【ニンジャスレイヤー二次創作】 帰ってきた女 #3

カート・キャノンふうニンジャスレイヤー二次創作です。 【#1】http://togetter.com/li/567510 【#2】http://togetter.com/li/635035 【#3】http://togetter.com/li/669544 続きを読む
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夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

くそったれ、おれは何がなんだかわからないまま地べたにはいつくばった。デッガーたちは転がったおれを遠慮なくいためつけた。いやっていうほどどやしつけられた頭はがんがんするし、踏んづけられたわき腹は骨がおれたのか息をするだけでずきずきと痛む。 81

2014-02-27 23:44:45
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

10分もするとおれはもう道端にすてられたルンペンの死体とかわらないありさまになった。まだまだ生きちゃあいるが、あと半時間もすればこの世とサヨナラできそうな具あいだった。こんなしょうべん臭い路地裏で、血まみれになってしぬ。 82

2014-02-27 23:50:01
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

オハギ中毒のサイコ野郎にはにあいの死に様だ。 83

2014-02-28 00:00:18
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「おおくそ、死んでしまう。死んでしまうぞ」 おれは這いつくばっていも虫みたいにばたばた動きながらうめいた。 「しぬ?ニンジャがしぬだって?」 ケンドー型装甲服のひとりがわらった。 「モータルに殺されるニンジャなんて聞いたことないぞ、やっぱりお前はただのサイコ野郎だ」 84

2014-03-03 23:53:45
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「サイコ野郎でうそつきだ、うそばかりで自分もだましちまったんだ」 「なんだって、おれがおれをだましてる?」 「そうだよ、そもそもお前はデッガーなんかじゃない」 おれはわけがわからなくなった。おれがデッガーじゃないだって? 85

2014-03-04 23:39:39
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

デッガーとして捜査したおぼえだってあるんだ、アンコでぼやけた頭だがたしかにその記憶はあるんだ。さいごには家族をめちゃくちゃにしてしまった、それは確かだ。けれどもおれがデッガーじゃなかっただなんて、そんなことあるもんか! 86

2014-03-05 21:06:39
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「そんなことあるもんか、おれはデッガーだったんだ。そこにいるおれのヨメにきいてくれ」 「ヨメだって?」 デッガー達はぞっとしない、というような顔をした。 「こいつにヨメがいたなんてだれか知ってたか?」 だれかが言った、それにだれかが答えた。 87

2014-03-07 01:22:17
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「アンコの毒であたまのなかがベトベトになったんだろうさ、あたまのなかでベトベトになった記憶がひっつきあってめちゃくちゃになったんだ」 おれの頭のうえでデッガーたちが口々に好きかってなことをしゃべりはじめた。その、どれもこれもが俺のしらないおれについてしゃべっている。 88

2014-03-07 01:30:47
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

もうやめてくれ、とおれは思った。あたまがへんになりそうだ! するとデッガーのひとりが言った。 「なあ、ちょっとためさせくれよ、あんたが本当にデッガーだったかどうか」 おれはかおを上げた。するとそこには嫌な笑いをはりつけたデッガーが見えた。 89

2014-03-09 00:12:51
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「あんたが本当にデッガーだったっていうんなら何課だったのかいってみろよ」 嫌な笑いをはぎとってやりたくて、おれは何課だったのか思いだそうとした。けれど、いくらあたまの中の記憶のつまった戸棚をひっくり返しても、なにもでてきやしなかった。 90

2014-03-09 00:53:04
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

おれのあたまの中にあったのは、ただデッガーだったという記憶だけで、あとは朝までのんだくれたあとの酔っぱらいの財布とおんなじにすっからかんだった。 なんだか空恐ろしい気がしてぶるぶるふるえた。なんだっておれはこのことに気付いてなかったんだ? 91

2014-03-10 22:06:13
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

でも、きっと違うんだ。きっと毎晩ばん胃袋にながしこんだウィスキーと、のう細胞にまで染み込んだアンコが悪さをしてるんだ。 「ちがうんだ、ちがうんだ、さけとアンコのせいなんだ」 おれは頭をかかえてつぶやいた。 92

2014-03-16 22:40:59
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「だったらあの人がだれだか知ってるだろう」 デッガーのひとりが、おれのヨメを指さした。ひとをばかにしてやがる、いくらおれがヤク中のサイコ野郎だってわかる。 「おれのヨメだよ」 93

2014-03-19 23:26:27
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

するとどっとデッガーどもが笑いだした。 「あの人がお前のヨメだって!やっぱり頭がいかれてやがる!」 「オハギはやめろよ、おはぎはやめろよ!こいつみたいになる!」 おれは「なにがおかしいってんだ!」と叫んだ。 すると、デッガーのひとりがおれに唾を吐きかけて言った。 94

2014-03-20 22:49:30
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「あの人が、ほんとうにお前のヨメだっていうなら、なまえはなんていうんだい?」 今度こそおれの中から答えはでてこなかった。いままで間違いないと確信して歩いていたみちが、ふときづくと何もないのっぱらをあるいていたのに気づいた気分だった。 95

2014-03-26 00:10:18
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

しかもそののっぱらは、びゅうびゅうと風が吹きすさぶだけで、はてはどこにもなかった。おれが、いつかたどり着くのだとひっしで目指していたはてみたいなものは、もうどこにもないのだった。 96

2014-03-26 00:12:48
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

いったいぜんたいおれはどこにいるんだ? 97

2014-03-26 00:13:05
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「タネあかしが必要だな」 だれかが無慈悲につぶやいた。「現実からにげて、自分じしんをごまかして、だましてるんだ」「だれかがそれを教えてやらなきゃならない」「でないと死んだやつがうかばれない」「それよりもおれの怒りがおさまらない」 98

2014-03-27 00:12:42
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「じぶんのしでかした事をわすれたまま殺してなどやるものか」99

2014-03-27 00:22:20
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「お前はそもそもデッガーじゃない」「ただのごろんぼうのカラテモンスターだ」「3年前にカラテ虐殺事件がおきた」「捜査がいっこうにすすまないことに業をにやした捜査本部は、なにかのてがかりにならないかと、おまえをやとったんだ」 100

2014-04-03 22:49:05
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「だが、おまえこそがカラテ虐殺事件の犯人だったんだ」「協力者のふりをしてあらたなえものをさがしていただけだった」「最後のえものはデッガーだった」「妻も子もあるデッガーだった」 101

2014-04-05 14:53:01
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「妻と子?」 おれはいやな予感がした。はなしの流れからすると、このはなしはおれにとって、とてもつごうの悪いはなしになりそうな気がする。おれのうしろから、何かいやなものがひたひたと迫ってくる予感がした。 102

2014-04-05 19:43:51
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「いいか、よく聞けよ。気をつよくもって、しっかり聞けよ」ああ、なぜだかおれを痛めつけてるはずのデッガーがきみょうに優しくいった。 「おれが思うに、これからがおまえにとって一番ききたくないとこなんだ。でもだいじなとこだ」103

2014-04-06 01:06:52
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「ニッコーテンプルのボンテージドモンキーってわけにはいかないからな、しっかり聞いてもらわにゃならん」 ああ、やめてくれて。その通りだ。そこから先はおれの全部をばらばにしてしまうことなんだ。 104

2014-04-06 01:11:17
夏頭悠@にんぱくファイナルR02 @N_Halka

「最後のエモノをなぜデッガーにしたか、おまえがそのデッガーの妻に惚れたかららしい。そしてデッガーの妻を自分の妻だと思い込んだんだ。なんでそんな事になったのかおれにきくなよ?サイコ野郎の妄想の原因なんて考えるのもごめんだからな。 105

2014-04-12 23:15:14