映画以前の幻灯/映画以後の幻灯(細馬宏通氏の書き込みを中心に)

 「幻灯(スライド)」をめぐる細馬宏通氏、喫茶ホルン氏、住友陽文氏、宮本大人氏、鷲谷花氏、伊藤剛氏、久美薫氏らの書き込みが大変興味深かったので、備忘としてまとめました。  本当は、幻灯の議論に先立つ「マンガのコマ、フキダシ、欄外のテクスト」についての議論、特に19世紀末のアメリカン・コミック「イエロー・キッド」をめぐる考察もとても面白かったのですが、まとめきれなかったため、幻灯に関連しそうなものだけ一部抜粋し、末尾に付しました。 〔追記〕初出時、鷲谷花氏のお名前を、不注意により「鶯谷」氏と誤記しておりました。たいへん失礼致しました。
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細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

争議のあった室蘭で、というところがまたぐっといますね。炭坑で働く人にとってのくらがりと灯りのもとで集まることが何をかきたてるか、というようなことも考えてしまいます。いやはやなんともすごい話です。 @HWAshitani @hrhtm2011

2014-11-18 14:11:31
鷲谷花 @HWAshitani

独立プロ映画は映画館で予告編を流すのが難しかっため、地方有志が人を集めて上映する幻灯が予告編がわりに役立った、ということも、1950年代に独立プロ映画の幻灯版が盛んに作られて普及した理由のひとつだったようです。 @kaerusan

2014-11-18 03:45:27
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

「有志」の存在、フィルム仕様の幻灯が、必ずしもフィルムのプロフェッショナルではない人によってどうやって作られたり扱われたりしたのか、上映のときの映写師との打ち合わせは、など知りたいことがあれこれです。いやあ、戦後幻灯、すごい鉱脈ですね。@HWAshitani

2014-11-18 14:17:41
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

これまで、戦後メディアとして「ガリ版」と「うたごえ」とを漠然と気にしていたのだが、そこに「幻灯」が加わることで、にわかに臨場感が出てきた。

2014-11-18 14:20:13
鷲谷花 @HWAshitani

室蘭は鉄鋼の町で、炭鉱からはちょっと離れていますが、日鋼室蘭の大争議が始まろうというときに、労働歌と幻灯のやり方を教えにきたのは、空知や美唄の炭鉱の人たちだったそうです。@kaerusan @hrhtm2011

2014-11-18 16:35:00
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

わあ、鉄鋼と炭鉱をごっちゃにしてました。お恥ずかしい。しかし、炭鉱の人が関わっていたというのは改めておもしろいですね。 @HWAshitani @hrhtm2011

2014-11-18 21:11:11
鷲谷花 @HWAshitani

戦中〜戦後のフィルム幻灯の仕様については、去年山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映した際に、岡田秀則さんが書いてくださった紹介記事にまとまっています。取扱・操作は映画よりごく簡単です。 yidff-live.info/wp-content/upl…'フィルムは横向きに走った' @kaerusan

2014-11-18 16:39:41
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

横向き!いやこれは楽しそう。海外に似たものはないのか探してみたのですが、どうやらヨーロッパで「diafilm」と呼ばれていたものがこれにあたるようで、youtubeでdiafilmで検索するといろいろ出てきました。 @HWAshitani

2014-11-18 21:12:50
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

ルーマニア(?)のdiafilm(幻灯フィルム)の例。おもしろいのは冒頭にクロマトロープの図像が付されているところ。これはかつてのスライド式幻燈器で、幻燈の始まりを表すものだった。youtube.com/watch?v=p2A4nk… 12kai.com/199810a.html#1…

2014-11-18 21:29:13
拡大
リンク YouTube zdreanta - diafilm color zdreanta - diafilm color - reeditare 1987, animafilm

The Beach : Oct. 1998a
19981005
▼木村小舟の「明治少年文学史(第4巻)」の幻燈会の項に…

鷲谷花 @HWAshitani

diafilmは昭和日本のフィルム式幻灯とほぼ同じ仕様ですが、画とテキストをまとめて拡大映写するスタイルが若干異なり、幻灯の「吹替」式に対する「字幕」式という感じでしょうか。ハンガリーがdiafilm大国で、いまだにフィルムと映写機が生産されているようです。@kaerusan

2014-11-18 21:31:32
鷲谷花 @HWAshitani

ハンガリーのdiafilmについてはデジタルアーカイブが公開されています。「スターリン」「バルトークの生涯」といった社会主義時代のものから、マレーク・ベロニカほか絵本作家の作品まで、目くるめく多彩さです。 dia.osaarchivum.org/public/index.p… @kaerusan

2014-11-18 21:34:58
リンク dia.osaarchivum.org Diafilm
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@HWAshitani うわあ!これ、どえらいアーカイヴですね。いま、おそるおそる「Lenin」を見てるのですが、すでに頭がめくるめいてます。確かに「字幕」式ですね。ハンガリー語が読めたらいいのに…。

2014-11-18 21:39:05
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

バルトークの生涯(diafilm/幻灯フィルム)。ハンガリー版。しみじみしてしまった。dia.osaarchivum.org/public/index.p…

2014-11-18 21:46:52
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

前のツイートとは別のバルトークの生涯(diafilm/幻灯フィルム)。こちらは1955年版の古いものだが、こっちのほうがなぜかしみじみ度が高くてぐっときてしまう。

2014-11-18 21:48:21
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

ぎゃーこれなに、かわいい!「デュゴとデュアモールとしゃべるバスケット」 (ハンガリーの幻灯フィルム)dia.osaarchivum.org/public/index.p…

2014-11-18 22:13:13
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

ハンガリー diafilmアーカイヴ、いやあ、これはいいものを教えていただきました。昨日から教わりっぱなしですが、重ね重ねありがとうございます。 @HWAshitani

2014-11-18 21:49:30
鷲谷花 @HWAshitani

フィルム式幻灯にご興味をもっていただけたなら何よりです。日本国内では、神戸映画資料館さんが目くるめく幻灯フィルムのコレクションと、映写可能な幻灯機を所蔵されていて、上映会等にもご協力いただいています。 kobe-eiga.net/program/2013/1… @kaerusan

2014-11-19 11:17:12

前段としてのマンガのコマ、フキダシ、欄外のテクストについての考察(一部抜粋)

細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

今日の話でおもしろかったのは、多様なフキダシのありようを見ることができたことで、「じゃ、フキダシとコマって、同じ枠線で囲まれた領域でありながらなにが違うんだろう?」と自明なことへの疑問がふくらんだことでした。 #genroncafe

2014-11-14 21:43:37