ささき氏(uchujin17)と奥野(okoshko28)氏の、敵の兵器の渾名や「エース」についての話
他方、Il-2搭乗員の回想録の中で、42年の南方戦線における逃避行の際に「ぐずぐずしているとクライストに追いつかれるぞ!」と言って仲間に喝を入れた話が出てくる。これで見る限り、将軍クラスの知名度は別格だったらしい。
2014-07-04 12:02:52考えてみれば、日本でも軍人たちがアメリカの具体的なエースを恐れたり敵意を燃やしたりしたという話は聞いたことがない。でも、「いざ来いニミッツ、マッカーサー」は子供でも知っていた。そんなものだろうと思います。
2014-07-04 12:05:14ソ連の宣伝映画で、ポクルィシキンが離陸するとドイツ人は「アハトゥンク!ポクルィシキン!」と呼び交わして警戒したという話が出てくるけど、これも怪しいものだと思います。この手の戦場講談はどこの国でも好まれるんですね。
2014-07-04 12:07:05ただ、同じソ連の戦闘機エースであったアメト・ハーンに関しては、同部隊の通信士だった女性が面白いことを言っています。彼が出撃すると、無線に混入する形でドイツ語の「アハトゥンク!アメト・ハーン!」という声が聞こえてきたというのです。
2014-07-04 12:10:36彼女の話では、誰が発進したという情報はドイツ側に筒抜けで、ドイツ側はこれを誇示・威嚇するためにわざと「「アハトゥンク!」とやったのだろう、と。つまり、アメト・ハーンを恐れたのではなく、「誰が離陸したのか知ってるぜ。気をつけなよ」という意味合いだったらしい。
2014-07-04 12:13:07アメト・ハーン自身もこれを知っていたから、出撃する時にはわざわざ無線で「アハトゥンク!アメト・ハーン!」と叫びながら飛んでいった、と。戦場の駆け引きのような、子供っぽい意地の張り合いのような、面白いエピソードではあります。
2014-07-04 12:14:31それから兵器の呼称について。僕が知っている限りでは、ソ連兵はドイツ機に対しこんな仇名を奉っていたようです。 Bf109 ・メッセル ・シミート ・フドイ(「痩せっぽち」) Fw190 ・フォッケル ・フォーカ
2014-07-04 12:18:20Ju87 ・ラプチョージニク(「わらじ履き」) ・ペヴン(「歌い鳥」) ・クロコジール(「ワニ」) Fw189 ・ラーマ(「額縁」)
2014-07-04 12:19:44ちなみにFw189のインパクトは相当に強いものであったらしく、正式名称は知らずとも「ラーマ」の名を知らない者はいないのでは、というくらい。あの特徴的なスタイルが、敵の攻撃の先触れとなる不吉なイメージと重なり、悪魔的な雰囲気を与えていたようです。
2014-07-04 12:21:56まあ、仇名なんか公式に誰かが認定するわけではないから、人により呼んだり呼ばなかったりだったんでしょうね。アルフレート・グリスラフスキはIl-2について、「特別な仇名などはなく、イル・ツヴァイと呼ぶのが普通だった」と述べています。 geocities.co.jp/SilkRoad/5870/…
2014-07-04 12:33:37@okoshko28 こんにちは。ご存じかと思いますが、その手の語彙については、こんな本ありますね。goo.gl/3WPDpR
2014-07-04 13:33:45@akagitsuyoshi ご紹介ありがとうございます。初めて知りました。こんなジャンルにまで踏み込んだ本があるとは、流石に英語圏は恵まれていると思います。
2014-07-04 17:53:15@akagitsuyoshi 著者の名前に見覚えがあったので調べてみたら、ユダヤ系の元砲兵で、回想録も残されている方でした。 iremember.ru/artilleristi/k… ソ連崩壊後にアメリカへ移住していたんですね。
2014-07-04 17:56:52