こひもさんの言う、「すでに書かれた(他の参加者の)詩からの影響」ってやっぱりあるよねぇ そこもおもしろさであり、揺らぎと反動の作用だし、引っ張られすぎると落ちちゃう綱の上だ
2014-09-25 07:03:17本に匂いをつけた犯人を許さない。行間を邪魔している記憶をシナプスごと漂白剤に浸けて洗いたい、衝動。女が指差す場所から煙が昇って消える。魚の目。台風のニュース。 いつでも句点を打つ場所を探して ドーナツの穴やクロワッサンの隙間 爪で引っ掻いている (詩のレシピ5)#pwGT組
2014-09-25 17:04:45ねってにってなった、とてちてた。赤子の手は歩も玉も同じく掴む。それでよかったはずなのに、選ぶこと覚えてよりごのみ甚だし。あらあたし裸の女王様だわ。はしたなさに気づいて駒から落ちる、毛布をかけた男は名乗らずに去る。目を見たら押し倒してしまいそうだった。 (詩のレシピ6)#pwGT組
2014-09-26 15:36:44焦点の合わない左目のまばたきの音 瞬膜のなめらかさを思う ぼんやりした映像の そのどこかに 2.0にはない何かが潜んでいるような気がしている 呼応するのを待っている ふとした瞬間に白い鳥が飛び立つのを 捉えてくれ はばたきは胸で鳴るから
2014-09-27 02:00:20お墓を作ってあげましょう 金魚にも鳩にも鬼も母も 同じ大きさの石をのせて どれがだれだかわからないから まとめて水をあげましょう やがて風化して昔話さえ絶えて まだ海はあり 波の音は聞こえているでしょうか 土の深く 内陸まで 化石のような私たちまで (詩のレシピ7)#pwGT組
2014-09-27 14:32:11ホーム マイホーム うつくしき我が家 のあたたかさはほんもの? 体温計を挿して確かめたい グラフは右下がりだと予想する 夜中に目を覚ました物音は鬼の仕業 キッチンにはメモが残されている シーツはぐちゃぐちゃになっている メモの文字がうまくたどれない (詩のレシピ7)#pwGT組
2014-09-27 14:54:36推敲で削られたものものが ふつふつと泡立ち 波の花になって 打ち上がる知らない海辺 強い風が吹く 飛んでゆけ 飛んでゆけ 気流に乗って 活きられる日に帰れ 見覚えのある一片が ノートの上に 音もなく落ちて響きあう
2014-09-28 06:18:24波形のてっぺんで破裂したのは何だったか。心臓をまわりごとぐいっと掴んでいった。痺れをほどきながら演奏は続く。 波頭を支えた厚い厚い水の層。暗がりの底に湛えたもの。 届かない、けど、撫でていった。 余韻よ去るな。目の前にはノートの新しい一行目がある。 (詩のレシピ8)#pwGT組
2014-09-28 22:58:11旅人からメモ用紙をもらう。日に焼けて端の擦り切れた紙の束、鉛筆。これとよく研いだナイフがお守り。地図は持たない。逃避行と冒険のちがいは相手が後ろにいるか前にいるかだ。隣にいたらハニームーン? と言うと朗らかに笑った。初めて私が彼を笑わせた瞬間だった。 (詩のレシピ9)#pwGT組
2014-09-29 14:37:27懐かしくなるであろう景色はみな、納戸に仕舞ってきたのです。思い出せばオールが鈍る。オールが鈍れば船がさまよう。手を止めず、波を越えて、この種を運んでゆかねばならんのです。星がよく見える海の上。外套から炎の匂いがしていれば、それを頼りに帰れると思う。 (詩のレシピ10)#pwGT組
2014-09-30 18:27:26