やらなかったことを賞賛するのはけっこう難しい

うまく回っているその状況は、賞賛がないと維持できない。称賛されて、それでようやく現状維持の動機が回る。称賛のない状況は改善される。
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medtoolz @medtoolz

やらなかったことを賞賛するのはけっこう難しい。あえて手を出さずに見守ってくれたこと。余計な口を挟まずに黙って聞いてくれたこととか。「あなたは何もしてくれなかった、ありがとう」と口にするのはなんか違う。

2014-06-11 12:28:50
medtoolz @medtoolz

うまく回っているその状況は、賞賛がないと維持できない。称賛されて、それでようやく現状維持の動機が回る。称賛のない状況は改善される。今がうまくいっている、とくに何もしないことが現状ありがたい状況は、たいてい真っ先に改善されて、壊れてしまう

2014-06-11 12:29:51
medtoolz @medtoolz

ドラッカーの非営利組織の運営だったか、利益を目的にしない組織を維持していこうと思うのならは、過程ではなく結果に着目せよと書かれていた。ルーチンワークをただひたすら回していくような地道仕事は、だからこそ結果の改善という形で成果を目に見せていくことで、現場のやる気を維持するんだと

2014-06-11 12:31:03
medtoolz @medtoolz

ルーチンワークを自己表現の場にしてほしくないよなと思う。カップラーメンにお湯を注ぐような仕事があって、じゃあうやうやしくお辞儀をしてから何かの儀式みたいな動作でお湯を注いで、今までよりも高い対価をお客さんからとれるのか。その不思議な踊りはお客さんの満足につながるのかどうか。

2014-06-11 12:32:06
medtoolz @medtoolz

そういうのがその人の表現になってしまっている動作を、今更もう少し簡素に、とお願いするのは難しい。それは改良の成果であって、そこを否定してしまうと、その人を否定してしまうことになる。過程を改善しようと思ったら、まずは目指すべき結果を測定できるようなものさしを共有しないといけない

2014-06-11 12:32:08
NaOHaq(苛性ソーダ) @NaOHaq

@medtoolz 友人が日本語支部のチーフ的な立場をやっているNPOの現場でも、ほっとくととにかくみんな「カイゼン」的なことをやりたがって余計なルールが増えていくのでときどきぶった切らないといけない、と言ってましたね。

2014-06-11 12:35:36
medtoolz @medtoolz

@NaOHaq 見守り中心で患者さんの創意工夫を促すタイプのリハビリテーション手法は、「改善したい」という見守り手の思いが、うまくいっている状況を壊しがちなんだろうな、と妄想するのです。

2014-06-11 12:36:46
medtoolz @medtoolz

たとえば自分たちは患者さんの待ち時間をものさしとして提案したいのだけれど、看護師さんの側は患者さんが感じる「温かみ」みたいなものを提案したりする。時間短縮の合理化は温かみの低下につながってしまう。ものさしの衝突は、なかなか解決が面倒くさい

2014-06-11 12:33:09
medtoolz @medtoolz

人を褒めると伸びる。うまく伸ばすと天才になる。伸ばしかたを間違えると天狗になる。称賛の対象として選択したパラメーターが異なっているからなのだと思う。

2014-06-11 12:34:11
medtoolz @medtoolz

掃除が上手な子どもを褒めれば、子供は掃除が好きになる。このときに、床の角に積もっていた埃がきれいに拭かれていることを褒めれば、その子は床除の天才になれる。子供の真面目な態度や誠意ある姿勢を褒めてしまうと、その子はもしかしたら掃除の天狗になってしまう。

2014-06-11 12:35:12
medtoolz @medtoolz

独りよがりな真面目が磨かれた結果として、恐らくは好ましい状況はがざかる。逆に言えば測定不可能、コントロール不可能なパラメーターを称賛の根拠にすると、良し悪しはともかくとして、称賛を受けた誰かは熱狂的に突っ走る。速度計の壊れた自動車でひたすらアクセルを踏む

2014-06-11 12:36:15
medtoolz @medtoolz

民族や宗教、平和みたいな価値を根拠にした称賛は、測定不可能なものさしの押しつけであるともいえる。無目的な頑張りをお互い競う結果として、熱量がやたらと高い集団が生まれる。「そのものさしは定量できますか?」と問うことが、ある種の試験紙になる

2014-06-11 12:37:16

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まとめ 間違ってほめた子供は、けっこう大変なことになる 「これはいいものだ。こうすればもっと良くなる」というコーチングのあれは、叩き要素をゼロに出来る状況を講師がつくりだした時にのみ通用する。お手本の模写で序列の下位に甘んじた子供をつかまえて、「これはいいものだ」とほめたところで、その空疎さを見抜かれる 214454 pv 1233 488 users 322
まとめ 2つやるとまわりからは秀才扱いされて、ほめられるとたまに本物になる 東大の大秀才の逸話、もちろん中身が全然違う部分も少なからずあるにせよ、「先の学年で学ぶことを予習していること」と「再計算でなく暗記でカバーしている割合が多い」ことは、共通項としてあるんじゃないかと思える。2つやるとまわりからは秀才扱いされて、ほめられるとたまに本物になる 5237 pv 9 4 users 5
まとめ そうして作られた細かいマニュアルを、「誰かをほめるための道具」として駆使できることが、講師になるための条件 心肺蘇生の講習会に出席するなど。何事においてもそうなのだけれど、見るのはたやすい。学ぶのはちょっと難しい。教えるのはさらに難しく、そのまた奥にようやく、到達点としての「ほめること」がくる。誰かを肯定するのってほんとうに難しい 2972 pv 6 1 user