火砲小話~日米独の変り種対要塞器材話の詰め合わせ
そこいくと、アメリカの7.2インチや10インチの低初速な成型炸薬ロケットは、やっぱり直撃狙ってる系の対トーチカロケット弾になるのかなあ。トーチカは高さは小さいんで横から狙うのは厳しいから、低速で山形に撃って上面抜くことを狙う感じの
2014-12-25 18:33:00米軍は他に、より高速で真上から大きなロケット弾をトーチカにぶち込む方法も検討してた。高速で打ち上げるとやたらに遠くまでやたらに飛んじゃうし、すると精度も出ないので直撃も期待できない。ではどうすれば、高速で飛ぶロケット弾を高く打ち上げずに近くのトーチカの上面に正確に落とせるか?
2014-12-25 18:41:04答えは「ロケット弾に紐をつける」である。ロケット弾に15mほどの頑丈な紐をつけ、反対を戦車に結ぶ。戦車をトーチカから15mの距離まで前進させ、戦車の後方15mにロケット弾を立てる。これを発射すれば、ロケット弾は高速で半径15mの弧を描いてトーチカの天井に叩き込まれる訳
2014-12-25 18:45:25むむ、ちょいと勘違いしてた。この紐付きロケット弾は徹甲ロケット弾を高速で叩き込むんでなく、成型炸薬弾頭を使う事になってるのね。戦車は6発積みのトレーラーを牽くんだけど、3発は成型炸薬、残りは榴弾か焼夷弾頭を積む、と。トーチカに穴あけて、そこから焼くつもりっぽい
2014-12-25 18:55:02ともあれ、何かすごいヤレヤレな気がするこの紐付きロケット弾だけど、250ポンド爆弾と4.5インチロケット弾の推進薬を使った試験では、実用的かつ極めて高精度である事が解ったようで
2014-12-25 18:57:47米軍は44年2月までには7.2インチ、10インチの成型炸薬ロケットを試作してて、紐付き成型炸薬ロケット弾の計画は44年夏頃に動き出したようで。想像するに、普通に成型炸薬ロケット弾を浴びせてもトーチカにはあんまり当たらなかったりして、だから精度の良い紐付きの話が出たのかも
2014-12-25 19:05:14しかして、戦車で15mまで近付ける状況でも、そこからどうやって壊すか悩んじゃうくらいトーチカって頑丈なんですかしらね
2014-12-25 19:08:46英軍のトータスもといAT計画じゃ、ガチガチに重装甲化した車両にモリンズ6ポンド自動砲と火炎放射器つけてて、「57mm砲の乱打で要塞に穴あけて、そっから炎を流し込んでやる」てな意図が透けて見える感じでしたけども。これもつまりは、少なくとも火炎放射器の射程までは接近するつもりなわけだ
2014-12-25 19:12:18一方ソ連は、対トーチカ装備はどうするつもりだった? これは「152mm加農を自走化・装甲化しました」の一言で終わっちゃう気がする
2014-12-25 19:15:38ドイツ:レヒリング有翼弾
ここんとこ九八式臼砲とか米軍の成型炸薬ロケット弾だのの特殊な対トーチカ機材の話が続いたけども、独軍のレヒリング有翼弾も一応カテゴリとしては近いのかなあ。ちょっと大掛かりだし、単にトーチカ抜くだけじゃなく地下深くの弾薬庫まで届いちゃうけど
2014-12-26 21:32:49レヒリング有翼弾は重砲で使う弾だけど、30cmだの何だのの馬鹿みたいな超重砲の代わりにもうちょっと軽めの機材で要塞潰そうぜって話ではあるので、その点では九八式臼砲とも目指すところは遠からずかも。アプローチの方法は全然違うけど
2014-12-26 21:46:58レヒリング有翼弾は見た目がAPFSDSとか独軍の長射程弾であるペーネミュンデ矢弾に似てるんで、高初速で打ち上げる弾のような風にも思えちゃう。でも実際のところは普通の榴弾より重い弾で、低速・大仰角で割と近距離から打ち上げて、要塞の天蓋に大落角で落として貫く弾なんですな
2014-12-26 22:36:45という話は前にしたでしょ、おじいちゃん! 砲弾小話~「レヒリング」装弾筒付翼安定対コンクリート榴弾 - Togetterまとめ togetter.com/li/627530
2014-12-26 22:37:38日米独の対要塞器材を並べてみると、どれも立ち居地もアプローチ方法も違うものだから方向性は様々だけど、それでも「できれば30cmだのの超重砲は使わずに済ませたい」という点では共通してる気がするのね(無理やりまとめにかかる)
2014-12-26 23:09:56