歴史的假名遣とは

要望があつたので。
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彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide あまり両者の違ひを意識してゐませんでしたが、どちらかといへば後者でせうか。

2010-11-27 14:37:53
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

音韻を書記すのも、文字ではなく發音記號である筈。 

2010-11-27 14:37:59
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

奈良・平安の頃の近畿邊で話されてゐた言葉と、當時の文獻とに、關係は「ある」筈ではあるんです。が、その「關係」と云ふものを吾々は、二重三重の意味で、理解しないでゐる事が多い。

2010-11-27 14:39:53
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

先づ吾々自身が、喋つてゐる言葉そのまゝを、紙に書いたりPCに打込んだりしてゐません。混亂の多い口頭語を、相當整理して書き言葉にしてゐます。それらを「同じ東京語」「同じ畿内語」と認めて良いか何うか。

2010-11-27 14:41:05
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide 「ある」筈といふか、「ある」ですよね。関係なかったら、ほな万葉集はどこの言葉で書いてんねん、いふ話です。

2010-11-27 14:42:22
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

@owmist 萬葉集にも、畿内で作られた歌とともに、東國の人の詠んだ歌も入つてゐるんです。

2010-11-27 14:43:45
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

@owmist 萬葉集にも、畿内で作られた歌とともに、東國の人の詠んだ歌も入つてゐるんです。

2010-11-27 14:43:45
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

屁理屈を言つてゐるやうですが、防人の歌も畿内の貴族が書き言葉として整理して萬葉集では記録してゐる。實際にはその他の歌も、編者が整理を行つてゐると見なければなりません。もちろん、その時、編者は畿内の言葉を基準に考へてはゐた筈。

2010-11-27 14:45:44
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

ただ、既に畿内の貴族でも、畿内の言葉と東國の言葉に差異のある事は氣附いてゐた筈で、それでも「同じ日本語」と認識してゐたからには、兩者の間に何らかの繋がりのある事は考へてゐたでせう。

2010-11-27 14:46:34
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

さうなると單純に「畿内の言葉」なる觀念で「書き言葉が整理された」とは言切れないと思ふわけです。

2010-11-27 14:47:10
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide それは知ってゐますよ。しかし東国人の歌だって、東国人が直接書き残したのではなく、奈良の都人らが採取してまとめたものなので、「畿内語」以上に観念化されてゐると思はれます。下手したら今で言ふ「エセ方言」だったかもしれません。

2010-11-27 14:47:38
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

さらに萬葉の頃の人々は、日本の言葉のみならず支那の言葉も知つてゐて、彼我に言葉の違ひがある事を認識してゐたわけです。さうなると、相當意識して歌の言葉の整理が行はれたと考へなければ行けない。

2010-11-27 14:48:52
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

@owmist なので、單純に「畿内語として處理した」なんて一概には言へないです。

2010-11-27 14:49:33
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

貴族が地方に長官として赴任する、或は地方から貴族の女が上京して仕へる、さう云ふ事があつて、平安以前でも相當の言語の混淆はあつたわけで、そこで「同じ日本語」なる觀念が書き言葉の整理の際に入り込んでゐたとしても、不思議ではないわけです。

2010-11-27 14:50:56
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide 畿内語として処理されたものではない、といふのは賛同します。ただ、どうしても畿内人の言語感覚が中心に据ゑられてゐたとは思ふんですよ。現代仮名遣ひ制定にあたって、関西の下町のおっちゃんや東北の百姓の言葉遣ひを考慮したとは思へませんし。

2010-11-27 14:51:33
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

喋る言葉では地方の特色が出ても、書く時には「畿内の音韻」に――ところがいろは歌が出來て以來、音韻とも文字がずれて來るんです。

2010-11-27 14:51:56
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

それに、上代特殊假名遣として證據が殘つてゐる上代の發音、これが平安期には消滅してしまふ。斯うなると、畿内の發音を歴史的假名遣が反映してゐる、と、單純に言ふのは寧ろ危險だと私なんかは思ふのであります。

2010-11-27 14:53:10
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

@owmist とは言ふものの、萬葉集なんかは畿内在住の貴族が編んだもので、吾々としては何うしやうもありません。けれども、その萬葉集の表記と、歴史的假名遣の表記とは、イコールではないんです。これ、非常に多くの人が誤解してゐます。

2010-11-27 14:55:23
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

凄く多くの人が勘違ひしてゐるのですが、萬葉假名と歴史的假名遣とには大きな違ひがあります。萬葉假名は上代特殊假名遣を含んだ眞字による表記であり、歴史的假名遣はいろは四十七字を用ゐた假名による表記である、と云ふ事です。

2010-11-27 14:57:28
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

極端な事を言ふやうですが、江戸時代の表記は、實は萬葉假名なので、だからみんな、今で言ふ「變體假名」を使つたわけです。ただ、上代の發音をみんな忘れてゐるから、「變體假名」の使ひ方は出たら目で、萬葉の頃の規則に合はない。

2010-11-27 14:58:43
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide さうですね。歴史的仮名遣ひが成立したのは平安時代でせうか。

2010-11-27 14:59:37
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

最う萬葉假名なんてのは現實に使へないので、いろは四十七文字と云ふ「權威」が、表記も發音にも適用できると、さう考へて、定家以來の歌學者が一生懸命假名遣を作つた――それが歴史的假名遣です。

2010-11-27 15:00:21
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide 江戸時代の変体仮名の使ひ方は「かっこよさ」「かきやすさ」によるもので、規則のやうなもんは殆どない、と大学の講義で聞いたことがあります。

2010-11-27 15:01:39
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

だから福田恆存は定家を高く評價してゐるんです。契沖等は、定家の假名遣に對して「より古い基準」を以て修正を掛けようとしたわけですが、實際、最う文字や音韻は自分達の使つてゐるものしか使へない。結果として復古假名遣は「定家假名遣の微修正」に留まつてしまひます。

2010-11-27 15:03:38
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

一方、契沖以降の國學の國語研究で、文法の研究も進んでゐます。もともと假名遣の研究が歌學の中で行はれてゐたものであつたのですが、文法にまで蹈込んで來ると最う歌の範疇に留まらないので、言語そのものに肉迫するやうになつて來ます。そこで用言の活用の研究が現はれる――

2010-11-27 15:06:54