2015年2月28日

山本七平botまとめ/【教えて治に至る/派閥の起源①】「秩序は創らなきゃどうにもならない」と考える欧米人、「自然に任せればおのずと秩序が出来る」と考える日本人

山本七平・岸田秀の対談集『日本人と「日本病」について』/教えて治に至る/派閥の起源/48頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

①【派閥の起源】【岸田】神の秩序と社会の秩序が一致しているという時に、その神の秩序というのは元来、創られた秩序なんですね。 【山本】ええ、創造神話以来、それはもう「創る」ですからね。 日本の場合は自然発生的に生まれてくる。 これは神話を比較するとはっきり違いますよね。

2015-01-29 13:08:56
山本七平bot @yamamoto7hei

②【山本】「はじめに神天地を創造(つくり)たまへり…」ですか。 あれはああ読んでいいのかどうか。文法的には異論もだいぶあるんですがね。ま、これまでの読み方に沿っていうと、あの「創造」という言葉には「生み出す」という意味はないんです。<岸田秀との対談集『日本人と「日本病」について』

2015-01-29 13:39:07
山本七平bot @yamamoto7hei

③【山本】家を建てるように、ものを「構築する」事なんですね。すると存在をどこから持ってきたかという事になるんですが、それは何も書いてない。設計図みたいなものがあって、構築したと、そこから始まる訳です。 一つ一つ、人間をも、構築したのであって、生まれた、という意識ではないんですね。

2015-01-29 14:09:01
山本七平bot @yamamoto7hei

④【岸田】ヨーロッパ人にとって、パーソナリティはつくり上げるものですから、彼らの自我構造はガッチリしているわけで、自分の原理を持っていて、その原理に合うものだけを自らの自我領域に取り入れて、原理に合わないものは徹底的に排除する。

2015-01-29 14:39:00
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤【岸田】この排除されたものが精神分析でいうところの「エス」、 つまり無意識ですね。 そこで、そういった狭い自我領域の中に入らないさまざまな衝動や欲望が、無意識に押し込まれて抑圧され、これが意識のほうへ出てこようとする。

2015-01-29 15:08:57
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥【岸田】けれども、きっちりとした原理的な境界線で抑えられてるものですから、なかなか出てこられなくて…変な形になる事がある。それが神経症の症状です。だから神経症の治療というのは、狭く固まっている自我構造をぶっ壊して、抑圧されたものを自我領域の中に取り入れるという事なんですけどね。

2015-01-29 15:39:02
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦【岸田】日本に精神分析がはやらない一つの理由は、日本人の場合、自我構造がそうカチッとしてないんですね。 融通無碍なところがあって、欲望を罪として断固として否定するというのでなしに、まあ今のところ、都合わるいからひっこめとけ、といった程度のことで、抑圧をしてないんです。

2015-01-29 16:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑧【岸田】だから、精神分析によって、狭く固まった自我構造を打ち壊すという必要があまりない。 【山本】そうでしたね。 おもしろいのはその違いが、社会秩序に対する考え方にも現れてくることですね。

2015-01-29 16:39:00
山本七平bot @yamamoto7hei

⑨【山本】たとえば、ホッブスには「万人の万人に対する闘争」という意識がありますよね。 秩序というものはつくらなくちゃどうにもならないんだ、と。 ところが、二・二六事件の将校の発想は、人間、自然に生きてさえいれば、自然に秩序ができちゃうという発想があるんです。

2015-01-29 17:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑩【山本】だから二・二六の将校にとっては、既成の秩序を壊しさえすりゃいいんですよ。そのあと何をつくるかなんていう意識は持っちゃいけないと。 そういう私心があっては、事はうまくいかない。 あくまで無心で、というわけです。

2015-01-29 17:39:00
山本七平bot @yamamoto7hei

⑪【岸田】それは、つくるのは天皇である、天皇の権限を冒してはならない、という意味とは違うんですか。 【山本】そういう発想ははっきり言って、ないでしょうね。 というのは、天皇の下にどのような組織をつくり、自分がそこで何を分担するかではないです。

2015-01-29 18:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑫【山本】むしろ一種の自然生成説で、つくるのではない、この衝撃によって、よく言われる「水が低きにつくように」ごく自然に生まれてくるものが最善であるという考え方が基本にあるんです。 これは実は、全共闘にもあるんですよ。 壊せば、よりよい自然の秩序が生まれてくる、という……。

2015-01-29 18:39:00
山本七平bot @yamamoto7hei

⑬【岸田】つくられた秩序というのは、おおむね日本人にとってはいけないものなんですね。 【山本】これは前に言った朱子学の日本的受容の場合と同じで、日本の社会で本当に機能している秩序というものは、つくられたものではなく、自然発生的な下部組織なんです。

2015-01-29 19:08:55

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