雁首鬼との遭遇

※暴力表現有り
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シャオイー(小伊) @applex002

「…辣油、」なんてこの時間に買いにいったのはうちの執事くらいだろう。地面に転がる品物の入った紙袋。その中身は無残に割れ、中身が漏れ出して地面に染みている有様だった。 「あのバカはお使い一つまともに出来ないのかしら?」 呆れながらも、漸く手がかりをつかめた気がして胸が騒いだ。

2014-06-07 23:34:17
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 私の作品に手を出した罪は重いですよ……獸。 (男はいつになく青い白い顔をし、隠し切れない殺気を纏っていた。バールを手に、思い切り少年へ向かい跳ぶ。素早く着地すれば少年の首元に先端を突きつけつつ罵りを口にする。翻ったローブが風に弄ばれて揺れた。)

2014-06-07 22:33:47
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『作品…?芸術家気取りなんですね』迫るバールを流れるように後ろに反って交わし、そのまま相手の腹に蹴りを叩き込んだ。血を飲んだおかげなのか、打ち付けた身体も握られた頭部も痛みは既になかった。まるで生まれ変わったように、恐怖さえも感じてはいなかった。

2014-06-07 22:40:34
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 (ゆっくりと目を細め、足を捕らえると此方側へ強く引いた。ずるりと地面が抉れるのも気に留めず少年の首を捕らえようと手を伸ばす。が、後ろへ飛び退いたかと思えば口から鉛色を吐き出し、膝をついて崩れ落ちる。傷口のナイフが外れてしまったようだ。)

2014-06-07 22:46:18
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『っ、!?』足を引かれ体制を崩しそのまま背中から地面に落下する。次に来る攻撃に備えようとして、少年は首を傾げた。『あなた…病気なんです?』全くそそられない血のにおいを漂わせる相手に少年は身を起こしながらたずねた

2014-06-07 22:51:52
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 ……そんなことよりも、ご自分のお身体に気を遣ったら如何でしょう?(にや、と嬉しそうに男が微笑んだ。と同時に、少年の頭上からナイフが落下して行く。真っ直ぐに急所を狙い、素早く、正確に。傷口を抑えて立ち上がりながら、無理矢理に体を動かし構えを取った。)

2014-06-07 23:00:57
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『…っ、あぁあああ!!』反応が遅れた少年の体をナイフが突き刺さる。寸でのところで急所は外したものの深く刺さったナイフの熱さ、肉を割く感触に全身が総毛立つ。…しまった、はやく構えないと…!

2014-06-07 23:07:00
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 痛いですかァ…?もっと呻いていただいて構わないんですけど……(怪我をしている人間では到底あり得ないであろうほどに素早く少年の傍まで移動すると、刺さったナイフを抜き自らの傷口へ刺した。少年の傷を抉ろうと革靴でぐりぐりと踏みつけながら屈み、少年の顎を持ち上げ)

2014-06-07 23:14:01
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『うぁあああ!』ナイフを引き抜かれるとと血が吹き出し、『ぐぁ…、はぁ…っ!』踏みつけられる圧に内蔵が悲鳴をあげるが、傷口はまるで逆再生するかのように閉じたのがわかった。眼前に迫る相手の顔に唾を吐きかけると、にやりと口角を歪めた。『誰が呻くかよ、』

2014-06-07 23:21:45
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 これは面白い。長く楽しめそうですねえ…? (唾を拭い、手袋ごと少年の口へ突っ込む。そのまま幾度と無く体を串刺しにしては、治って行く様を見て賞賛の言葉を放った。躊躇することなくバールを少年の胸に突き刺し、削るようにそれを引き抜きながら幼さの残る悲鳴に微笑んだ)

2014-06-07 23:31:50
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『ぐ、ぁああああああああ!!…っ、はぁ…ぁ、ぁあっ!!』何度も繰り返される終わりのない苦痛にただ涙を浮かべ、相手を睨みつける。血のにおいが内側から、外側から、入り混じってわからなくなる。朦朧とする中、気付けば至近距離で笑う男の頭の鷲掴みにしていた

2014-06-07 23:43:12
シャオイー(小伊) @applex002

「はぁ……はぁ…、っ…はぁ、」 裏路地に響いた悲鳴を辿って駆け出した。どくり、どくりと騒ぐ鼓動。わかる、あれは間違いなく……… 「あのおバカっ、!!」

2014-06-07 23:47:48
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 進んで痛めつけられるとは………もしかして、マゾ気質なんですかねえ…?(口から手を引き抜くと、そのまま少年の腕を捻じる。小気味の良い音を聞き流しつつ嫌悪の滲んだ声で尋ねた。が、回答を求めているわけではない。どうせ死なないのだからとバールを口内に突き刺した。)

2014-06-07 23:48:21
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『うぐ……がっ、ぁ!』腕の骨が折れる痛みと衝撃に目を見開いた。そして、そのまま驚きの表情で瞳が男の後ろへとズレる。 「そこまでよ、それを放しなさい」カタカタと震える手で小さな護身用のナイフを握った少女が雁首鬼を真っ直ぐに睨みつけて立っていた。

2014-06-07 23:54:18
シャオイー(小伊) @applex002

白い白い、暗闇から嫌われたように分離するその人が、 (天使のように見える、なんて…)

2014-06-07 23:57:15
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 これはこれは。随分と勇ましい御嬢様ですねえ……さて、どうします?小さな蝙蝠くん。 (少女を見つけた途端に顔を綻ばせ、少年からバールを引き抜くとまっすぐにそれを少女に向ける。試すような口ぶりでせせら笑っては投げるふりをして見せ)

2014-06-07 23:57:50
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『ぐっ、…ふざけんなっ、!!』相手の行動に目を見開くと、修復し切らない身体の傷も厭わず動く方の腕で相手の喉元を掴むとそのまま地面に叩きつけた。いつの間にか獣のように鋭く伸びた爪が相手の首の肉を切り裂いて薄く食い込んでいる

2014-06-08 00:03:18
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 本当にマゾヒストなのですねえ…嫌いではありませんが、どちらかと言うならやはり逃げ惑っていただいた方が私は好きですよ。 (首に突き刺さっていたナイフが指を削る。それを引き抜いて小柄な胸元を蹴飛ばすと起き上がって少女へ向かい刃物を飛ばした)

2014-06-08 00:19:40
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 「っ、きゃ!」『シャオ、!!』蹴飛ばされ、フラついた身体を無理やり立て直すと、地がめり込む程に蹴り上げ少女の元へと駆け出した。そのまま少女を抱きしめて地面に伏すと、覆いかぶさる執事の髪を掠めてナイフが飛んでいった。

2014-06-08 00:29:24
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 ……美しい…これこそが、人類愛…。流石ですよ、蝙蝠くん!(バールをくるくると頭上で回し、手で弄りつつ男女の目の前までゆっくりと歩いていく。倒れ込む少年の背に工具を突き刺して持ち上げ、少女から引き離す。ついでにと投げたナイフを拾って首に刺しながら呟いた)

2014-06-08 00:40:21
シャオイー(小伊) @applex002

@hakobiyasan_bot 『ぐぁっ、!』「あ…、やめて!お願いもうやめて!!」目の前で少年の背にバールを刺され、気が動転した少女は持っていたナイフを取り落として震えながら雁首鬼にしがみついて許しを乞う。

2014-06-08 00:48:26
運び屋 @hakobiyasan_bot

@applex002 ……仕方無い。お望み通り、止めて差し上げます。 (バールを引き抜き、血潮を浴びる。少女の足元へ少年を放り投げると、服の代わりに花を握らせた。涼やかな風が、少女の肌を撫でる。土産に、と少女の髪に口付けをすると輸血パックを少年へ放って立ち去った。)

2014-06-08 00:57:27
シャオイー(小伊) @applex002

殺人鬼の姿が見えなくなると、力なく手の中からすり抜けた花が地面に落ちた。「クリス、クリス!しっかりしなさい!」『っ、…痛…揺らすな…さないでください』「…っ、もう!それだけ元気なら心配しない方が良かったのかしら!」『痛、ぇ!』ベシッと豪快に背中を叩く音が暗い裏路地に響いた

2014-06-08 01:07:01
シャオイー(小伊) @applex002

人智を超えた速度で傷は回復してもボロボロに引き裂かれた服だけはどうにもならない。『歩けますか?』ぺたりと地面に座り込んでいた主人にそう声をかければ彼女ははずかしそうに俯いて小さく首を横に振った。「…し、」『シャオ?』「腰、抜けちゃって立てない…!」…笑うな。多分もう一撃飛んでくる

2014-06-08 01:12:29
シャオイー(小伊) @applex002

「クリス、あなた眼が…」『…、』「何かあったの?」そっと頬を撫でる主人の指先は柔らかく、いつになく優しい。『シャオ、怪我を…』「擦り傷よ」落とした視線の先、擦りむいた膝から流れる主人の血に気がついた。気がついてしまった。

2014-06-08 01:22:03