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「固定残業代」に気をつけよう(批判コメントに対する川村遼平さんのリプライ)

約8割が違法? ハローワークが指導に乗り出した「固定残業代」に気をつけよう(川村遼平) - Y!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/kawamuraryohei/20140617-00036451/ 上記のコメント欄に税理士の方から寄せられた批判的なコメントに対する、川村さんのリプライ (参考) 続きを読む
経済 残業代 労働基準法
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NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(1)固定残業代に関するヤフー記事に税理士の方から長めのコメントをいただきました。使用者側の観点から固定残業代を導入する合理的理由を指摘しているかと期待して読んだのですが、結論から言うと期待はずれでした。コメントを添えて整理します。 bylines.news.yahoo.co.jp/kawamuraryohei…
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(2)「固定残業代は正しい運用をすれば、会社・社員双方にメリットのある制度です」。社員の側のメリットについて聞いたことが無いので更に期待が膨らんだのですが、長めのコメントにもかかわらず、具体的な社員側のメリットは一つも挙げられていませんでした。ここに引用した一言で終わりです。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(3)「会社側のメリットは「給与計算の簡素化」」「給与事務は直接利益を生まない業務であるため、時間コストを削減していくというのは非常に重要です」とあります。ここでは、適切に導入しようとするとそれ自体に一定の時間コストが掛かることが看過されています。実際には結構面倒くさいはずです。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(4)更に、固定残業代を導入したとしても、労働時間が固定残業代を超過した場合には、やはり超過分の支払いについて金額を計算する必要が生じます。もちろん、絶対に超過しないような時間で固定残業代を設定してしまう方法もありますが、その金銭コストを負担する余裕はあるのでしょうか。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(5)税理士の方は、本稿が中小企業を念頭に置いたものと誤解した上で議論を進めていますが、そのような企業こそ、金銭コストの負担を減らす努力をするはずです。一定の支出を厭わずに給与事務を簡素化させたい(だけ)ならば、固定残業代導入より毎月少し多めに支払って対応する方が合理的です。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(6)労基法上、例えば38時間49分の残業時間に対して40時間分の残業代を支払っても問題ありません。その道を避けて面倒な固定残業代を導入することは、「給与事務の簡素化」の解決手段にはなりません。とりわけ、税理士の方が念頭に置く中小企業ならば。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(7)続いて、「確かに「ブラック企業」と呼ばれる企業がこの制度を悪用している現実はあります」と、税理士の方も実態については認めていらっしゃるようです。であれば、「疑っておく方が無難」という見解になぜ「非常に憤りを感じ」るのか、俄には理解できません。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(8)「給与計算は非常に複雑であるがゆえに正しい運用がされていない可能性もあります。しかし、それならばその制度を悪用している一部の「ブラック企業」が非難されるべきであり、正しい運用を広めるべきです」。正しい運用のための「時間コスト」が十分でないというのが出発点であったことを想起。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(9)また、この税理士の方は「複雑」さゆえの誤った運用と「悪用」とを区別していますが、労働者の側から確認できるのは「不適切な運用」だという点だけです。悪用する「ブラック企業」の実態について認めるならば、求職者として疑いの目を持つことが賢明という結論に行き着くはずです。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(10)なお、私が労働弁護士であれば、「固定残業代の正しい運用」という概念が法律上そもそも成立しうるのか否かという点でもっと食いつくところなのでしょうが、それはとりあえず今回はおいておきます。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(11)「一部の「ブラック企業」のために、メリットのある制度自体を非難するというのは全く認められません」とありますが、結局労働者側のメリットは指摘がありませんでしたし、本稿に記したように労働市場の攪乱という点で産業全体にとってデメリットがある点についても反論がありません。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(12)個別企業にとっては場合によりメリットが生じるでしょうが、それは不適切な運用か、求人・契約の誇大表示と結びついたときに限られます。「イノセントな固定残業代」を想定することはできますが、果たしてそれにどんな魅力があるのでしょうか。給与事務の簡素化では納得できませんでした。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(13)「ハローワークの求人票をもって調査したとのこと。ハローワークに求人票を出している会社の大半は……中小零細企業です。したがって上記の8割の大半が「知識がないがゆえに正しく運用ができていない会社」と推察されます」。本稿で挙げた事例は、ワタミ・大庄・楽天・リクルートです。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(14)更に付け加えるならば、正しい知識を持たない企業が固定残業代を導入しようと決断するのはなぜでしょうか。「残業代を一定額払えば済むようになる」という誤解があるのではないでしょうか。「残業代を節約できますよ」と、下心につけこむ士業の営業成果である場合も、少なくないでしょうね。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(15)「一部のブラック企業のために大半の善良な会社までが非難されるようなことがあるがゆえに採用に二の足を踏む会社が増え、結果として就職できない方々が増えてしまっている現状があることをご理解いただきたいと思います。」という主張が続きます。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(16)これは非難されるのが怖くて採用できない会社があるという趣旨でしょうか。後ろ暗いところがあるということでしょうか。皮肉ではなくちょっとよくわかりませんでした。「固定残業代」の話からは逸れますが、そちらの事情も聞いてみたい。「集まらない」ならわかるんですけどね。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(17)この点とは別に、若者が就職を躊躇してしまう場合は確かに生じると思います。でも、その中で歩を進めるためにこそ、固定残業代について正しい知識を持ち、警戒するノウハウを身につけることが重要です。この点が欠落すると、「若者よ、無謀たれ、無防備たれ」という主張になってしまいます。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(18)「筆者は但し書きに「別途支払うと記載すればよい」としておりますが、固定残業代は各人ごとに適正額を設定のうえ、本人に詳細を通知しなければなりません。この要件をクリアできなくなってしまう」。抜粋したのになぜ誤解が生じるのか不思議ですが、支払いを通知するなとは言っておりません。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(19)基本給や定額手当に含むのではなく、それらと別の形で記載した方が「イノセントな固定残業代」に近いという趣旨です。たとえば、月給199,300円(うち基本給143,200円、◯◯手当6,000円、△△手当50,100円で、△△手当は40時間分の残業代)という書き方よりも、
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(20)基本給143,200円、〇〇手当6,000円(また、毎月40時間分の残業代50,100円を保障します。超過した場合には法令に応じて別途支給)のような書き方の方が、まだ幾らか誠実です。前者が選択されるのは、「一見して多めに見える」ということ以外に無いでしょう。
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse
(21・終)今回頂戴したコメントからは、固定残業代を擁護するだけの合理的理由を見出すことはできませんでした。これが就活生向けの講座だったら、「それでも固定残業代を擁護するからには何か別の目的・利害関係があるのかもしれない」と疑った方が無難です、とコメントすることでしょう。
ささきりょう @ssk_ryo
使用者が固定残業代を正く運用すると、使用者にとっての固定残業代のうま味がなくなるんだよね。
高橋雄一郎 @kamatatylaw
「固定残業代」の取り決め自体は違法ではないと思う。ちゃんと労務管理をし,上限を超えて残業がなされた場合に追加残業代を支払えばいい。残業代込みで月俸30万円ポッキリとかの給与提示をすることや,残業時間が上限を超えているのに仕事をさせ続けるのはよくない。
高橋雄一郎 @kamatatylaw
これまで残業代を一切支払っていなかった会社が,基本給を切り下げ,切り下げた分を固定残業に充当することがある。これは従業員の同意がないと無効だろう。同期の向井蘭先生の書籍にはその方法が推奨されていたがどうやって従業員の同意を得られていたのだろう。
高橋雄一郎 @kamatatylaw
「固定残業代」の従業員側のメリットは,効率的に業務を行って短時間の残業にとどめても「固定残業代」相当の給与がもらえること,生活支出の計画が立てやすいこと,残業を早めに切り上げて空いた時間を自己研鑚に充てられることではないかと思う。
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コメント

うえぽん @kaorurmpom 2014年7月8日
税理士氏の元のコメントを読んでみたい。さぞかし噴飯物であろう。固定残業代には、募集用に基本給の見栄えを良くする以外の理由が思いつかない。大卒の都内勤務で基本給が15万円未満なんて、見向きもされないよ。
山元 太朗 @tarogeorge 2014年7月9日
払ったからには働かせるよね。
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