ラバウル少佐日誌:天空の母編其ノ弐

艦これ二次創作小説です。 一部艦娘のキャラ崩壊・独自設定・過去捏造注意です。
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檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

ラバウルの沖には、横須賀の様に桜の花が浮かぶ事は無い。 (1) #ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:24:11
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

思えば、私の人生は花火のようなものだった。 唯只管に、誰かに追われるように、私の上に立つ女を蹴落とす、それだけを生き甲斐にしていた。 その為に如何なる犠牲を払おうとも、誰に恨まれ、憎まれようとも、私は涼しい顔で嗤ってやった。 その理由は、簡単な事。 (3) #ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:28:55
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

私がそんな気質になったのは、母のせいだ。 父親が誰かも分からない私は母の手一つで育った。 だけど、母には私よりも大事な人がいた。 私はそれが辛くて憎くて堪らなかった。 (4)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:32:38
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

だから私は、母の大事な人を奪ってやった。 (5)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:36:26
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

当然私は命を奪われかけた。 だけど私は、ただ母に愛されたいが為だけに彼女から奪った男に守られた。 母は自らの手で、大事な人を手に掛けたも同じだった。 だけどそいつが最期に呼んだのは私の名前だった。 男っていうのは愚かな生き物だと、その時私は確信した。 (6) #ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:42:50
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

それから間もなく気の触れた母が死んで、私は惰性だけで余生を生きていた。 たまに男で遊んだりもしたけれど、プライドの高い女を蹴落として優越感に浸れるという理由で、弓道だけはずっと続けていた。 そう。ずっと続けていたせいで、私は重い金の盃を射止めてしまった。 (7)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:48:12
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

私に男性的な魅力を見出した気持ち悪い女達から逃げる為に、軍へ行く事を決意するのにそう時間は掛からなかった。 志願者の中には自衛隊員もいたし、金持ちの娘もいた。 だけど結果だけいえば私は狭き門を通り抜けた。 これで面倒な人達から解放されると私は思っていた。 (8)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:53:12
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

だけど『瑞鶴』の椅子に縛られるって事の窮屈さと疎ましさを、私は直ぐに思い知らされた。 どれだけバケモノを倒しても、二航戦の財閥の娘達と、それから一航戦の貴族の娘共を従える事が出来ないどころか、よりにもよって私の『姉』はその座を金で買っていた。 (9)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 00:57:34
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

私が越えられない壁の向こう側にいる奴等は、皆私と違って実力でその座に座っていなかった。 その事に怒り狂って、自分の首に矢を刺そうとした晩の事。 「あなたは強いだけの矢を放つだけで、つまらなくはないのかしら?」 月下で彼女は、私を冷淡に一瞥した。 (10)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 01:04:11
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

次の日、私は彼女の弓と矢を注視した。 そして覚った。 彼女は一人で戦えば一騎当千だけれど、あくまで赤城の空けた穴を埋める戦い方に徹していて、だから私は実力不足だと早合点してしまった事を。 それが為に彼女は……加賀さんは二番手に甘んじているという事を。 (11)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 01:09:53
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

それからの私は、加賀さんが全力を尽くせる環境を作る事へ躍起になった。 赤城を失脚させてわざと彼女の前で辱めたし、考えられる限りの傍若無人を尽くした。 だけど加賀さんは、私とやり合う事は、遂に今日まで一度たりとも無かった。 私を暗殺しようとはした癖に。 (12)#ラバウル少佐日誌

2015-01-21 01:14:08