2014年12月16日

古鷹青葉を見守る衣笠さんbot #37

更新三十七回目のまとめです。 古鷹の改装に反対する衣笠。そしてサブ島沖海域の攻略の大詰め。
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古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「反対よ!絶対反対!」 提督の執務机を両手で叩き大声を張り上げる。サブ島沖海域への一回目の出撃を勝利で飾り、補給と修復を終えた私たちは提督の執務室に集合していた。そこで私たちは雷ちゃんから古鷹ねーさんの改二改装案を見せられたのだ。 「私が既に改二になってるし戦力は十分じゃない!」

2014-12-15 22:21:48
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

勿論その理屈は口から出まかせだ。味方の戦力が充実するに越したことはないし、古鷹ねーさんの改二が決まったことが嬉しくないはずがない。けれど、私はそれを素直に喜ぶことはできなかった。なぜなら、古鷹ねーさんが力をつけたら、今まで以上に頑張ってしまうから。もっと無茶をしてしまうから。

2014-12-15 22:27:46
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

私が改二になった時でも、能力が劇的に向上したわけではなかった。私より型の古い古鷹ねーさんの場合ならなおさらだろう。それなのに改二になったことで古鷹ねーさんがこれまで以上に張り切って、身の丈以上の荷物を背負ってしまおうとしないか。私には、その事がなによりも気がかりだった。

2014-12-15 22:32:09
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「改二になった艦が多い方が助け合えるし味方の被害も減るじゃない!」 雷ちゃん自身は当然のことながら古鷹ねーさんを改二にしたがっている。私が言葉を尽くして雷ちゃんを説得しようとしていると、当の古鷹ねーさんが改二改装案の図面を手にして熱心に見つめているのが目に入った。

2014-12-15 22:40:22
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

古鷹ねーさんは、改二になった自分の姿を興味深げに眺めていた。私は、その姿にすら心を痛めた。改装前と変わらず重武装の艤装。アーム式になって取り回しやすくなった左肩の連装砲。身体を縛り付けるように巻かれた鎖。今まで以上に効率よく戦うためだけの存在になってしまうかのような改装だった。

2014-12-15 22:46:12
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

それなのに、古鷹ねーさんが改装案を見つめる目には嫌悪の色はなく、むしろその表情は心なしか喜んでいるかのようだった。そのことが、私にはどうしようもなく切なかった。 「あーもう!なんで衣笠はそんなに反対するのよ!古鷹自身の気持ちはどうなの!?」 雷ちゃんが古鷹ねーさんに目を向ける。

2014-12-15 22:50:27
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「え?えーと……私は、どちらでも……」 おそらくは私に気を遣ったのであろう古鷹ねーさんの返答が心苦しい。けれど、古鷹ねーさんが積極的に改装したいと言わないなら私には好都合だ。古鷹ねーさんの方を見ないようにしながらさらにまくしたてる。 「ほら!古鷹ねーさんだってこう言ってるわよ!」

2014-12-15 22:55:36
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

青葉は私たちから数歩下がった位置で黙って話を聞いているだけ。加古はというと、半分眠そうな、けれど眠っていない目でこちらを見ている。 「改装は今すぐしなきゃいけないってわけじゃないでしょ!?今後サブ島沖海域の攻略に困ったらその時また検討すればいいじゃない!」 雷ちゃんが黙り込む。

2014-12-15 23:02:03
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

ため息をついた雷ちゃんが肩をすくめて諦めたように言った。 「わかったわよ。でも、戦力が必要だと思ったらすぐに改装に移るからね。あなたたちを失う訳にはいかないのよ」 「絶対大丈夫!衣笠さんにお任せよ!」 私は胸を張って雷ちゃんに請け負った。そして、その言葉通りにするつもりだった。

2014-12-15 23:08:16
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

事実、私たちはその後も連勝を続けた。サブ島沖海域を行き来している深海棲艦の輸送ワ級は全部で5隻いると考えられ、私たちは出撃するたびにそのワ級にダメージを与え、二回に一度は撃沈した。道中の夜戦で大破した艦が出たり、ワ級を捕捉しても取り逃がしたりといったことは稀にしかなかった。

2014-12-15 23:19:26
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

そうして出撃を繰り返し、サブ島沖海域のワ級はあと1隻を残すのみ、というところまで来た。私は内心誇らしかった。古鷹ねーさんを改二にしなくても、古鷹ねーさんに頼らなくても、私たちは過去を残り越えられる。青葉も自信をつけただろうし、古鷹ねーさんに無茶をさせることもなかった。

2014-12-15 23:24:01
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

私のそのひそかな誇りが粉々に打ち砕かれるまでに、そう時間はかからなかった。

2014-12-15 23:25:49
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「左舷前方、雷跡7……いや、8!来ます!」 吹雪の警告とほぼ同時。単縦陣をとって敵艦隊と同航戦に入ろうとした私たちの艦隊を、敵潜水艦の先制雷撃が襲った!全艦が慌てて回避行動に移るけれど発見からあまりに間がない!避け切れない魚雷が私と吹雪に命中する! 「うあッ!」 「きゃあッ!?」

2014-12-15 23:34:21
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「衣笠ッ!?」 単縦陣の先頭で青葉が振り向いた。私は損傷を負った艤装をかばいながら右手を上げて青葉に応えた。私は大丈夫、と伝えたつもりだった。敵潜の先制雷撃の被害は私と吹雪が揃って中破。左足の推進系が異常を訴え、連装砲は使い物にならなくなった。吹雪も同程度のダメージは受けている。

2014-12-15 23:41:13
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

先制雷撃でここまで大きなダメージを蒙ったのは、敵潜水艦がこちらのソナーにかからず至近距離まで接近し、正確な雷撃を多数放ってきたからだった。それもそのはず、サブ島沖海域の主力艦隊に編入されている潜水艦は、いまやカ級flagshipではなくより強力なヨ級flagshipなのだ!

2014-12-15 23:46:12
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

勿論吹雪たちだって無抵抗でいるわけではない。三式水中探針儀に耳を澄まし、雷撃を放たれる前にヨ級の位置を捉えようとしている。けれどヨ級はカ級とは比にならないほど隠密性が高く、水中を自在に動き回るその姿をつかむのが難しい。闇雲に爆雷を投げて威嚇するしかないが、効果は期待できない。

2014-12-15 23:52:12
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

先ほどの雷撃でソナーを損傷したらしい吹雪が悲痛な表情を浮かべる。強力な敵潜水艦に対して、頼りになるのは叢雲の耳だけとなった。海戦中いつどこから雷撃されるかわからない恐怖が私たちを包み込む。けれど、それを遥かに凌駕する脅威が私たちに襲い掛かる! 「敵戦艦弾着観測射撃、来ますッ!」

2014-12-15 23:57:10
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

ズドドドオオオオオン! 青葉の警告をかき消すかのように、輪形陣をとった南方棲戦姫と二隻の戦艦タ級flagshipの主砲が一斉に火を噴いた!敵艦隊はまだ私たちの重巡の主砲の射程外だというのに、その轟音は耳を弄し、大気を震わせ、蒙るであろう被害の予感だけで私たちの体を震え上がらせる!

2014-12-16 00:04:13
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

敵艦の砲火を目にした青葉が腕を左に打ち振るい、それに合わせて私たちは左に転舵!その直後、すさまじい風切り音と共に敵艦の巨弾が着弾する! ドオオドドオンドオオオン! 今まで私たちが航行していた航路に次々に敵弾が落下し、巨大な水煙を林立させる!海面が沸き、大波に私たちの体が揺れる!

2014-12-16 00:12:13
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

敵艦隊の編成は、輸送ワ級elite、南方棲戦姫、戦艦タ級flagship、戦艦タ級flagship、軽巡ヘ級flagship、潜水ヨ級flagship。それまでの編成からタ級が一隻増え、駆逐ハ級が軽巡へ級になり、潜水カ級がヨ級に変わっただけ。それだけで、彼我の戦力差は逆転した。

2014-12-16 00:20:33
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

こちらに航空戦力がいないことを見て取った深海棲艦たちは、無条件で得た制空権を背景に、重巡の射程外からの戦艦の巨砲による弾着観測射撃で私たちを寄せ付けない戦術に出た。圧倒的な火力を前に私たちは接近することすら難しく、弾幕をかいくぐっても敵潜の雷撃に見舞われた。打つ手がなかった。

2014-12-16 00:27:28
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

敵潜水艦の雷撃を警戒して私たち第六戦隊の左右を守るように吹雪と叢雲が位置取っているけれど、彼女たちの戦いは私たち以上に悲痛だ。小さな駆逐艦には戦艦の巨砲は一発食らっただけでも命取りになり得る。けれど、私たちが敵潜水艦に雷撃されるのを防ぐために私たちから離れるわけにはいかない。

2014-12-16 00:33:20
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

弾幕の突破を試みて、また退避する。もう何度試みて失敗しているかもわからない。ふと目に入った叢雲の顔が真っ白だった。あの気丈な叢雲でも恐怖を隠せないほどの敵弾の嵐。敵砲は一時たりとも休まず火を噴き続け、私たちの手前の海面を叩き続ける。直撃せずとも至近弾の断片で被害は累積していく。

2014-12-16 00:40:10
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