"不知火に落ち度はない"×"青葉の取材手帳"『未だ柔らかなその想い』

水凪月 @minagiduki

さてお待たせいたしました　　これより #落ちぬい二次 開始いたします 例によって本家 #不知火に落ち度はない とは似て非なる世界での出来事です ※尚、次Postからは投下アカウントに切り替えます #落ちぬい

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

本作はなるべく本家世界観に似せた上で駄提督の格好いいところを見せようとしてみました コレジャナイ感有る方もいるかもしれませんがどうぞご笑覧いただけますと幸いです #落ちぬい

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

「ほい兵頭っち、お手紙」 と北上から差し出された手紙。 今時手紙を出してくる酔狂な奴なんて思いつかないんだが。 「そうは言っても、実際来てるしねー」 受け取ると、確かにそこには俺宛の文字。 住所も名前も書かれており、当然ながら切手や消印もある。 1 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

裏返すと、そこには「虹羽水月」と書かれている。 住所を見るに、どうやらトラックにいる人間らしい。 「北上、この名前調べてくれ」 渡すと、早速調査を始める秘書官。 2 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

すぐに、差出人の情報が手に入る。 虹羽水月、トラック諸島で艦隊指揮を行っている少女。年齢不詳。 秘書官は青葉、特に得意とする分野はないがバランス良く配備されているらしい。 3 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

そこまで期待はされていないらしく、司令部のある場所は要所からはそれなりに離れたいわゆる「僻地」。 本人は気付いていないのか自身の能力をわきまえているのか文句もなくそこで一生懸命やっているらしい。 4 #落ちぬい二次

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そんな中で、北上の口から引っかかる言葉を聞く。 「綾崎隆玄って人の推薦状を持って来たらしいよ」 綾崎… 脳裏にふと、気に食わないジジイの面が浮かぶ。 5 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

綾崎隆玄。 俺が夏目艦隊に配属されるより前から、深海棲艦と戦い続けていた奴だ。 とある小艦隊に所属していた。特に艦隊に名前などはなく、俺たちとは互いに敵視しあっていた。 俺たちは「あのクソども」と呼んでいたが、多分向こうも同じだったろう。 6 #落ちぬい二次

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夏目艦隊のように何かに優れた技術を持っている奴らではない。 が、全員が自在にに動ける事で俺たちにも負けない活躍をしていた。 7 #落ちぬい二次

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そしてあいつの最もイカレた所。 それは”自力で深海棲艦を撃破した経験がある”ことだ。 今でこそ対処法が有る程度確立され、駆逐級なら撃破することも可能だ。 しかしあいつは、対処法もない頃に、撃退ではなく撃破したとんでもない野郎だった。 8 #落ちぬい二次

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聞いた話だと、レース用のボート二台を非常に細いワイヤーで繋ぎ、全速力で深海棲艦に特攻。 そのスピードで真っ二つにしたという。 確認されてる戦績だけでも駆逐級二十体以上。 ホ級とはいえ、軽巡を撃破したっつー眉唾な噂もある。 9 #落ちぬい二次

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その戦績で、相棒と共に何段階も昇進したにも関わらずそれでも突撃し続けた。 艦娘が登場し、そっちに重きを置くようになると野郎も提督に鞍替え、前線で戦い続けた。 最終的には元帥クラスまで昇進したんだっけか。それでも前線勤務を辞めなかった。 10 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

これだけ聞くと頭のねじ何本もスッ飛んだイカレ野郎だが、陸でのあいつはこれ以上ないくらいの紳士だった。 部下からの評判も良く、あいつのために理想の上司ランキングなんてやった奴もいたくらいだからな。 11 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

とは言え何年も前に退役し、デカい屋敷でのんびり余生を送り、二年ほど前にぽっくり逝ったって話だ。 「兵頭っち、どうかした？」 北上の呼びかけで思考を戻す。 そんなあいつが推薦するガキが、何故俺に手紙を出すのか。 「北上、それ捨てとけ」 12 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

「流石に内容を確認しないで捨てるのはどうかと思うよー」 と言いながら勝手に封を開ける北上。 内容を確認すると、俺に手渡してくる。 「戦闘訓練の依頼、だってさ」 13 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

受け取って目を通す。 簡潔にまとめると、「訓練教官の資格持ってるの知ったから鍛えてくれ」と。 どこで知ったのかはまぁ青葉がそこにいる以上不思議ではないが。 …断りてぇ。 14 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

顔を上げると、北上はどこかに電話をかけていた。 「もしもし、虹羽様？」 何勝手に電話してんのこいつは。 でも丁度いい、断って───── 15 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

「うん、お手紙の件、お受けするって」 何勝手に決めてんのこいつは！！！！！ 「来週の土曜とか大丈夫だよー」 日付まで勝手に決めんなっての！！！！！ 16 #落ちぬい二次

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取り押さえようと席を立った直後、 「じゃーねー」 の一言と共に電話を切られる。 17 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

「兵頭っち、最近デスクワークばっかりだし、たまには身体を動かすのも良いんじゃない？」 悪びれもせずそう言い切る秘書官殿。 つい先日も一騒動あったんだけどこれでも運動してないと言いますか。 18 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

とはいえ確かに傍目から見れば書類仕事をする振りして鶴を折る運動不足のオッサンだ。 それに、北上が勝手に決めたとは言え決定した約束を取り消すのは信用に関わる。 元から無いなんて突っ込みが来そうだが全部無視する方向で。 19 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

そんなわけで、会ったこともない奴のお守りをすることになったのであった。 20 #落ちぬい二次

水凪月/予備垢 @miduki_nijiba

艦隊これくしょん二次創作 "不知火に落ち度はない"×"青葉の取材手帳" 『未だ柔らかなその想い』 #落ちぬい二次