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フランスにおける、風刺画の社会的背景、表現の自由、政教分離、多文化主義の政策、等について、収集してみた。

フランスの政教分離と多様性の問題、風刺、差別表現、信仰上の問題、などに関するTwitter上の議論や、ウェブの記事を拾ってます。
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SHIMIZU Akiko(清水晶子) @akishmz

その意味で教皇コメントは流石バチカンという(ほめてない)狡猾さだった。一方で「友が母を侮辱したら」という例えでフラットな二者間の侮辱の問題とすることで欧州におけるムスリム差別の背景を捨象し、他方で宗教を侮辱するなと釘をさす。一挙両得。bbc.com/news/world-eur…

2015-01-16 22:29:11

「涜神の権利」?

『ムハンマドの風刺画(1)--フランスのメディアはなぜ火中の栗を拾うのか』より
http://d.hatena.ne.jp/fenestrae/20060209#p1

”フランスの知的伝統の大きな流れの中では、あらゆる宗教批判の保証というのは、神・預言者・聖職者その他宗教的崇拝を受けるいかなる存在に対する風刺・嘲笑というラジカルな形態も含めて、18世紀の啓蒙主義時代からの政治的・知的闘争の中で獲得したものであり、さらにはこの権利がフランス共和国の成り立ちにかかわる本質的な価値であるとして繰り返し確認されているということである。「フランスでは涜神(宗教的冒涜)は犯罪ではない」どころか「涜神は権利である」という言辞は「ヴォルテールの国で」という形容とともに、いかなるコンプレックスもなく発せられる。”

gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

「ヴォルテールの国で、涜神は犯罪ではなく権利である」…美しくも恐ろしい宣言だ。そしてこれはそのまま、不可避的に「ムハンマドの国」への宣戦布告である… / “fenestrae - ムハンマドの風刺画(1)――フランスのメディアはな…” htn.to/sPc8qb

2015-01-08 19:00:28
@YOW_

”涜神が罪であれば、何のためにヴォルテールやディドロが闘い、仏革命があり、ミシュレがいて、19世紀末、20世紀になってからも続く共和国派の反聖職者闘争があったのかということになる。” / “fenestrae - ムハンマドの風刺…” htn.to/M1nTWn

2015-01-19 22:46:41
@YOW_

「ここには、言論の自由の普遍的価値を世界中に押しつけるというような発想より前に、苦難の上自らのものにし得た価値、そして現代においてもその保証がまだ脆弱な価値を、自分の足元で守りたいうという防衛反応が先立つ」 この、国の思想史を辿れる・共有するというのが凄いやね、

2015-01-19 22:49:12
@YOW_

まあ、辿れるのはある程度の階層の人なんだろうけど

2015-01-19 22:49:57
Osamu Tomori @orpheonesque

「フランスに涜神罪はない」をめぐるフランスの特殊性についての議論の中で 2006年のときの議論から現在の状況の間の違いについての与件の一つは英国で2008年に涜神罪が廃止されたこと。国内法と欧州人権条約との調整でがしゃがしゃ揉めていたが、廃止することで一挙に解決する道を選んだ。

2015-01-18 17:56:05
Osamu Tomori @orpheonesque

欧州評議会の議員会議の2007年の勧告(1805)は、人にに対するものと宗教そのものに対する侮辱「insulte」を区別し、後者が法律で罰っされてはならなないとする。「涜神罪」を有する国への実質的な廃止の勧告。

2015-01-18 18:46:44
おきさやか(Sayaka OKI) @okisayaka

仏語圏の議論をみると、ムスリム側も涜神、すなわち「予言者を風刺の材料にされた」ことに反応しているのであって、「差別」の文脈とは別のところで議論が進んでいる。これまでも彼らは裁判闘争してきたので、その判決に従いつつ表現の自由は尊重、という姿勢を取っている。

2015-01-14 15:00:41
おきさやか(Sayaka OKI) @okisayaka

先日法学系の同僚に聞いたのだけど、表現の自由については人種差別撤廃条約と国際人権規約でも異なるらしい。前者は人種に対するステレオタイプな見方を助長すること自体ダメで、後者は人権侵害行為を助長することがだめ。ずれがある。もともと国際条約レベルでずれてるというのは興味深い

2015-01-14 15:11:08
おきさやか(Sayaka OKI) @okisayaka

↓さっきのRTはフランスの表現の自由に関する法律について。実際にはかなり厳格な決まりがあり、裁判闘争で争うのが常。CHも30回くらい訴えられ、「侮辱」か「風刺の自由」かの攻防戦で何度か負けてもいるし、勝ってもいる。それと「脅迫」や「テロの肯定」は別格で間違いなく有罪になる

2015-01-15 14:26:18
おきさやか(Sayaka OKI) @okisayaka

さっきの話に戻ると、たとえば徹底した世俗主義者やatheistにとって神や聖人の冒涜は根源的な信仰告白の一部であるし、礼拝の自由に近い重みを持つ(ここが通じないとしたらまさにそれはfaithの違いと思っていい)。(続

2015-01-16 19:15:14
SHIMIZU Akiko(清水晶子) @akishmz

RT。おきさんのご主張からはおそらくずれるのですが、私も「不快」をメインイシューにする事には(差別批判の観点から)反対です。人を不快にさせる権利は誰にでもあり、差別を考える上で重要なのは「どのような社会構造を背景にどの立場がどの立場に不快を強要し続けているのか」です。

2015-01-16 20:03:11
ジャスミン男【ハム式】 @echinodermes

貧民ゲットーの子供たちを映画やディズニーランドに連れてく福祉関係者として、テロリスト兄弟の子供時代を知っている女性が語る彼らの生い立ち元記事 reporterre.net/L-enfance-mise…

2015-01-17 07:23:25
ジャスミン男【ハム式】 @echinodermes

主には宗教が原因の「問題行動」が多かったので、「ライシテ(宗教を持ち込まないこと)憲章」を職場に貼って研修したりしたそうですけど改まらずついに解雇。

2015-01-17 07:52:36
ジャスミン男【ハム式】 @echinodermes

フランスは法律で差別禁止したりするから、差別が表現の自由を隠れ蓑にしたり巧妙化するのでは、というご意見がありました。それは本当だと思いますが、一方、フランス人(とフランスに流入してくるヨーロッパ系移民)は、コモンセンスの感覚で動いてないので、法律で禁止されてなければなんでもします

2015-01-18 18:33:40

http://d.hatena.ne.jp/fenestrae/20060209#20060209fn3
”…フランスでは「涜神罪」は存在しないので、宗教的冒涜に多少なりとも関わる法的争いは次の2つの罪刑の適用をめぐって行われる。その一は、「出版の自由についての法」(1881年7月29日法)の中で扇動の罪を規定する項目第24条に追加された「個人あるいは団体に対する差別・憎悪・暴力を、その出自、特定の民族・国・人種・宗教への帰属あるいは非帰属の理由から扇動する」罪、その二は、同法第32条として名誉毀損の特別な形態として追加された「個人あるいは団体をその出自、特定の民族・国・人種・宗教への帰属あるいは非帰属の理由から誹謗する」罪である。”
”ちなみこの1881年7月29日法は第1条「印刷imprimerie と図画販売 librairie は自由である」で始まり、扇動罪、名誉毀損罪などの類は、言論の自由の例外規定という形で存在することになる。

邦訳の文献がネット上にあまり見当たらなかったのでid:fenestrae氏のブログから引いた。

「pardonné」について

【SYNODOS】「許す」と「赦す」 ―― 「シャルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題  関口涼子 / 翻訳家、作家
http://synodos.jp/international/12340

”読売新聞の記事は、「Tout est pardonné」を「すべては許される」と訳し、何でもありだ、という、言論の自由(というか「勝手」)を示したものだとしているが、これはまったく逆の意味だ。”
”わたしはシャルリーだ」とムハンマドが言うことは、「殺されたシャルリーは自分(ムハンマド)でもある」、つまり、宗教の名の下に、暴力の行使によって相手の制圧をしようとすれば、あなたたちが信じていると思っている宗教もまた死ぬのだ、と、このムハンマドのイメージは、犯人たち(または犯人と意見を同じくする者たち)に訴えかけているのだ。”
”今回、諧謔精神は、事件の後、当該誌を読んだことさえなかったのに、あわてて猫も杓子も 「わたしはシャルリーだ」と言い出した現象に向けられている。”

Osamu Tomori @orpheonesque

1)pardonnerについて誤訳のレベルの話もうさておいて、「チャラにする」どころではない重いほうの意味の層をつけ加えると:'90年代、’00年代を通して、そして今でも殺しと政治とpardonnerの主題はフランスの政治家、知識人にとって課題だったということ。

2015-01-15 10:44:40
Osamu Tomori @orpheonesque

2)ドイツとの和解(eg.オラドゥール…)、ユダヤ人が受けた/にやった行為、旧植民地特にアルジェリアでのこと。まさにpardonnerする/されるが主問題となるこれらは、この期間に少しづつ少しづつ解決されてきた。最後のものはまだ端緒についたところだ。

2015-01-15 10:45:16
Osamu Tomori @orpheonesque

3)デリダはpardonnerについてまるまる一冊本を書いた。(この界隈の話は得意な方々いると思うし、とてもややこしいので、大幅略)

2015-01-15 10:46:57
Osamu Tomori @orpheonesque

4)フランス人は、乱暴に括ればその「地中海気質」的なところで、仲間を殺した相手を、たとえ悪の仲間であっても、ふつう絶対に許さない。アルジェリアを植民地支配し軍が酷いことをしたのは分かっているが、仲間を殺されたその人たちの生の感情のためアルジェリアとの関係の修復はなかなか進まない。

2015-01-15 10:49:02
Osamu Tomori @orpheonesque

5)その中で、一生の仲間たちを一挙に殺された人間が、数日の後に、多層的な意味のなか諧謔めかしてでも、「すべて赦した」と書くという行為は、少しでもその身になって想像すれば、どれだけとてつもないことか分かるだろう。そこにはまたもちろんプライドを捨てないこと必要だ。

2015-01-15 10:49:44
Osamu Tomori @orpheonesque

6)この「すべて赦した」が可能になった背景には、 pardonnerの課題をめぐるここ四半世紀の政治的・思想的な進展の文脈がある。そして復讐、ヴェンデッタの連鎖によって現代世界史の成行を危ういものにし、フランス共和国の成り立ちを蝕んでいる紛争そのものに対する意識がある。

2015-01-15 10:51:36
Osamu Tomori @orpheonesque

7)あの凝りない傲慢さや、能天気に見えるかもしれない絵の中に、風刺画という行為で世の中を出来事を日々捉えてきた絵師による、そうした恐しいほどの知的なアクロバットがあり、そしてそれをそうしたものとして、感覚のレベルで理解する人たちは少なくないと私は見る。

2015-01-15 10:52:35