歴史的假名遣とは

要望があつたので。
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野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

かなづかひの議論となると「てふてふ」だ何だの「特定の單語におけるかなづかひ」が問題にされ勝ちなのですが、實は用言の活用語尾における假名遣が非常に大切で、これは完全に文法に基づいた規則として定められてゐます。

2010-11-27 15:08:51
魔女Nerola(橘榛名) @ta_haruna

正假名遣ひが最も正しく整理されたのは明治以降昭和初期に掛けての時期だと思つてました。私は。

2010-11-27 15:09:32
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

「現代仮名遣」でも「私は」の「は」と云ふ助辭が歴史的假名遣のまゝに殘つてゐます。これは非常に意味があるので、歴史的假名遣では、文法的な意味(此処では「格」です)を示す語(辭)の假名遣は、文法の規則に從ふ、と云ふ非常に單純な規則になつてゐます。

2010-11-27 15:12:09
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

「行かう」「美しう」のやうな廣義の活用語尾或は助動詞の類の假名遣も、歴史的假名遣では文法の規則に從ふ、と云ふ決りになつてゐます。

2010-11-27 15:13:19
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

この「文法の規則」と云ふもの、慥かに方言に據つて違ひはあるのですが、研究に據つて抽象化される時、日本語の中の方言として處理されるわけで、今通用の標準語なり研究者の主觀にある言語なりに基いて、そこからの「ずれ」として扱はれる。

2010-11-27 15:16:46
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

ただ、どんなに獨自性があると言つても、方言は日本語の支脈に違ひないので、日本語の觀念を持つてゐる研究者が、自分の知つてゐる「標準」に對する「ずれ」として認識してしまつても、或程度は問題なく通用してしまふんです。

2010-11-27 15:18:33
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

と言ふより、そもそも或言語と云ふものが實體のない抽象的なものなので、「英語」「フランス語」「日本語」なんてものは「ありません」。さう云ふ曖昧な大言語の觀念の中でまた「方言」も曖昧な抽象觀念として取扱はれる――けれどもその「曖昧」な範圍内で規則や法則がまた認められる事になる。

2010-11-27 15:20:20
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

確かに嚴密な話をし始めると言語に關しては幾らでも言へるのですが、同時に曖昧な話をし始めてもまた幾らでも言へる事になる。それが危險なので、だから「歴史的假名遣は畿内語に基く」のやうな曖昧な言ひ方は、「一面の眞理」があるにしても、必ずしも適切とは思はれない、と、さう私は思ふわけです。

2010-11-27 15:21:46
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide ?>日本語>西日本方言>近畿方言>東近畿方言>近江方言>湖東方言>○○郡方言>××集落方言 みたいに、いくらでも観念作れますもんね。

2010-11-27 15:22:58
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

@ta_haruna 研究自體は昭和の初期の頃に一番進んで、それが教育現場にフィードバックされたのは戰爭が終はる迄の頃ではありました。その後は研究から教育現場へのフィードバックが一切無い。何んなに日本語の研究が進んでも表記が良くならない。

2010-11-27 15:23:34
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

@owmist それで大野晋がタミル語の研究に行つてしまつたりしたんだと思ひます。

2010-11-27 15:24:23
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide 納得しました。「大体」と前に付けてテケトーなこと言ふのもアレですわね。

2010-11-27 15:27:03
野嵜健秀/NOZAKI Takehide @nozakitakehide

@owmist 實際のところ、歴史的假名遣は歴史的に成立した、としか言ひやうがないものと私は思ひます。

2010-11-27 15:28:16
彊(きょう) @owmist

@nozakitakehide いえ、こちらこそ有難うございます。野嵜さんを始め、正かなクラスターの方々をフォローしてゐると、歴史的仮名遣ひや古典の知識・認識が広がって良いですね。

2010-11-27 15:30:58
魔女Nerola(橘榛名) @ta_haruna

@owmist @nozakitakehide 上代の人々の言葉→變化して了つて平安の人々混亂→定家さん達が取り敢へず修復→契沖さんが更に修正→本居さん達が更に修正・發展→橋本さんが橋本文法を整理  大雜把な流れはこんな感じですか。野嵜さんの詳細ツイート勉強になりました。

2010-11-27 15:31:04