【闇恋愛】

殺人鬼×家族に見捨てられた音楽家 森の中の二人。
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ももちゅん @kj8mousooo

60 これはド?かな… レって…どれやねん… って、もうすでに手遅れや。 『俺、何してんねやろ…』 頭があいつでいっぱいで。 怖い夢をみて魘された俺を 「大丈夫…」って撫でてくれた声が離れなくて。 でも、今だけ… しばらくしたら、また消えて いつもの生活に戻れる

2014-10-07 16:55:46
ももちゅん @kj8mousooo

61 それまで… 少しずつ消して言ったらええねん… そう決意したのに。 …なんで? 「レの指は、人差し指と薬指よ…」 『…なんで戻ってくんねん』 すぐそこに、ボロボロになったお前がいた。 pic.twitter.com/Qqp8NRIo0y

2014-10-07 16:55:57
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ももちゅん @kj8mousooo

62 何も持たずに、裸足で。 涙でボロボロ。 そんな顔で俺の顔を包んで彼女は言う。 「お願い…もう一回捕まえて…?」 泣きながら微笑む彼女に、 冷静になれない自分が 歯がゆくて、それでも もう、止められへんかったーーー

2014-10-07 16:56:33
ももちゅん @kj8mousooo

63 彼女side 「おかえり…なさい…。」 私のわがままで、彼は黙って家に入れてくれた。 また同じ生活が繰り返されるんだ… それでもよかった。 むしろその方が良かった。 一度でも自分を必要としてくれた彼の元で前と同じように暮らす。 ーーーでも

2014-10-08 23:17:53
ももちゅん @kj8mousooo

64 前のように触れて来ることは一切ない。 会話も全くなくて… 『トランペット…なんで始めたの…?』 「…なんでそんなん言わなあかんねん」 やっぱり彼に入り込むことができない。 時間をかけてかけて彼のことを知っていければいい。 そう思っていた。

2014-10-08 23:17:59
ももちゅん @kj8mousooo

65 でも思わずある日思い切って聞いてみた 「なんで…その……前みたいに触れてくれないの…?」 彼は冷めた目で言う 『女なんていくらでもおるねんで…』 そして部屋を去る… あんなに嫌だと思っていた彼の手に pic.twitter.com/Ep8XnzZxwN

2014-10-08 23:18:05
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ももちゅん @kj8mousooo

66 他の女が触られてると思うだけで、 心が破れるくらい痛くて 彼が欲しくてたまらない… 身体も心もすでに彼に浸食されていた pic.twitter.com/Bd4xfrxFQW

2014-10-08 23:18:10
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ももちゅん @kj8mousooo

67 横side とりあえず家には戻したものの、 やっぱり優柔不断な自分がいて。 わざと彼女に冷たく当たる。 それでも彼女は毎日料理を作って 俺に話しかけんねん… こんな心の綺麗ないい家の女を 俺の手で穢すのは良くないと思って、

2014-10-08 23:18:19
ももちゅん @kj8mousooo

68 女がおるからと。 本当はお前しか周りに女なんかおらんのにって。 そう思いながらも冷たく放って仲間の元へと言った…。 ーーーー〝横ちょ〜おっそ!ほら、今日は丸もおるねんで!〟 『あー…!久しぶりやなぁ!』 […久しぶり。みんな。ごめんな…ほんま。]

2014-10-08 23:18:23
ももちゅん @kj8mousooo

69 〈もう…大丈夫なんか?〉 長らく休んでいた丸は、少しさみしそうな笑みで、でも強い決心を掲げているように見えた。 [うん…。しゃあないよ。生まれた頃からそういう運命やねん。俺ら…] 丸のその言葉が胸に突き刺さった。 […恋ってのは手遅れとかそういうんじゃなくてさ…

2014-10-08 23:18:26
ももちゅん @kj8mousooo

70 ……人生の中の大きな宝物なんやなって] ーーー俺たちは、捨てた親を恨みながら 7人でただ生きてるだけで 与えられた責任を果たすだけで そんな人生なんやと思ってたのに 人の感情ってのはそれを大きく左右するーーーー pic.twitter.com/ECJDhW3bXL

2014-10-08 23:20:59
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ももちゅん @kj8mousooo

71 いろんな気持ちを抱えながらも、 自分の今にも溢れ出しそうな気持ちを 一生懸命抑えて抑えて… 今日も森の中へと帰る。 家はもうすでに真っ暗で、 いつものようにテーブルに ラップされた晩御飯…。 それでまた胸が締め付けられる 「〜〜」 『……』 テレビでも見てるんかな

2014-10-08 23:26:42
ももちゅん @kj8mousooo

72 そっと寝室の扉を開けて除く… 薄暗くてよく見えない… 「っん……んぁ…」 『…ぇ』 ーーーそこには、見たこともないくらい切ない顔で泣きながら 「んぁ…もっと…」 ーーーひとりで自分を満たしながら 「…っ…ね…ぁっ…裕く…」 ーーー俺を呼ぶ君がいた

2014-10-08 23:26:45
ももちゅん @kj8mousooo

73 理性なんかよりも 何十年かぶりの涙が ーーー溢れ出しては止まらなかった pic.twitter.com/tdTrUJVbaW

2014-10-08 23:29:42
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ももちゅん @kj8mousooo

74 彼女side 驚きが隠せない… だって、あんなに冷たかった彼が 目の前で寝ている… しかも抱きしめられて離れられない。 「どうしたらいいの…」 わけがわからなくて なぜ彼がここにいるのかとか どんな思いで抱きしめられてるのかとか 考えていると

2014-10-10 17:13:01
ももちゅん @kj8mousooo

75 少し外に出て、 彼女が寝付くのを確認すると やっとの思いで部屋に入る… まつ毛も長くて…頬も白くて 『大事に育てられてるやん…』 小さく震えるように寒がる眠り姫を その日だけと その日だけはとそっと抱き包んで おれも眠りに就くーー

2014-10-10 17:14:07
ももちゅん @kj8mousooo

76 感情が幸せに移るその前に ーーピリリリリピリリ 彼の携帯がなる…、 『ん…?』 片目瞑ったまま、寝癖をさらにぐちゃぐちゃにして、 眼鏡をかけると私の存在なんか無視してめんどくさそうに電話に出る彼ーーーー

2014-10-10 17:14:13
ももちゅん @kj8mousooo

77 横side ーーーピリリリリピリリ なんやねん…もう… 大倉かよ… 今日休みちゃうん? 〔横山くん!!横山くん?!!〕 『あー…?なんやねん!せっかく休みやと思って寝てたんやで?!!!』 〔いや、ちゃうねん!!ちゃうねんて…〕 『は?』 いつも冷静な大倉が

2014-10-10 17:14:37
ももちゅん @kj8mousooo

78 珍しく慌ててる… そっと耳を立てる… 〔…安が……安が…○○駅の近くで…… 捕まってもうたーーーーー pic.twitter.com/UmeBjsq2kZ

2014-10-10 17:15:32
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ももちゅん @kj8mousooo

79 『え……』 時間が進めば進むほど 幸せが見えれば見えるほど 自分が消えるのが怖くて… 『いずれはって思ってたけど………あかんなぁ……』 吹っ切れる強さを忘れてしまっていたーーーー pic.twitter.com/GC5tpQKrF8

2014-10-10 17:16:55
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ももちゅん @kj8mousooo

80 〈裕ちん…?〉 『ん…?』 〈裕ちんも大事なもの見つけてもうたんやろ?〉 『……まぁ…』 〈そしたらもう、それをこれまでもかって…抱きしめればええと思う。〉 『……丸?』 〈俺らしないって?〉 『ちょ…やめろよ!』 〈ぎゅううううっつって!!〉

2014-10-16 08:06:12
ももちゅん @kj8mousooo

81 〈裕ちんのガラスのハート、 溶かしてってもらえばええねん!!〉 『お前にそんなまともなこと言われる日来る思わへんかったわ』 〈俺かて見つけたねん…〉 pic.twitter.com/aL1ksg3ypz

2014-10-16 08:06:20
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ももちゅん @kj8mousooo

82 まぁ……俺の場合はちょっと違うけどな… pic.twitter.com/iAdTE09oo5

2014-10-16 08:06:22
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ももちゅん @kj8mousooo

83 彼女side 彼は、あの電話の後 顔をぐしゃぐしゃにしながら 屋敷を去った。 彼の名前しか知らない私が 何があったのかを知る由もなく ただ待つばかり。 逃げては来たものの、 バイオリンも置いて来て 家事以外にすることはない。

2014-10-17 15:30:49
ももちゅん @kj8mousooo

84 今日くらいは一緒に 夕飯を食べたいと 肘をついて テーブルで彼の帰りを待つ… 毎日そう思うけど、気がついたときにはいっつも朝になってて。 今日こそは、と ひそかに希望を抱く あ…もうそろそろ… 寝ようかな… ガチャ… 「……!!」

2014-10-17 15:30:53
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