【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】

島薗進 @Shimazono

０【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】被ばく防護措置をとらずに「心のケア」を説く体制が事故後早々に作られたことを示す重要論文紹介中。１）togetter.com/li/791941、２）続１togetter.com/li/792434

島薗進 @Shimazono

１【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】3月14日付の福島県文書の問題点。「しかも、この配布文書ではヨウ素剤のことに一切触れておらず、住民は放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを軽減するチャンスを福島県の対応により失っていたことになります。」

島薗進 @Shimazono

２【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】「この文書が配布された3月14日以降、福島県を含め近隣県は本格的な放射性雲の飛来により広範な汚染と被ばくを被ることになります」安定ヨウ素剤の服用については3月13日の段階では確かに議論されていた。

島薗進 @Shimazono

３【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】スクリーニングは線量が高かった場合、除染するとともに安定ヨウ素剤の服用を指示するために行われることがそこで確認されていた。これは図１に引用されている3月13日付文書のメモに手書きで記されている。

島薗進 @Shimazono

４【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】以上、3月14日付の福島県の文書はあまりにも問題が多いが、事故直後の緊急時で混乱していた時期ということも考えなくてはいけない。だが、その後の展開は、緊急時の判断を是正する方向には向かわなかった。

島薗進 @Shimazono

５【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に…経緯・続２】3月20日付、原子力安全委員会「除染のためのスクリーニングレベルの変更について」という文書。こちら→　　nsr.go.jp/archive/nsc/ad…　これも大胆な決断（根拠ない破断）に基づくものだ。

島薗進 @Shimazono

６【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上…経緯・続２】ここではなぜ基準値を10万cpmに引き上げたのかの理由は伏せられている。これを受けた3月21日の厚労省文書「事務連絡 放射線の影響に関する健康相談について」も同様。goo.gl/udTtxS

島薗進 @Shimazono

７【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上…に関する経緯・続２】原子力安全委員会の3月20日付文書には「当該レベルは、健康に影響を及ぼす量ではなく、スクリーニングの目的を十分に果たすことができます」という断言に従えば、ヨウ素剤の服用も不要ということになってしまう。

島薗進 @Shimazono

８【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】「安心」が優先され、必要な医学的保健的対応をとる必要がないものとするもの。福島県の誤った判断を原子力安全委員会が追認し、権威づけたことにな。そして厚労省3月21日付文書の別紙には次のようにある。

島薗進 @Shimazono

９【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げ…経緯・続２】「10万cpm未満→保健師が心のケア等を実施し、説明後帰宅」加えて「避難・屋内退避圏から来た又は通過した場合」以外はサーベイメーターによるサーベイすら不要で「保健師が心のケア等を実施し、説明後帰宅」と。

島薗進 @Shimazono

１０【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値…経緯・続２】被害防止対策を指示せず「心のケア」を指示した。「10万cpm（すなわち1歳児甲状腺等価線量で1000mSvの水準）未満の被ばくについては、実害ではなく心の問題であるということをこの段階で既に決めていた」ことになる。

島薗進 @Shimazono

１１【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き上げと変質に関する経緯・続２】しかも、21日の厚労省文書では10万cpmを超えた人の除染も全身除染から部分除染へ簡略化されている。福島県の判断を原子力安全委員会が追認するとともに権威づけ、厚労省が安全判断を理由なく増幅した。

島薗進 @Shimazono

１２【見捨てられた初期被ばく―スクリーニング基準値の引き…経緯・続２】「10万cpmはサーベイメーターが振り切れるほどの「危険を示す尺度」です。それ事故後10日あまりの間に健康に影響がないことを担保する「安心の拠り所」にまで変質していたことをこの一連の経過は示しています」（続）