アイヌアニメ第三話『ニタイパカイェ』解説

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。アニメではチウセレスが「ニタイパカイェ・ニタイパラマ、並大抵の神ではない」とアイヌ語で言っている。日本語訳では「竜巻の魔神なんて大物が出てくるとはな」とだけ。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。さて、ポイヤウンペはアエオイナカムイの家＝居城に連れて行かれる。高い山の頂にあり、何重もの柵がめぐらされている。これは神の世界＝天上世界である。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。ポイヤウンペは家に放り込まれる。すると少女（アエオイナカムイの妹）がいて「ようこそいらっしゃいました」と言う。実は原作では最初は黙っている。女性がすぐに男性に話しかけるのは礼儀正しくないのだ。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。だが、この少女は後の展開からみてもかなり「できる女」である。あえて先に話しかけることにした。鉢巻の辺りがきらきらしてるのは叙事詩のお約束「守護神がちらちらと見える」を表している。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。びっくりしたポイヤウンペが飛び退ると、入ってきたアエオイナカムイ＝アイヌラックルにぶつかる。これはアニメオリジナルの演出。裾のところが燃えているのは「アイヌラックル」の姿のお約束。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。ポイヤウンペの姿。鎧はなくなっているが下は不明。「ふんどし」は昔からアイヌの伝統的な下着。鎧の下は小袖なのかもしれないが、とりあえず日本風の篭手だけの姿にしてみた。素っ裸もなんなので。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。アエオイナカムイの鎧はシヌタプカ勢やポイヤウンペのものと同じ形。同じだという描写が直接あるわけではない。だが、そもそも戦士たちの鎧は基本的に「神授の鎧」。それを表現するために、端的に同じデザインにした。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。この話ではアエオイナカムイはシヌタプカ勢の味方なわけで、おそらく彼らの鎧の出所もおそらくアエオイナカムイである。おそらく姻戚のサンプトゥンクルも仲間なのでわかりやすく同じデザインにした。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。アエオイナカムイの鎧の色は不明だが、一説には太陽神の息子であり裾も燃えているのでオレンジ色に。アットゥシ（厚司＝樹皮衣）を着てるのはお約束。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。家の中の様子は叙事詩では特に語られないことが多い。アニメでは思いっきり金色にした。床も柱も金色、シントコまで金色。柱の形や宝壇の布の模様はアニメオリジナル。伝統的なものではない。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。壁中が花茣蓙（模様入りのゴザ）になっていたり、シントコまで金色なのはちょっと「やりすぎ」の感もあるけど、なにせ神様の世界なのでわかりやすく。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。原作ではここでアエオイナカムイは妹に対し、ポイヤウンペに食事を出して説諭するように命じ、自分はいったん地上に降りる。だが説教されて怒ったポイヤウンペは妹に刀で切りつける。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。だが妹は素早く身をかわす。何日もそうやって家の中で刀を振り回して追い回すが妹はひらりひらりと身をかわし続け、ついには刀の上にぴょんと飛び乗る。そこへアエオイナカムイが帰ってきて激怒。というのが原作の展開。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。さてアエオイナカムイ妹の場面。アニメではそんなに時間がかけられないので、短いやり取りになっている。ただ、刀の上に乗っかる場面は再現してある。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。続いてアニメでは怒ったアエオイナカムイが手をかざすと床に穴が開いてポイヤウンペは「地下世界」の沼に落ちる。「手をかざす」というのはアニメオリジナル。原作ではポイヤウンペを捕まえて連れて行く。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。原作ではアエオイナカムイが自分でポイヤウンペを地獄に連れて行き、切り株に座らせる。すると尻がくっついてしまう。アエオイナカムイは「トゥムンチカムイが来るまでそうしていろ」と言って去る。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。この「地下世界」「ヤチの国」はアイヌ語ではヤチネモシリとかテイネモシリ、ポクナモシリなどさまざまに呼ばれるが、化物などが封じ込められる一種の地獄である。灼熱地獄ではなく、「じめじめした嫌なところ」らしい。

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@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。さて、アニメではポイヤウンペは真逆さまに沼に落ちる。丸いものがたくさん並んでいるが、これが「谷地坊主（ヤチボウズ）」。北海道の湿地や平地（ヤチ）の草（スゲ類）が株状に固まって生えているもの。

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。アニメでは沼になっているが、まあリアリズムで考えたらもう少し湿地っぽいかもしれない。赤い色もアニメオリジナル。異世界ぽくしてみた。

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。そこへトゥムンチカムイ夫妻が登場。トゥムンチカムイというのは本来は「戦いの神」である。「トゥムンチ」はトゥミ「戦争」の雅語。この叙事詩では彼らは「罰を与える（教え諭す）神」ということになっている。

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。こういう地下世界での罰の描写は珍しい。トゥムンチカムイというのは「戦いを司る神」ではなく「戦いの強い神」程度の呼び名。

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。さて、ニタイパカイェの叙事詩では彼らは「色んな海獣の毛皮をつないだ服」を着ている。アニメでは多色の布を接いだようなデザインになっている。

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku 「いろんな毛皮をはいだ服」というと、シベリアのシャマンっぽい、大陸っぽい伝承ではある。ただそれだとビジュアル的には「ミンクのコート」みたいになっちゃう。アニメでは「色々つないだ」をわかりやすく絵にしてある。

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。さて「沼に沈めばヤチボウズになる」というのはアニメ風にちょっと改変した設定。原作ではトゥムンチカムイは反省しない悪人どもを地下世界の立ち木やヤチボウズに変えてしまうのだ。

丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ２。第三話『ニタイパカイェ』ネタバレ解説。アニメではトゥムンチカムイがポイヤウンペに生き別れの兄たち（カムイオトプシとチウセレス）の苦戦する姿を映像で見せ、お前も彼らもここでヤチボウズになるぞ、と言う。そこでポイヤウンペが兄たちを助けたいと改心する