宮本大人「速度と重力、名前と音声」(イメージ文化史WS「マンガ、あるいは「見る」ことの近代」第3回)感想・コメント集

早稲田大学・イメージ文化史ワークショップ「マンガ、あるいは「見る」ことの近代」第3回「速度と重力、名前と音声-大正末から昭和戦前戦中期における子供向け物語漫画のキャラと空間」(2015年3月6日)についての感想、コメントをまとめさせていただきました。質疑の時間があまり取れなかったので、ありがたく思っています。みなさんのコメントも参考に、引き続き調査研究を進めたいと思います(宮本大人)。
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伊藤 剛 @GoITO

主人公の行動や心理の必然性とか、設定上のもっともらしさ、シナリオのレベルでの整合性など微塵もなく、なんの説明もなくヘンテコなことがヘンテコに起こり続けることのたのしさ。それは「失われてしまったもの」だし、今後「マンガ」がそのままの形では取り返すことのできないものだろう。

2015-03-07 10:51:18
鷲谷花 @HWAshitani

@GoITO あまり映画史に引きつけて考えすぎてもよくないのですが、「アトラクション映画」(観客を興奮させる刺激的な眺めやイベントを次々繰り出すことを重視する形式)から「物語映画」(因果性と一貫性をもつストーリー進行を重視する形式)へという映画史上の区分にも対応するように思います

2015-03-07 10:54:59
伊藤 剛 @GoITO

@HWAshitani 時代的にも一致するのですか?

2015-03-07 10:55:58
鷲谷花 @HWAshitani

@GoITO 「アトラクションの映画」が1906年頃まで支配的で、「物語映画」は1910年代に急激な洗練を遂げた、というのが英語の映画史の一般的な記述ですが、地域とジャンルによって大きく違ってくると思います。あと、映画の流行がマンガに入ってくるまでにもかなり時差があるかとも

2015-03-07 11:01:21
伊藤 剛 @GoITO

@HWAshitani ありがとうございます。技術的な水準の変化(上映、印刷出版等)ともリンクしていそうですね。

2015-03-07 11:03:08
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

昨日の宮本大人さんの講義、聞きた過ぎたが、フィールドワークと重なってしまい断念。もう15年目になる静岡県水窪西浦の田楽の調査に来ている。

2015-03-07 11:22:04
LACOPEN(Kazuhisa Hiramatsu) @lacopen

早大「イメージ文化史」宮本大人さんの発表「速度と重力、名前と音声」は昭和前期日本マンガ研究の第一人者であり現代日本のマンガ研究の屋台骨を支えてきた宮本さんがその関心領域の全体を開陳したえらいボリュームの発表で、昭和前期のマンガが多様な表現の実験場であったことを実感したのでした。

2015-03-07 12:25:43
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

宮本大人さんの発表、わくわくするような資料が目白押しだったのだが、それぞれの資料について表現上のポイントをサクッとつかまえた上で、その表現がマンガ史において持つおもしろさを的確に示していく手際のよさがすごかった。今さらなこと言うけど、マンガを読むのが巧い!!

2015-03-07 15:39:39
藤本由香里 9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

昨日の宮本さんの発表、とてもとても面白かった。とくにフレーム外の言葉や、音と時間の話が、自分の関心領域ともかぶるので(というか、そこに新しい視点を開かれた)聞いていて興奮しました。あ、じゃあアメリカではここのところを調べてこよう、とか、触発されるところが大きかったです。

2015-03-07 20:25:05
鷲谷花 @HWAshitani

『Playing The Race Card』から『On The Wire』のウィリアムズ先生の議論でいうと、手塚治虫の『地底国の怪人』は純然たる「メロドラマ」ですわね。社会のあやまちと誤解により窮地に陥った犠牲者の徳が最後に認知され、それが「遅すぎた!」ために涙が流されるという

2015-03-07 20:47:13
鷲谷花 @HWAshitani

『地底国の怪人』の画期的なメロドラマ力の高さに対し、昭和戦前戦中の児童漫画には、「メロドラマ」(社会のあやまちの犠牲となった無垢なる者が最後に正しく認知されることで、損なわれた正義が回復されるかもしれないという希望がもたらされる)への抑圧がはたらいていたかもしれない、とも思う

2015-03-07 21:16:30
鷲谷花 @HWAshitani

「児童を歪める文化」カテゴリーには、しばしば「新派」だいたい即ち「メロドラマ」が入っている。「正義は損なわれ、あやまちが社会を覆い、認知されず救済されざる犠牲者がいる」というメロドラマの前提は、「正義の國日本にいられて幸せ」という昭和敗戦前児童向け物語の世界観と衝突するかも

2015-03-07 21:21:14
鷲谷花 @HWAshitani

『地底国の怪人』が、シロートぽい作品に見えてもメロドラマ力はやたら高いのは、「損なわれた正義」「犠牲者への社会の誤った仕打ち」「正義を回復するための奮闘」「誤解されていた犠牲者の正しい認知」というメロドラマ的物語の軌跡が、耳男の変身の各段階で明快に視覚化されるからでもあるのかな

2015-03-07 21:54:02
鷲谷花 @HWAshitani

社会が間違っているおかげで「見えなくされている」犠牲者の存在、犠牲者の徳を、改めて「目に見えるようにする」ことで、損なわれた正義が取り戻されるかもしれない、という展望をも「見せる」、「メロドラマは見た目がすべて」。―これはピーター・ブルックス先生のごほんにあったかいな

2015-03-07 22:03:17
新美ぬゑ @nue213

昨日の宮本先生のワークショップは、「これ欲しいなー!」ってのが一杯あって、コレクターにとっては楽しくもあり悩ましくもあった。(難しい話はあんまり興味が無い)

2015-03-08 00:15:03
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新美ぬゑ @nue213

夏目先生も書いてるけど、あの手の赤本は宮本先生が選んで紹介するから面白いのであって、実際買ってみるとそこまで面白いのは少ないし、満足感も薄かったりする。しかも結構イイ値段が付いてたりするので期待して手を出すと痛い目にあう。 blogs.itmedia.co.jp/natsume/2015/0…

2015-03-08 00:30:24
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