不知火に落ち度はない その3

@yamoto 氏の #不知火に落ち度はない をまとめました。 以下本家より抜粋 【不知火に落ち度はない】 続きを読む
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yamoto @yamoto

「提督?」 「面白ニュース画像がな」 「食事中ですよ」 浜風がジト目で言う。 お前の件で頭をちょっと悩ませたんですよ、俺。 感謝しろよ、全力で。 そのまま携帯をしまい、麺をすすり込んだ。 #不知火に落ち度はない

2014-07-06 23:12:11
yamoto @yamoto

「んじゃごちそうさん。また来るわおやっさん」 「ごちそうさまでした」 ぺこりと頑固オヤジに頭を下げる浜風。 また来いよ、と言う声がかかる。どうやら気に入られたようだ。 根はいい子だしな。浜風。 #不知火に落ち度はない

2014-07-06 23:15:36
yamoto @yamoto

キーを回してエンジンオン。 今日一日の苦楽を共にした相棒は、本日最後のお勤めに目を覚ます。 食後の一服を口に咥えて、ギアを入れ── 「じゃ、帰るぞ浜風」 「提督」 ん? 見ると浜風が、火の付いたマッチを俺の顔の前に差し出してた。 こりゃどうも。 #不知火に落ち度はない

2014-07-06 23:22:05
yamoto @yamoto

「お前どこからそれ持ってきたの?」 「あの店のマッチです」 抜け目ねえな。気がつくタイプというか。 「じゃ、帰るぞ」 「はい」 そうして車は走り出す。 憩いの我が家、基地に向けて。 #不知火に落ち度はない

2014-07-06 23:24:21
yamoto @yamoto

運転の間、二人とも何も話さず、ラジオはレッツイットビーを流す。 なんとも言い難い空気の中で、車は進んでいく。 今日の我が儘お姫様な浜風は、極めてレアなことなんだろう。 二度と問題が起きないことを願いたい。 不知火にまで迷惑をかけるとは思わなんだ。 #不知火に落ち度はない

2014-07-06 23:29:32
yamoto @yamoto

ともあれ、今日はそれでお終い。 その後司令室に戻った俺を不知火が出迎えたが、特に不機嫌さはなく平謝りで許して貰った。 「司令も大変ですね」 そう労われて、少し心が痛んだが。 明日からは浜風が良い子に戻ってくれる事を祈る。 そんな俺の一日だった。 #不知火に落ち度はない

2014-07-06 23:32:46
yamoto @yamoto

おしまし。コイン様がすべていけないんだ #落ちぬい

2014-07-06 23:33:20
yamoto @yamoto

私は貰ったばかりのそれを見る。 あの人の吸ってた煙草。 服にも少し染み付いていて。 その匂いは気分を落ち着かせた。 机の引き出しにそれを入れ、マッチはポケットへ。 あの煙草に火をつけるぐらいは許して欲しい。 出来れば隣も、取っちゃおう。 #不知火に落ち度はない #おまけ

2014-07-06 23:41:49
yamoto @yamoto

@qutouten 「子供のわがままに振り回されて居る中で、一々目くじらを立てる気になりません」 などという言葉も。

2014-07-06 23:50:20
yamoto @yamoto

@qutouten 「不知火は別に約束を反故にされたこと、怒っていませんよ」 服がゴミ箱に突っ込まれている光景はとてもシュール。

2014-07-06 23:52:28
yamoto @yamoto

@qutouten 「司令はちゃんと、司令室に帰ってきましたから」 服をゴミ箱からずるずる出してるぬいぬいさん。

2014-07-06 23:55:48
yamoto @yamoto

「お前ら大変だなぁ」 「司令、ちょっとこちらへ」 「提督、ちょっとこっちへ」 「「あなたが一番悪いんです!」」 提督に落ち度だらけ #落ちぬい

2014-07-07 00:20:18
yamoto @yamoto

「……七夕の雰囲気で押したら、行ける?」 てるてる坊主を吊して、待つ浜風さん #落ちぬい

2014-07-07 10:30:47
yamoto @yamoto

「抱き枕ってあるだろ、あれ欲しい」 「司令。流石にその手の品の購入はお控えください」 「……何か勘違いしてないか」 「陽炎から履かせるタイプもあると聞きました」 「お前縛って抱き枕にすんぞ」 「不知火に履かせるのですか」 「袋に詰めてえ」 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 11:25:40
yamoto @yamoto

「司令。先日の抱き枕の話ですが」 「アニメキャラプリントの話なら、もうこりごりだ」 「いえ。手縫いのものを司令の部屋に置いてきました。お使い下さい」 「……え、くれんの?」 「ええ。ちょうど良かったので」 「穴の開いたサンドバッグ再利用かよ……ぐう」 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 12:48:54
yamoto @yamoto

「司令。軍用車を私事で使わないようにと伝達が来ています」 「そりゃけしからんな。長門に回せ」 「近隣のラーメン屋で目撃情報がありますが」 「俺はどこかのブティックで見かけるぞ」 「……。見なかったことにしましょう」 「平和な考えだな」 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 12:55:11
yamoto @yamoto

「司令、野戦しよ!」 「檻に帰れメスゴリラ。陸生物に手を出すな」 「連中が上がってこないかな、陸まで」 「その時ここは潰滅だ。いつまでも野戦できるぞ」 「それはビッグセブンの名折れだな。困ったものだ」 「そんなお前に似合いの土地がある。ハリウッドだ」 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 13:39:20
yamoto @yamoto

「と、いうわけで長門をハリウッドにでも売るか?」 「サーカスの熊感覚ですか。当然無理です」 「英語ペラペラでスタイルも良い。さぞ人気だぞ」 「司令は艦娘が軍事機密だというのをお忘れですか。それに…」 「それに?」 「アクションの度、死傷者が出ます」 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 13:46:52
yamoto @yamoto

浜風がわがままお姫様と化した日から三日。 不知火はあの日の出来事を問い詰めようとしなかった。 今日もあいつは俺の前に座って書類を整理しており、その動きに淀みはない。 ここまで気にされないと逆に不安になるが、それでも信頼と思えば悪くなかった。 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 15:47:45
yamoto @yamoto

「ちょっと煙草吸ってくる」 「どうぞ」 あの日からも特に変わらず、いつもの場所で星を見ながら煙草を吸う。 浜風の精神状態確認も兼ねた行動であると自己正当化しながら、会話を交わす。 あの日から変わったことは──浜風が煙草に火をつけてくれる事くらいか。 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 15:50:51
yamoto @yamoto

今日の議題は肉じゃがに合う肉と、糸こんにゃくの存在についての可否。 俺は牛肉派と言うが、浜風は豚トロ派との意見が出る。 糸こんにゃくについても同様に意見の相違が見られ、戦争に突入しかけたが、冷静になった浜風が実食する話を提案、ひとまず戦争は回避された。 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 15:55:43
yamoto @yamoto

「よっす。不知火、戻ったぞー」 そして、一服を終えて司令室のドアを開けたとき。 部屋の中に──狼がいた。 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 16:05:59
yamoto @yamoto

脳が判断を拒否する。 床に引き裂かれた、書類がぶちまけられ。 敷いてある絨毯は毟られ。 割れた酒瓶がそこいらに転がっている。 そして机はひっくり返され、強盗でも入ったかのような有様だ。 その中央には不知火。 狼に見間違えた俺の秘書艦が居る。 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 16:12:24
yamoto @yamoto

声が出てこない。 人の形をした肉食の獣の様な気配を出した不知火が、真っ二つに折れた万年筆を手にぼーっと突っ立っている。 ドアを開けた事にすら気づいてないのか、のろのろと床に置いた酒瓶──っておい、秘蔵品だぞそれ。 その酒瓶を持ち上げると──。 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 16:24:01
yamoto @yamoto

ガシャンッ!! と激しい音がして、窓ガラスが割れた。 これ不知火。窓を開けずに酒瓶を外に投げ捨てるんじゃありません。 っていうか、俺のボウモア18年。ほとんど飲んでないのに。 だが、声は出せない。 だって滅茶苦茶怖いんだもん。 #不知火に落ち度はない

2014-07-07 16:26:39