都名所図会巻之三 上

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「… 宋(そう)の径山寺(きんさんじ)無凖(ぶじゅん)を師(し)とした。こうして六年を経(へ)て、仁治(にんぢ)二年の秋(あき)に帰朝(きちょう)した。寛元(かんけん)元年花洛(みやこ)に登(のぼ)り、…」 RT @kandemo

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「… 九条(くじょう)大相国(だいしょうこく)光明峯寺(こうみょうぶじ)殿下(でんか)より[関白道家公] 東福寺(とうふくじ)を賜(たまわ)って、住職(じゅうしょく)となった。弘安(こうあん)三年十月十六日七十九才にて遷化(せんげ)する。…」 RT @kandemo

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「… 偈曰(げにいわく)、利生方便(りしょうほうべん)七十九年、欲(ほつせば)知(しらんと)端的(たんてきを)、佛祖(ぶつそ)不伝(つたへず)。遷化(せんげ)の日、當山(とうざん)の竹木(ちくぼく)は、色(いろ)を白色(はくしき)に変(へん)じ、…」 RT @kandemo

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「… 双樹(そうじゅ)が自然に枯(かれ)た。九十四代花園院(はなぞのゐん)の御宇(ぎょう)、正和(しょうわ)のはじめ、諡(をくりな)を聖一国師(しょういちこくし)と宣旨(せんじ)を賜(たまは)る。凡(をよそ)國師(こくし)の號(ごう)は、…」 RT @kandemo

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「… 是(これ)よりはじまるということだ。[當寺(とうじ)の號(ごう)は、南都(なんと)の東大(とうだい)興福(こうふく)の兩号(りょうごう)を合(あわ)せて用いたものである] …」 RT @kandemo

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「… 山門(さんもん)には、妙雲閣(みょううんかく)という横額(よこがく)ある。足利将軍(あしかがしょうぐん)義持公(よしもちこう)の筆(ふで)である。…」 RT @kandemo

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都名所図会巻之三　9頁 「東福寺北門(とうふくじきたのもん)」「萬壽寺(まんじゆじ)」「三聖寺(さんしやうじ)」 nichibun.ac.jp/meisyozue/kyot…

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「… 佛殿(ぶつでん)の本尊(ほんぞん)は、釈迦佛(しゃかぶつ)。法堂(はっとう)は潮音堂(ちょうをんどう)と號(ごう)する。額(がく)は無凖(ぶしゅん)の筆(ふで)である。天井(てんじょう)の蟠龍(はんりゅう)は、…」 RT @kandemo

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「… 初(はじ)め兆殿司(ちょうでんす)の筆(ふで)である。此人(このひと)は、大道和尚(たいどうをしょう)の弟子(でし)で、諱(いみな)は明兆(みょうちょう)、字(あざな)は吉山(きつさん)である。…」 RT @kandemo

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「… 凡(をよそ)書(か)いた繪(ゑ)に奇妙(きみょう)なことがある事、記(しるす)遑(いとま)がないほどだ。龍(りゅう)を画(ゑかけ)ば天(てん)にとび、不動(ふどう)をかくと火炎(かゑん)がもえひろがるという。…」 RT @kandemo

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「… 或(ある)とき、龍(りゅう)を画(ゑか)いたところ、いまだに生身(しょうしん)の形(かたち)を見(み)せない。そこで、佛神(ぶっしん)に生身(しょうじん)の形(かたち)を見(み)せてくださいと願い持念(ぢねん)すると、…」 RT @kandemo

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「… 思園池(しをんち)の水(みづ)が漲上(みなぎりあが)り、生身(しやうじん)の大龍(だいりゅう)が目前(もくぜん)に出現(しゅつげん)した。其形(そのかたち)をうつして、天井(てんじょう)に画(ゑが)いた。…」 RT @kandemo

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「… 兆殿司(ちょうでんす)の滅後(めつご)に、画龍(がりゅう)がとび出して天に登ったと云い伝えられている。其後(そののち)狩野光頼(かののみつより)が、是(これ)を画(ゑが)いた。これが、今(いま)の蟠龍(ばんりゅう)である。…」 RT @kandemo

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「… 當寺(とうじ)の涅槃像(ねはんぞう)は、應永(おうゑい)十五年六月、殿司(でんす)が五十七歳の時に画(ゑが)いたものだと脇書(わきがき)にある。本朝(ほんちょう)無双(ぶそう)の像(ぞう)なので、世(よ)に名高(なだか)い。…」 RT @kandemo

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「… 其外(そのほか)當寺(とうじ)には、図畫(ずが)が多(をを)い。一生(いっしょう)画(ゑが)くだけの繪具(ゑのぐ)は、神感(しんかん)を得(え)て稲荷山(いなりやま)の北(きた)から出る。今(いま)繪具谷(ゑのぐたに)という。」 RT @kandemo

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「方丈(ほうじょう)の額(がく)は、張即之(ちょうそくし)の筆。選佛場(せんぶつじょう)の額(がく)は、径山無準(きんざんふじゅん)の筆(ふで)である。本尊(ほんぞん)は、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)聖観音(しょうかんのん)を安置(あんち)する。…」 RT @kandemo

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「… 當寺の鎮守(ちんじゆ)は、成就宮(じょうじゅぐう)という。[石清水(いわしみず)加茂(かも)春日(かすが)稲荷(いなり)山王(さんおう)の五社(ごしや)を勧請(かんじょう)した] 光明峯寺殿(こうみょうぶじどの)の建立(こんりゅう)である。…」 RT @kandemo

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「… 東司(とうす)の額(がく)は、張即之(ちょうそくし)の筆(ふで)。十三重(じゅう)の石塔(せきとう)は、比良明神(ひらみょうじん)のお告(つげ)によって、藤丞相(とうのしょうじょう)道家公(みちいゑこう)が、これを建(たて)た。…」 RT @kandemo

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「… 圓栢(いぶき)の古樹(こじゅ)は、開山国師(かいざんこくし)が、宋国(そうこく)より携えて来たもの。厨(くり)の高粱(こうりょう)も唐木(からき)で、これらも異国(いこく)より渡(わた)ってきた。常楽庵(じょうらくあん)の額(がく)は、…」 RT @kandemo

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「… 光明峯寺(こうみょうぶじ)の筆(ふで)。諡(おくりな)聖一国師(しょういちこくし)の勅額(ちょくがく)は、持明院(ぢみょうゐん)の震[=宸]筆(しんひつ)である。祖堂(そどう)の中央(ちゅうおう)には、…」 RT @kandemo

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「… 達磨(だるま)百丈禅師(ひやくじょうぜんし)、臨濟禅師(りんざいぜんし)の像(ぞう)を安置する。後壇(こうだん)には、光明峯寺(こうみょうぶじ)殿下(でんか)の影(ゑい)、径山(きんさん)無準禅師(ぶしゅんぜんし)の像(ぞう)がある。…」 RT @kandemo

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「… 伝衣閣(でんゑかく)には、毘沙門天(びしゃもんてん)薬師観音(やくしかんのん)を安置する。これは、開山の昭堂(しょうどう)である。[當寺建立(こんりゅう)の初(はじめ)より、回禄(かいろく)[=火災]の災(わざわひ)は、これまでない] …」 RT @kandemo

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「… 通天橋(つうてんきょう)の額(がく)は、普明国師(ふみょうこくし)の筆(ふで)。橋下(きょうか)の溪(たに)を洗玉澗(せんぎょくかん)という。このほとりには、楓(かいで)が多(おお)い。…」 RT @kandemo

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「… 秋(あき)の末には、紅錦(こうきん)の色(いろ)をあらはして、洛陽(らくよう)の奇観(きかん)となる。十月十六日は、開山忌(かいさんき)であるy。俗(ぞく)に弁當納(べんとうおさめ)といって多くの人が参詣に集まる。」 RT @kandemo

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「五大堂(こだいどう)には、不動明王(ふどうみょうおう)を安置する。正月廿八日、火災除滅(かさいじょめつ)の札(ふだ)を出す。文字(もじ)□がこれである。」 RT @kandemo