イラストレーター・中村佑介氏の『イラスト講座⑪』"テーマの整理とコントラスト編"(2014.08.01)
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【今回の『イラスト講座』は『イラスト講座⑤』『イラスト講座⑦』『イラスト講座⑨』のつづきです。】
▼1枚目の『イラスト講座⑤』はこちら
▼2枚目の『イラスト講座⑦』はこちら
▼3枚目の『イラスト講座⑨』はこちら
▼それでは4枚目のイラストについての講座開講です!
【@icks0x0イラスト講座D①】今夜の講座は、ひきつづきデザイン系高校に通ういちこさんの4枚のうち、ついに最後の1枚(右上)。いやぁ、お待たせしました。講座を終える前に高校をご卒業しそうな勢いでしたが、何とか間に合いました(笑) pic.twitter.com/YhMYL7uUbR
2014-08-01 22:26:22【@icks0x0イラスト講座D②】改めまして、いちこさん最後の作品がコチラ。これも学校のポスター展に出したもので、今回は"愛の輪"をテーマですです。しかし残念ながら賞は取れなかった。ポスターとして必要なものって何なのでしょうか。 pic.twitter.com/zNln61nrNV
2014-08-01 22:34:24【@icks0x0イラスト講座D③】絵画やイラストにおいては、特に作者のテーマが伝わらなくても「うまい」や「かわいい」「かっこいい」等で大丈夫な場合がありますが、ことポスターにおいては、"目的"→"注目"→"見やすさ"→"目的"(ふりだしに戻る)、これが一番大事です。
2014-08-01 22:41:03【@icks0x0イラスト講座D④】だから「見てくれない」や「わからない」では意味がない訳です。皆様も1日何十枚もポスターに遭遇している中、特に急いでいる街や駅等では、じっくり見る暇はないですね。今日見たポスター、何か憶えていますか? pic.twitter.com/5dfx7UoXJX
2014-08-01 22:48:19【@icks0x0イラスト講座D⑤】その点において、このいちこさんのポスターは、まずキャッチフレーズ(「たすけ愛」)が非常にユニークで、目的(愛の輪="障害者の自立と社会との共生")もわかる。手の使い方も面白い。クリアしていますね。 pic.twitter.com/T748ecVE8r
2014-08-01 22:53:25【@icks0x0イラスト講座D⑥】ただ注意すべきは、それは「PCやスマホの鮮明な画面では」という事。これはポスターに限らず、絵を描いているとついつい僕らは、自分が描いているのと同じ近い距離で、人も見てくれると思ってしまいます。 pic.twitter.com/2BqlwOgELe
2014-08-01 23:02:27【@icks0x0イラスト講座D⑦】絵を描く際の、【作者の目】⇔【絵】までの距離は大体30cm以内。それに対し【絵】⇔【たまたま絵が目に入った人】の距離は大体1m以上離れています。3倍以上、これは大きいですね。
2014-08-01 23:08:05【@icks0x0イラスト講座D⑧】その上歩いてたり、目が悪い方にとっては、先ほどは「見やすい」「わかりやすい」と思っていたはずの今作も、街角ではこんな風に視界の端に入ることがほとんどです。これでは伝わりにくい。ではどうしたら良いか。 pic.twitter.com/me7Ni0w8Ho
2014-08-01 23:12:58【@icks0x0イラスト講座D⑨】そこで遠くの人に対しても効果的なのが"色"、そして"フック(釣り針)"です。例えば釣りで、ルアーがもっと地味な色で、そもそも針がついていなかったらどうでしょう?1匹も釣れそうにありませんよね。 pic.twitter.com/tTUZEBTRr5
2014-08-01 23:20:19【@icks0x0イラスト講座D⑩】まずは色から。せっかくの手を輪に見立てた面白いアイデアも、先ほどのぼんやりした画像の通りに、このままでは活かしきれておりませんので、手の中の空間だけ色を変えてみます。pic.twitter.com/T748ecVE8r
2014-08-01 23:29:25【@icks0x0イラスト講座D⑪】するとどうでしょう。先ほどよりハートの輪郭が目立つようになり、温かい印象も加わってきました。 pic.twitter.com/tkXJJgXNPR
2014-08-01 23:31:54【@icks0x0イラスト講座D⑫】これが色の効果です。ただそれだけだと、主人公2人も淡く目立ちませんので、彼らのみ濃い目の色を落としてやります。すると少し画面から離れて見ても「ん?何だろう(近づいてみよう)」というフックになります。 pic.twitter.com/XD0mz0Ladn
2014-08-01 23:37:32【@icks0x0イラスト講座D⑬】次に憶えたいのが"目の流れ"。車内吊り広告や、本などを見る時、我々日本人の視線は、自然と右から左へと進んでゆくことが多いです。もちろん横組みの文字の場合など例外もありますが、癖のようなものでしょう。 pic.twitter.com/vTn0ZIQENf
2014-08-01 23:50:55【@icks0x0イラスト講座D⑭】その点において、今回のポスターの重要な"男の子が女の子を助ける"というシーンは、【①男の子が手を差し伸べる】→【②助けられた女の子】と進むので、物語の進行方向として非常にスムーズで、正解です。 pic.twitter.com/eQinYcXxUP
2014-08-01 23:56:26【@icks0x0イラスト講座⑮】試しに左右反転してみました。いかがでしょう。さっきと同じ絵のはずなのに、①女の子『なんかちょうだい』→②男の子『はい、あげる』にも見えてくるから不思議ですね。これが【視線の流れ】による効果です。 pic.twitter.com/7SJo1RpZrd
2014-08-02 00:01:37【@icks0x0イラスト講座⑯】そうなると、今回の作品はキャッチフレーズが左から右に進んでいるのに対し、ほぼ同じ位置(中段)で人物のストーリーは逆に進んでいるので、実は目が忙しく、見るのが面倒くさい構成になってしまっていたのでした。 pic.twitter.com/SIT1JXlJ5N
2014-08-02 00:15:46【@icks0x0イラスト講座⑰】漫画を使って極端に例えると、これはいつもより読みやすいでしょうか。フリーザ様は右から左へ何かしようとしてるのに、文字は逆に流れるので、少しモヤっとしますよね(笑)これが全コマだとするとゾッとします。 pic.twitter.com/e7CNMirTGT
2014-08-02 00:22:14【@icks0x0イラスト講座⑱】ですので、今回の場合は、キャッチフレーズの向きや位置を少し変えてやった方が得策かもしれません。ということで一旦文字を消しておきますね。次に構図のお話を進めようと思います。 pic.twitter.com/E7TAWfm7FD
2014-08-02 00:29:37