研究室選びについてあれこれと(物理系)

自分の体験を踏まえて、研究室選びに役立ちそうなツイートを色々としてみました。 ちょっと暗い話が多いけど、読んでいただけるとありがたいです。
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大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

大学で物理を専攻している人たち向けに、進路、というか、学部4年~大学院の研究についてちょっと話してみようと思う。

2014-11-01 09:37:13
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

4年生で、研究室配属になるのだが、配属される分野が多岐にわたっている。 が、大きく分けると、「固体物性」と「素粒子物理学」に別れる。

2014-11-01 09:40:57
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

そして、「固体物性」「素粒子物理学」の中で、「理論系」と「実験系」に別れる。

2014-11-01 09:41:37
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

「実験系」も「理論系」も文字通り、実験を主に行う研究室と、プログラムを組んだり、理論式を立てたりして、理論を発展させていく研究室だ。 ここまでは常識だと思う。 次から話すのはその研究室で求められるスキルについてだ。

2014-11-01 18:38:31
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

「実験系」も「理論系」も文字通り、実験を主に行う研究室と、プログラムを組んだり、理論式を立てたりして、理論を発展させていく研究室だ。 ここまでは常識だと思う。 次から話すのはその研究室で求められるスキルについてだ。

2014-11-01 18:38:31
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

実験系の研究室は体力勝負になる場合が多い。 固体物性分野と素粒子物理学分野に分けてどういった事をするのか、ちょっと例を挙げていこうと思う。

2014-11-01 18:40:54
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

固体物性分野では試料作りがとにかく大変だ。 例えば、半導体のような薄膜を作る場合を思い浮かべてみてほしい。 薄膜を作るのにはまず高真空条件が必要だ。 そのために、まず装置を真空状態にする必要がある。 これに大体1~2時間かかる。

2014-11-01 18:43:12
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

さらに試料を作製するために、レーザなどを原材料に当てて基板に真空蒸着するのだが、基板温度を変えなきゃいけない場合もある。 その過程が入ると、また30分~1時間の時間が必要だ。 そして、真空蒸着なのだが、膜の種類にもよりけりだが、2~3時間。 多層膜だと半日以上かかるときもある。

2014-11-01 18:45:44
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

そして、また気圧を大気圧に戻して、一つの試料が出来上がるまで、大体丸一日かかる。 しかも、試料を一個作って終わりじゃないんだ。 質の良い試料を作るのに色んなパラメータを振る必要がある。温度や、真空度、基板と原材料の距離、原材料をどれくらいのスピードで飛ばすか、などなどだ。

2014-11-01 18:49:00
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

そういった試行錯誤をして、まともな薄膜が出来るような条件を見つけるまで、普通は1年ちょっとかかる。 特殊な組成の薄膜を作るのが研究目的なら、卒業までずっとその作業を繰り返す場合もある。 とにかく、根気と体力が必要だ。

2014-11-01 18:51:16
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

そして、出来た試料を、測定して、あれこれ物理的な考察をして、一つの論文に仕上げる。 というのが、固体物性分野の実験系の大まかな流れだ。 よく、頭を動かすよりも、体を動かしたという感想を持つ人が多いが、そうなってしまうのも無理はないかなと思う。

2014-11-01 18:53:36
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

次に、固体物性分野の理論系のお話だ。

2014-11-01 18:54:01
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

理論系は、プログラムを組んで、シミュレーションをする分野、 同じくプログラムを組んで、理論計算をする分野、 紙とペンで、新たな理論を作り出す分野に別れる。

2014-11-01 18:55:45
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

前者2つは、とにかくプログラミングのスキルが要る。 これも、トライ・アンド・エラーを繰り返して、バグを取り除き、計算結果が妥当なものになるまで、根気よくプログラミングをしていく。 大変な作業だ。 そして、妥当な結果が得られたら、それを論文にまとめる。 というのが大まかな流れだ。

2014-11-01 18:58:22
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

紙とペンで、新たな理論を作り出す分野については済まない。 知識不足で、あまり多くは語れないのだが、かなりの勉強が必要だ。 シミュレーションをする場合も、理論計算をする場合も、勉強量は実験系よりもずっと多い。

2014-11-01 19:00:22
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

次に素粒子物理学分野について話そう。 素粒子物理学分野は、研究室の数は少ない。 学会発表などに行くと分かるが、発表件数は固体物性分野が9割、素粒子物理学分野が1割といったところだ。 なので、素粒子物理学をやっている研究室は院試などで、倍率が高くなる。

2014-11-01 19:03:51
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

素粒子物理学分野の実験系は主にどんなことをやっているかというと、シンクロトロン放射光施設(SPring-8やKEK)などで、電子や陽子を高エネルギーで加速して実験をする。

2014-11-01 19:05:30
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

放射光施設は大電力が必要だから、実験は春と秋に集中して行われる。 共同利用の施設を利用しているから、個々の研究室の割り当てられる時間は限られてくる。 だから、昼夜交代制でやる研究室が多い。 ある意味、固体物性分野の研究室よりも、体力が必要かもしれない。

2014-11-01 19:07:39
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

理論系は何をやっているかというと、これまた知識不足で済まないのだが、プログラミングが主なところと、紙とペンで、理論を組み立てるところに別れる。 素粒子物理学分野は、紙とペンで、理論を組み立てる研究室が多いように思う。

2014-11-01 19:09:23
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

素粒子物理学の理論系の研究室は、とにかく数が少ない。 研究室数は 固体物性の実験系>素粒子物理学の実験系>固体物性の理論系>素粒子物理学の理論系 という順番だ。 素粒子物理学の理論系の研究室は、各大学に1つか、2つだ。 入りたいなら、院試で相当いい成績を取らないといけない狭き門だ

2014-11-01 19:12:03
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

ここまで、話してきて、大体研究室がどんなところか、分かってきてくれたらありがたい。 とりあえず、研究をするのは、程度の差こそあれ、大変なものだ。 学部時代の、のほほんとした生活から急変する。 そういった心の準備が必要だ。

2014-11-01 19:14:08
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

そういった大変なものだ、ということを踏まえて、研究室選びをしてみるといい。 ここからは研究室選びについてだ。

2014-11-01 19:15:13
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

まずは、素粒子物理学分野か、固体物性分野にするか、を決めて欲しい。 どっちの分野が楽しそうか、決めてみるといい。 だが、研究室に配属されるまでの間にそれを判断出来るほど、それぞれの分野での勉強は出来ないのが実情だ。

2014-11-01 19:17:29
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

そこで、おすすめするのが、学会発表に行ってみることだ。 学会発表は、お金を払わず、会場に行けば、自由に聞くことが出来る。 物理分野だと「物理学会」「応用物理学会」がメジャーなところだ。 そこへ行って、自分がどんな分野に興味があるのか、探してみるといい。

2014-11-01 19:21:27
大学物理たん(準備中) @Sakayoset1013

それから、学部で、各研究室がオムニバス形式でそれぞれの研究を紹介するような授業もある。 それに出席してみるのも、すごく良い手段だ。

2014-11-01 19:22:53