空の下で

綺羅さん(@kiraboshi219)による薄桜鬼の創作小説第14弾。 第1弾「黒と白~斎藤一~」http://togetter.com/li/587101 第2弾「嫉妬」http://togetter.com/li/594080 第3弾「~それぞれの日々~」http://togetter.com/li/595330 続きを読む
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🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

疲れ果てた体を投げ打つようにして、 大地に寝そべり真っ青な空を仰ぐ。

2014-06-11 21:51:11
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

体を通り抜けた鉄の玉の数も知れず、 どれだけ出血しているのか、 また、いくらか抗う白き鬼の力がどれだけ働いているのか、 __ もう、わからない。

2014-06-11 21:51:33
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

血に濡れた俺の頬を、風が撫でていくのとともに、 __短く切った俺の髪に指を通し、慈しんでくれたその表情がまぶたの奥に浮かぶ。

2014-06-11 21:51:56
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

自分のこころに素直になった時、 おまえと見る景色全てが、今までと違って見えた。

2014-06-11 21:52:09
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

苦難を乗り越えた後に見た朝日も、 甘い時間に酔いしれたあとの気恥かしい朝日も、 仲間の死に涙した夕日も、 俺は全て覚えている。

2014-06-11 21:52:36
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

地面にじわじわと染みていく血が、生温くて不快だ。 俺の体から抜けていくこの穢れた血が、 生きるために、 守るために、 奪ってきた数えきれない命に呪われていようとも。

2014-06-11 21:53:17
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

俺はおまえに、生き抜いて欲しいと強く願う。

2014-06-11 21:53:33
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

土方さん。 あなたの死に場所を奪う俺を叱るのは、百年後にしてください。 俺は先に行って、皆と待っています。

2014-06-11 21:53:50
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

千鶴。 最期の言葉を、うまく伝えられなかった。 そのことだけが悔やまれる。

2014-06-11 21:54:16
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

いつか2人で見たあの星空の中の一つになれるのなら、 ずっとおまえを見守り続けると誓う。

2014-06-11 21:54:47
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

おまえとの愛に生きることよりも、 信念を貫き逝く俺を、赦してくれとは言わない。

2014-06-11 21:54:59
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

土方さんを死なせないために、そしておまえを守るために、”副長”に委ねた。 俺は卑怯者だと罵られてもかまわない。 2人を死なせたくない。

2014-06-11 21:55:56
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

あの人は必要な人だ。 おまえにとっても、時代にとっても。 土方さんはこの戦を生き抜いていく標であり、 愚かな俺や、亡くした仲間をきっと記憶に残してくれるだろう。

2014-06-11 21:56:35
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

おまえは土方さんを支え、 いつの日か2人でしあわせになって欲しい。

2014-06-11 21:56:49
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

子を生し、俺が見ることのなかったいくつもの季節を感じて欲しい。

2014-06-11 21:57:08
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

おまえの笑顔が、好きだった。

2014-06-11 21:57:26
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

消え行く俺のために、涙を流すな。 もう、その顔は見たくないのだ。

2014-06-11 21:57:40
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

少し先に進むだけ。 後から、ゆっくり。 ずっと後から、こっちにおいで。

2014-06-11 21:57:58
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

その時が来ても、 俺はお前を愛していると、 伝えられずとも秘めているだろう。

2014-06-11 21:58:17
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

しあわせになってくれ。 それだけが、おまえを得た瞬間からずっと願っていたことだ。

2014-06-11 21:58:28
🐿 綺 羅 🦭 @thrianta_satin

その大きな瞳をとじた時、 記憶の中に俺や、仲間たちを描いてくれたら、 それだけで俺は満足なのだから。

2014-06-11 21:58:43