rsbs日誌#33

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　「…最低」ぼそりと呟く。「何。味わいきったら解放してあげるとも」くちゅり、とショーツの中に指を入れられ龍田は顔を歪めた。　―――思い起こせば半年前…目の前の提督は自分を脅迫してきたのだ。『見せたい物がある』そう言われ、人気の無い場所に呼ばれたのだ。

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#rsbs日誌　彼女に見せられた物。それは複数の写真…暴力団と胡乱な取引をしていた龍田の提督の姿であった…「おっと。私を殺そうとしない事だ。私を殺した所でこの情報が流れ出るのは止まらない」「最低のクズね…貴女」「そう言わないで欲しいなぁ…些細なリターンで帳消しにしようと言うに」

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#rsbs日誌　「…一体何かしら」恐る恐る、問う龍田に女性提督は微笑んだ。「『君』を味合わせてくれ。可憐な君自身を」「…龍田なんて他に居るでしょう？…ぅっ…コホ、コホっ…」胸の痛みに龍田は噎せる。「そうとも、龍田は居る。だが君の様に儚げな龍田はそうは居ない。故に味わいたい」

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#rsbs日誌　噎せる龍田の背中を撫でながら女性提督は囁きかけた…「断ってくれても構わないが、練度の低い艦娘がどうなるかは君でも分かる事だろう？」「…地獄に落ちれば良いわ」そうして、龍田の身売りは始まった…決まって彼女が休みの時だけの、僅かな時間で…女性提督の情欲を叶える。

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#rsbs日誌　「うく、ぅ…っ…ぁ…！」シリコンで作られた仮初めの逸物が彼女を貫き、突き上げる。愛も何もない。ただの性欲の相手に龍田は耐えていた。腰の動きが早まり、相手の限界を察する。そして…一際強く腰を打ち据えると龍田を貪っていた女は体を震わせながら腰に密着した。

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#rsbs日誌　背中に感じる女性提督の呼吸を不愉快に感じながらも龍田は無言で居た。ずるり…と粘液濡れのそれを引き抜かれ、頬にキスをされる…「すまなかったね。ありがとう。楽しませて貰ったよ」手短に囁かれたかと思うと、女性提督は足早に去っていった。龍田は暫く、静かに踞っていた…

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#rsbs日誌　呼吸が整う頃、龍田は静かに身支度をした。汗を拭き、内股に伝う粘液をぬぐい捨て、香水を僅かに振る。そうするだけで大分気分も楽になり体を清める間までの辛抱だ、と耐えることが出来た…薄暗く人気の無い裏通りを後にしようと龍田が歩き出した時だった。曲がり角に人影を見た…

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#rsbs日誌　「おんやぁ？」胡乱で老獪な、だが不思議と暖かい声だった。「こんな人気の無い路地に、乙女が何をしているのじゃ？」「野暮用よ。貴女こそ、危ないんじゃない？えっと…」「比良坂じゃよ。比良坂巴。…ふむん。失礼とは思うが龍が夜鷹を演じるのはあまり似合わぬと思うのじゃよ」

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#rsbs日誌　龍田はカッと顔を赤くした。何故バレたのかと。服装や髪の乱れも判らないように正した筈なのに…「すまんなぁ…わし、少しばかり鼻が利くのじゃよ。まぁなんじゃ…そんな酷い顔をするような相手を取るのは感心せんな。パトロンならばより知的な相手が望ましかろう」

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#rsbs日誌　何故判ったのか、とばかりに比良坂はつらつらと話した。「貴女…何者なの？」龍田はただ純粋に問いかけた。ふ、と比良坂は笑みを浮かべる。「わしは魔女じゃよ。お嬢さん…黒き魔女とも、鋼鉄の魔女とも呼ばれておるただのしがない、弱くて小さな魔女じゃよ…」

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#rsbs日誌　「しかしまぁ。この調子ではわしの探し物は見付からんようじゃのう…うーむ…深海棲艦が出現してからと言うもの、一度焦土にされた港町は街の作りがよう分からん…」キョロキョロと辺りを見渡し困った様に呟いた提督はふと何かを思い付いた様に龍田を見つめる。

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#rsbs日誌　「時にお前さん、此処横須賀の事は詳しいかや？」「え？えぇ…ここの生まれだから…」「良ければこの迷子の魔女の水先案内人となってはくれぬかのう」恭しく頭を下げ、比良坂は願った。仮にも艦娘の提督とも在ろう人物に頭を下げられ、龍田は困惑する。

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#rsbs日誌　「そんな風に頭を下げられても困るわ？お願いだから顔を上げてくれないかしら？」「ひとに物を頼むのじゃ。何も可笑しい事なぞ無かろう？」さも当然とばかりに答える提督に龍田はやれやれとばかりに小さくため息をつくと頷いた。「分かったわ。案内してあげるから、ね？」

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#rsbs日誌　「ありがたい！いやぁ…徒労ばかり繰り返しておってのう。御駄賃も弾むのじゃよ」「いいのに。其れぐらい…」「ダメじゃダメじゃ。労働には対価を払わねばならぬ。そうでなくてはわしは魔女や諸々のモノを止めねばならぬ」「ああもう、分かったわよう！」面倒臭さに龍田は疲れた…

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#rsbs日誌　濃藍色の傘と深紅の唐傘が横須賀を歩く。しとしとと雨の降る中を。「にしても…何で神社なんて探しているの？魔女なら箒や魔法でひとっ飛びじゃないの？」「残念ながら、一度でも招かれねば神社に入れぬのじゃよわし。そう言うルールで縛られておるのじゃ。面倒臭かろう？」

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#rsbs日誌　「ふぅん…もっと魔女って凄い物だと思っていたわぁ…」龍田の呟きに比良坂は意味ありげに頷きながら話した「色々あるのじゃよ。まぁわしの場合は殊更特殊じゃが…時に胸の痛みはあれからどうじゃ？」不意に己の事の話題を振られ龍田は小さく戸惑った。「えっと…無いわ。痛みとか」

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#rsbs日誌　「じゃろうなぁ…」「あの怖い刺はなんだったの？教えてくれないかしら？」「構わぬが、驚くで無いぞ？」「いきなり胸から刺を抜かれた驚きに勝るものがあるかしら」龍田は苦笑するが、比良坂は真面目な顔だった。「ありゃ呪い(のろい)じゃ。呪術じゃ。それも割と確りしたな…」

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#rsbs日誌　「うそ…？嘘でしょう？呪い、だなんて」「ああ、安心せい。ありゃ呪い殺す類いのものではない。お主を何らかに縛り付ける為の呪術じゃ」「なんで！！なんで、私が…呪われなきゃいけないの！？」取り乱す龍田を眺め、比良坂は煙管を取り出すと煙草に火を点して紫煙を燻らせた。

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#rsbs日誌　「ふぅぅ……よいか、お嬢さん。呪い(のろい)と呪い(まじない)の違いを知っておるかや？それは悪意があるか否かじゃ。仮にある乙女が愛する男が戦場に行かぬ様にと必死に願掛けをしたとしよう。結果男は事故で足を怪我し戦場に赴く必要は無くなったが…視点を変えたらどうなる？」

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#rsbs日誌　「乙女の目線からならばそれは見事にお呪いとなったじゃろう。じゃが男からすればそれは呪いにも等しい。呪いとお呪いの違いなぞ…始まりはそんなもんじゃった」「じゃぁ…私のこれはどう言う事なの…？」「さぁてのう…掛けた本人にしか分かるまい。愛と憎しみは表裏一体じゃからな」

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#rsbs日誌　煙る紫煙は青白く、不思議と甘く香っていた…龍田は比良坂の言葉に小さく俯いていた。そっと影が近づき…比良坂の手がそっと彼女の頬を撫でる。「案ずるな。こうして出逢ったのも何かの縁じゃ。わしがお主に掛けられた呪い、解いてやろう」俯いていた瞳が、赤い瞳にそっと絡まる

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#rsbs日誌　「できる、の？」「おうとも…わしは魔女じゃよ。呪文の類いは得意分野じゃからな…じゃから安心せい。反故にはせぬから…さて。道案内の続きを頼めるかのう？」「えぇ…こっちよ」再び始まる探索。濃藍色の傘と深紅の唐傘が雨の降る横須賀の街を歩いていく。

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#rsbs日誌　歩き続けた果てに辿り着いたるは古ぼけた小さな小さな神社であった「ほう…ミズチの社とは有難い」「みずち…？」「水の神様じゃ。古くは大陸から来た龍とも蛇とも言う。お前さんの親戚じゃな」「わたし…そう言うものと縁は無いのだけども」龍田は正直に呟くが比良坂は首を振った