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あざらしサラダ @azarashi_salad
「震災がれき広域処理」とは 1-1:震災がれき広域処理のスタート 2011年3月14日に樋高剛環境大臣政務官が業界に送った協力要請 pic.twitter.com/vtXrSdaO7s
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 震災がれきを全国で受け入れよう、みんなで東北を助けよう。そうした声が震災後、日を置かずに広まった。
 震災がれきの受け入れを全国で初めて表明したのは川崎市だった。震災から間もない2011年4月7日、阿部孝夫川崎市長(当時)が福島県を訪れ、震災がれきを川崎市で受け入れて処理したい、と表明したのである。
 なぜ、川崎市が最初だったのか。市長の出身地が福島県だったからか。川崎市長の表明に先立つ2011年3月14日、震災からわずか3日後のこの日、樋高剛・環境大臣政務官(当時、民主党)は、全国清掃事業連合会に対し、がれき処理への協力を要請している。樋高氏は横浜市出身で、川崎市が選挙区。その関係で、まず、川崎市となったのか。
 理由はともあれ、阿部市長の受け入れ表明直後から、がれきに付着する放射性物質の汚染拡散を心配する住民から川崎市に対し、問い合わせや抗議が相次いだ。報道によると、13日午前までに電話や電子メールによる苦情は約1700件に達したという。

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1-2:最初に手を挙げた川崎市 1-3:福島のがれきを受入れて処理 2011年4月8日に発表された川崎市報道資料(1ページ目) pic.twitter.com/q0If0X1GGf
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 川崎市民だけでなく、東京都など近隣地域からも苦情が殺到した。当時は、野菜や野積みされていた稲わらなどから高濃度の汚染が見つかったことが次々と報道されていた時期である。「野積みの震災がれきも同様に汚染されているのではないか」と市民が思うのも当然だった。
 福島県から川崎市まで、どうやってがれきを運搬するつもりだったのか。当時の報道によると、阿部市長は訪問先の福島県で、「被災地の粗大ゴミは、貨物列車で運搬し、川崎市内の処理施設で焼却する。既にJR貨物と調整を進めている」との趣旨を語った。「福島県は地震、津波、原発、風評被害の『四重苦』に苦しんでおり、(福島で育った)自分も身を切られる思い。早期復興に役立てれば」とも強調したという。
 川崎市には中越地震の際、柏崎市の粗大ゴミを列車(コンテナ)移送し、処理した実績もある。さらに阿部市長は、福島県だけでなく、宮城、岩手両県からの要請があれば、これにも応じるとの考えを示している。

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1-4:資料(4頁)の内3頁が市長の写真 放射性物質について検討した形跡は皆無 2011年4月8日に発表された川崎市報道資料(残り3ページ) pic.twitter.com/KRFlfgMJdp
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 この問題には、最初から「市による情報提供不足」が横たわっていた。それを端的に示しているのが、川崎市長と福島県知事の会談を受けて4月8日に公表された川崎市の「報道発表資料」である。
 驚くべきことに、この資料には、放射性廃棄物の扱いについて検討した形跡がどこにも見当たらない。それどころか、4ページの資料のうち3ページにわたって市長の写真を載せていた。市民の苦情が1700件に及んだのも当然だったといえよう。
 放射性廃棄物の扱いについて何も検討しないまま、安易にがれきの受け入れを表明した市長。市長の指示を受けて、「市で処理します」と安易に発表した川崎市。
 そして「普通のゴミ処理場で放射性廃棄物を処理するのは問題ではないか」との指摘が押し寄せる中、あわてて新たな「見解」を出し、「放射性廃棄物の処理は当初から予定していないので冷静に」と発表したのであろう。
 一連の川崎市の騒動は、行政のミスだったと言って良い。そうでありながら、がれき処理の不備を指摘した市民に対し、市は「誤解してクレームする市民が多くて困る」と報道機関に説明し、責任転嫁しようとしたのが、川崎がれき騒動の本当の姿だろう。
 ところがこの間、市民の不安や苦情に対し、マスコミ報道は「放射性廃棄物を川崎市に持ち込むという事実誤認によって、市民の苦情が殺到している」という見方を崩さなかった。「デマに踊らされた市民」と決めつけたわけである。
 市民の不安や苦情が「デマに踊らされている」とされ、そうした声を上げる市民が「悪者」にされていく。
福島原発をめぐって後に種々の局面で繰り返されるこの構図は、すでに震災翌月の川崎市でも見られたのである。

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1-5:放射性物質汚染対処特措法(概要) 2011年8月31日に成立し、2012年1月1日から施行 8000Bq/kg以下は「放射能汚染されていない廃棄物」として処理が可能となった(既成事実化) pic.twitter.com/dqsR5Fnh6y
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 放射性廃棄物の処理は、解決すべき課題が山積みである。事前の調査や法制度の研究などを疎かにしたままで実現できるほど簡単な話ではない。
 実際、環境省は2011年5月、「災害廃棄物安全評価検討会」という有識者会議を立ち上げ、議事録を公開しないまま(注:現在は第8~11回を除いて公開中)、放射能に汚染された廃棄物の処理について密室での検討をすすめる。
 その議論に基いて政府は同年8月になると、震災がれきを広域処理するために必要な特別措置法を国会に提出した。(この法案は、政府の有識者会議で内容を検討していたが、なぜか議員立法として国会に提出された。)
 法案は成立したが、これが後々、大問題になる。この特別措置法こそが、放射能汚染された廃棄物を全国の一般廃棄物処理場(家庭ゴミ処理場)で焼却し、埋立て処理するための根拠法になったからだ。
 特別措置法は、震災がれきだけでなく、除染廃棄物も対象にしている。さらに今後は原発の廃炉作業に伴う廃棄物にも波及してくるだろう。
 つまり、日本列島の至る所が核のゴミ捨て場になるかもしれない、重大な内容を含んでいる。「脱原発」を考える人々だけでなく、全国の住民が知っておくべき問題なのだ。

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1-6「広域処理体制の構築」要請 2011年4月8日に環境省が各都道府県知事に送った協力要請 2011年4月8日に近藤昭一環境副大臣が各都道府県知事に送った協力要請 pic.twitter.com/h0n1BqFwV7
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 川崎市での騒動が続いていた2011年4月、愛知県でも同じような動きが出ていた。大村知事ががれき受け入れを表明したのは、川崎市よりやや遅れた4月25日だ。定例記者会見の席上、愛知県内で受け入れを検討すると発言したのである。
 これに先立つ4月8日、愛知3区選出で名古屋市出身の近藤昭一環境副大臣(当時)が、各都道府県知事に対してがれき処理の協力を要請していた。その後の4月22日、大村愛知県知事は宮城県を訪問して村井嘉浩知事と会い、がれき処理に「最大限協力する」と正式に表明している。
 報道で大村知事発言が伝わると、愛知県にも苦情や抗議が殺到した。実は川崎市の場合と同様、愛知県も受け入れに際し、「放射能に汚染されたごみが持ち込まれることはない」と説明するだけで、受け入れ基準や処理方法など、具体的な内容を説明してない。
 具体的な内容を明らかにしないまま、受け入れのみ既成事実化しようとする政府や愛知県に対し、住民たちが行政の不備を指摘しただけであり、この点もまた川崎市と同じだった。

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「広域処理」という公共事業 2-1:災害廃棄物処理特措法(概要) 2011年8月18日に成立し、2011年12月16日から施行 2015年1月 環境省は「災害廃棄物処理特措法」を恒久化する法改正を検討中 pic.twitter.com/B955anV0Qx
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2-2震災がれき処理予算(1.1兆円) 広域処理は予算規模1兆円の公共事業 中部国際空港(9967億円)の整備に匹敵 pic.twitter.com/O4dDUHe1GJ
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2-3:環境省による強引な調査 2011年10月7日に環境省が各都道府県に送付した「事務連絡」 住民や自治体に情報非公開 「調査要領」(別紙)は「受入れ」しか選べない「三択」 pic.twitter.com/i5riZ6Yv9F
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2-4:震災ガレキは複合汚染 震災がれきの化学物質汚染 「化学物質の影響 東北地方太平洋沖地震と津波による汚染と除去」(米国国立衛生研究所資料) 「東日本大震災 被災地のアスベスト」(中皮腫・じん肺・アスベストセンター資料) pic.twitter.com/IJIUYivsDL
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2-5:震災がれき処理予算(1.1兆円)(2011~2013年度合計) 補助金86%、基金9%、地方負担5%(特例により全額国負担) 三鷹市に震災復興特別交付税4.6億円 2012年2月に入手した2011年度補正予算資料(三鷹市) pic.twitter.com/CZRGq4e5W4
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「広域処理」の必要性を検証 3-1:巨大な広告費による大プロパガンダ 2012年3月6日の朝日新聞朝刊(全面広告) 請負者:博報堂(9億円) pic.twitter.com/SKFfeIJXRw
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3-2:がれき総量の見直し(420万㌧減) 2012年5月21日に公表された環境省資料 土砂や農地を「がれき」として処理(2012年5月18日のNHK報道) 復興、土が足りない、がれき活用(2012年5月4日の朝日新聞報道) pic.twitter.com/Nbx3ekT6eJ
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3-3:川崎市「がれき受入れ」見直し(2012年5月17日の毎日新聞報道) 3-4:愛知県のがれき受入れ中止(2012年8月24日の中日新聞報道) pic.twitter.com/PvBDecqpUV
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「広域処理」の陰で流用される「復興予算」 4-1:杜撰な「がれき処理計画」(「がれき広域処理の本質的な問題」より 池田こみち(株)環境総合研究所顧問作成) pic.twitter.com/tfXzwfmYZq
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4-2:当初の「がれき処理計画」 2011年12月6日に環境省が公表した資料「災害廃棄物の広域処理」 処理施設の不足で、処理しきれない災害廃棄物。のはずが・・・ 2012年4月19日にテレビ朝日で放送した環境省廃棄物対策課山本課長 pic.twitter.com/Tzr3yNpE4o
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4-3:そのわずか1月後→がれき総量の見直し(420万㌧減) 2012年5月21日に公表された環境省資料 減り続けた「がれき総量」(2012年11月16日時点の環境省「がれき処理データサイト」) ついにHPから消えた「がれき総量」 pic.twitter.com/kwkkdqevrZ
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4-4:総量が減る一方、減らない「広域処理必要量」 「みんなを騙して広域処理」by環境省 pic.twitter.com/otM3RlPMT9
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4-5:広域処理に拘る理由→循環型社会形成推進交付金(復旧・復興枠) H22年度までは一般会計のみ、H22年度の事業仕分けで大幅予算減 H23年度から復興予算を流用して復旧・復興枠を新設 pic.twitter.com/7XJJvQhC0u
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4-6:循環型社会形成推進交付金(復旧・復興枠)の交付方針 被災地以外にも復旧・復興枠の申請を推奨 震災がれきを受け入れなくても返還不要 「震災復興特別交付税」により地方負担分が免除 pic.twitter.com/sMllMv0qKO
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4-7:復興予算で建設したごみ処理施設 クリーンプラザふじみ(東京都調布市)→復興予算からの補助金:50億円 高岡広域エコ・クリーンセンター(高岡市)→復興予算からの補助金:54.4億円 pic.twitter.com/jSx57WQqEt
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