心を描く。

2013-12-26 12:51:18
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 卓を挟む二人の父。義理の娘を思いやり、義理の息子を思う。正蔵と悠太郎の橋を渡そうとする江戸っ子の父。笑い合う二人。父の役目は「息子を育てるために放り出す事」「娘を育てる為に、最後まで守り通す事」その想いが交錯しあい融合した時「結婚」は初めて一つの「家族」になる。

2013-12-26 12:54:21
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん フグを前にしため以子が「思いつく」去年の『純と愛』での「純の思いつき」は、ことごとく逆を行き結果は燦燦たるものをもたらしていたが、森下脚本は必ずそこで「何かの希望ある結果」をもたらしてくれる。め以子はフグ鍋を準備するが、義理の父は悠太郎と向き合う。「理由がない」

2013-12-26 12:58:08
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「分かる分かる『きっかけ』なんだよな」め以子の父が全てを呑みこんで悠太郎の「若き葛藤と鬱屈」を飲み込んでみせる。「俺と悠さんはな!本当の父子になったんだ!」女性陣には雲をつかむような状況の一方で、正蔵が(このドラマの象徴「大きなオレンジの灯」の下で)決心を固める。

2013-12-26 13:00:40
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 改めて森下佳子の筆力の高さを思わせてくれるのは。森下女史自身が関西出身で本作が大阪NHK制作にも拘らず、決して帰属する地方の価値概念を「大阪>東京」にしないところ。江戸っ子故の短絡さの欠落を関西人の悠太郎が補い、関西ゆえの入り組んだ揉め事を江戸っ子父が解決する。

2013-12-26 13:19:29
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