- trpgdontokoi
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えー、突発的に(仕事の間のストレッチみたいなもんなのです)TRPGガイドを。今回は「どんな状況にでも対応できるマスタリングはいかにして実現すべきか」です。まあレッドラも終わったし。
2014-06-04 02:16:50普段から「できないならやめとけ」と言ってる僕ですが、まあやりたいというコンセンサスがあるなら止めるものではないです。そもそもうちの身内はそういうマスタリングが主流なので。
2014-06-04 02:17:45なおこのガイダンスは「このプレイスタイルが他のプレイスタイルよりえらい」という意図はなく、「好みでないならやめとけ」という前提に立脚しています。また、先に断わっておきますがそれなりに面倒です。「普通はやらない」のはその通りなので、そこにはレスしません。
2014-06-04 02:18:40んでまあ、まず必要なのは何かというと、コンセンサスです。第一に、「GMの裁定に絶対に従う。意見は言ってもいいが最後には裁定に服する」という確認を全プレイヤーが取っている必要があります。処理情報が増えれば増えるほど、最終的な決定権をGMが持っていることを確認しないと進まないからです
2014-06-04 02:20:15たとえば、あなた方が美しい王城に入ってきたとします。PCのひとりが城におもむろに火をつけたとします。風向きは? 他の城の人間の対処は? 城の燃えやすさは? それらの不確定要素を決めるのはGMだ、ということです。
2014-06-04 02:20:59プレイヤーは意見を言えます。しかし、最後にはGMが「何が起きたか」決めるのだ、というコンセンサスを取っておかないと、自由な行動は処理できません。プレイヤーごとに現実が存在していると対処出来ないのです。自由なセッションを達成するために必要なのはプレイヤーのマナーです。
2014-06-04 02:21:41ああ、あなたの言いたいことはわかります。「いやルールと世界観に乗っ取れば、GMは完全に公平な裁定を下せるはずであり、そこに裁定権など必要ない」はいはい。まあ、そういう信仰があるのはわかりますが、その手の信仰と自由度の高いプレイングの相性は悪いです。
2014-06-04 02:22:26なぜなら、自由度の高さによって発生する無限の可能性を、複数の人間の主観で集束させることは事実上不可能だからです。以降、「GMの裁定に従うなんてまっぴらだ」というご意見には面倒なのでレスをしません。
2014-06-04 02:23:13次に、GMが成すべきことは、プレイヤーの行動に「面白い」レスポンスを返すことです。ジャッジではなく、「そのイベントに対してこういうイベントを返すと面白かろう」という精神で対処すべきです。つまり、プレイヤーに物語の提案というボールを投げ返すのです。
2014-06-04 02:24:12そして、複数のPCの行動は、ひとつの物語の糸へと絡み合い集束すべきです。そうしないとプレイ時間がいくらあっても終わりませんし、それぞれの行動が自分のPCに影響しないと退屈です。
2014-06-04 02:24:46もうおわかりでしょうが、プレイヤーの側にもテクニックを必要とします(そうです、プレイヤーだって努力を必要とします)。自由な行動は同時に、他のプレイヤーやGMを観客として意識し、物語を構築する技術を必要とするのです。「何をやってもいい」からこそ、受け身のお客さんだと楽しめません。
2014-06-04 02:26:13理想的な形はこうです。「GMが舞台を提示する」「プレイヤー思い思いに行動を起こす」「GMそれぞれに愉快なイベントを起こす」「プレイヤーまたイベントに反応する」「GMさらにそれをユカイにする」この繰り返しです。
2014-06-04 02:27:11では具体的にどのようなイベントを起こせばいいのか。これはGMの引き出しにかかっています。ダンジョンが必要になれば、既存のダンジョンマップを取り出し、ロマンスが必要になれば映画の一場面を思い出し、リドルが必要になればどっかのシナリオからリドルを引きずり出してくるのです。
2014-06-04 02:28:26とにかくこれは、「こう来たらこう返す」の型稽古に尽きると思います。もうあらゆるものが研究の対象になります。映画でも、アニメでも、コンシューマでも何でもいいんですが、ひたすら「ここで主人公がこうしたらこうするのか!」「こうしてたら自分はどうする?」と考えるしかないです。
2014-06-04 02:30:33プレイヤーの側にも同様の思考が求められます。「この行動を取ったらどうなるのか」は意識すべきで、「こういう意図を期待してこの行動を取る」と伝えるとマスタリングしやすくなります。「火事場泥棒をしたいので城に火を付ける」と「革命の狼煙を上げたいので城に火をつける」には違いがあります
2014-06-04 02:31:45このような傾向から、ワールドセッティングは中世~近世風のワールドが向いています。理由は、社会の情報量、複雑さが人間に理解できる範囲だからです。王様、大臣、姫様、悪い魔法使い、竜、兵士、庶民、くらいの配役なら何とかなる人が多いと思います。
2014-06-04 02:33:11これが現代~未来だととにかく大変で、たとえば「国会議事堂に火を付ける」ことを考えると、何が起きるのか説明出来る人は誰もいないと思います(いや、いるかもしれませんが、我が国の防諜のためどうか黙っていて下さい)。
2014-06-04 02:34:03こういうと夢が壊れるのは百も承知ですが、箱庭であるワールドの「すべて」は絶対に演算できません。どこからどこまでが今回の舞台なのか、についてはGMは決めておいたほうが無難です。
2014-06-04 02:36:32自分がクトゥルフやるときに1920年代アメリカがもっぱらなのは、「田舎町ひとつ」くらいで話が収まり、ネットがどうとか近代社会がどうとか考えなくて済むことです。そういう理由ですね。
2014-06-04 02:37:30だいたいこんなところです。話の着地点をどうするか、などは好みの問題なのでご自由に。僕はあってもなくてもよくて、プレイヤー全員が納得したらシナリオが終わる、くらいでいいんじゃないかなあ、と思ってます。
2014-06-04 02:38:36ただ、GMはなんかオチを用意しておいたほうがいいとは思います。「城に火を付けられた姫が、姫に惚れていた盗賊のPCを誘惑して一緒に火付けのPCに復讐するため竜の宝玉を持って襲ってくるのでなんとかする」くらいでいいです。
2014-06-04 02:39:18ひとつめ。「メタ構造が介入すると没入度が下がる」のはわかってますが、それでも決めておいたほうがいいこと。それはグロとエロの扱いです。自由度が高いからといってPCが拷問を始めていいのか、吉原に入り浸っていいのか、という問題です。
2014-06-04 02:40:12まあうちでは「いいんじゃねえの?」で流されますが、このへんは本当に好みによります。一応話しておいたほうがよいです。なんせ本能に根ざしてるんで、一度盛り上がると本当に止まらないから注意して人生を送って下さい。
2014-06-04 02:41:08