【冬E4篇:碧花絢爛】前篇

焼き鳥製造機の辛辣なお言葉と 女の子の部屋に不法侵入した提督。
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葛葵中将 @katsuragi_rivea

硝煙と煙幕が混じりあい…視界は不良。 味方の姿は見えずとも、砲撃の音がその健在を示す 黒き影と正面から対峙する碧彩色の艤装の少女 矢をつがい、弦に手をかけ…引く。 揺らぎが伝わってくる

2015-03-21 01:57:08
葛葵中将 @katsuragi_rivea

心で恐怖を一喝し、身構える。 息を止め、その刹那の好機を逃すまいと敵を見据え覚悟を決める …春風に舞う花びらの如し光を宿すその瞳には一切の迷いも…なかった 「本当の力…お見せします!」 【冬E4篇:碧花絢爛】

2015-03-21 01:58:26
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 …後に海軍丁事件と呼ばれるその海戦は勃発する 二月某日。トラック泊地は敵の強襲を受けた 泊地近海に現れた潜水艦群。敵空母からの空襲を受け一時は壊滅的打撃を被ったトラック泊地だったが… 本土、及び他泊地から有志が結集ーーー

2015-03-21 02:00:23
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 精鋭達により、連合艦隊が結成され 敵強襲部隊旗艦艦隊… 「軽巡棲鬼」 此れの撃破に成功し、海軍は反撃に打って出る。 接近中の敵機動部隊の捕捉、及び主力艦隊の撃滅作戦が展開された。

2015-03-21 02:01:59
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 トラック泊地に遅れながらも到着する葛葵艦隊にもまた、同作戦を遂行するよう命令が下ったのだった… 敵機動部隊戦。彼女達の最も得意とする分野であるがゆえに白刃の矢がたつ。 彼女達の司令官である葛葵はこれを承諾。作戦は開始された。

2015-03-21 02:02:50
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 トラック諸島近海、天候は「天気晴朗ナレドモ波高シ」 入道雲が水平線から屹立していた 吹く風がその景色を波音でざわめかせる。 次の瞬間… 巨大な爆発と多数の水柱が、全てを吹き飛ばし、景色は一変する

2015-03-21 02:03:59
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 雷撃。艦上攻撃機から放たれたそれは薄い青を宿した眼をする二つの影に命中。 片方は船体を真っ二つに割り、黒煙と供に海面からその下へとゆっくりと沈んでいく 片方は命中こそすれ致命傷には至らず、炎を纏い煙を上げているが海上にその姿を残していた

2015-03-21 02:05:14
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 金剛「Shit!敵残存兵力。残り五! 加賀ぁ!よそ見してましたネー!?」 異国の言葉を交え叫ぶ高速戦艦、金剛。その問の先…本人である加賀は表情を変えることはなく ただ黙々と第二次発艦の用意を進める 加賀「…」

2015-03-21 02:06:08
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 彼女達の他に四隻、陣形を連ねそれぞれが両舷全速で前進する 重雷装艦木曾。駆逐艦磯風、初霜。 そして… 航空母艦、龍鳳。 最後尾を進む彼女の顔には不安、焦燥、そんな色が伺える 心に引っかかるものを拭えず作戦へと参加していた…

2015-03-21 02:06:49
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 作戦前… 移動式艦隊司令部室兼艦娘輸送艦。通称:艦娘母艦。 その甲板にて懇談が行われていた。 今回、作戦の責任者にあたる葛葵と…自ら参謀を志願し補佐にあたる蹠球。 この二人によるやり取りが繰り返されていた

2015-03-21 02:08:28
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 蹠球「しかし、ひやちゅーさんが遅れてくるなんてね…」 りべ「…猫に襲われたんですよ。察してくださいな(;´∀`)」 鹿屋基地はトラック泊地が強襲された同日、謎の猫の群れが押し寄せ混乱に陥った。 これに関しては以前の事例を参照とする

2015-03-21 02:09:18
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 蹠球「それは…大変だったね… 俺もさ、ちょっと前までそんなことばかりでさ( TДT) 周りに置いてけぼりくらってぐぬぬってなって…もうほんとやんなるぐらい…」 りべ「ねこぱんさん(;´∀`)?」  蹠球…彼はネガティブである←

2015-03-21 02:10:03
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 辺りを見渡す素振りを見せ気恥ずかしそうに咳払いをし、蹠球は落ち着きを取り戻す。 蹠球「コホン…それで作戦のほうだけど…うちから金剛と加賀達を連れてきた 俺は今回補佐に回るから是非使ってやってくれる?」

2015-03-21 02:10:47
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 甲板の上には艦娘達が何名かいた。 母艦護衛や支援に回る者と作戦に参加する者を分けるため何人か彼らが選抜し連れてきていた その中から蹠球が目配せをした先に笑顔で手をひらひらと振る巫女装束のような姿の高速戦艦… 金剛の姿があった

2015-03-21 02:11:37
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 明らかに他の艦娘達とは纏うオーラが違う。直感で葛葵はそう感じた。 彼女の左手、薬指には指輪が輝いていた りべ「(…頼もしいな(*‘ω‘ *)…)」 そんな考えを巡らせていると彼らに近づく姿が一つ。 重雷装艦木曾だった。

2015-03-21 02:12:16
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 木曾「あんたが蹠球の旦那か。よろしく頼むぜ。うちの指揮官サマは頼りないからな…どうか面倒を見てやってくれ」 蹠球「そうだね、任せておけ( ´∀`)bグッ!」 冗談混じりに話しかけてくる木曾に蹠球もまた笑みを浮かべそれに応える

2015-03-21 02:13:13
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 蹠球「…?木曾、お前だけか?」 蹠球は辺りを見渡す。葛葵艦隊の主力である艦娘が何人かその姿が見当たらない りべ「翔鶴は雪花艦隊の支援。でも、すぐにこちらの支援艦隊に合流しますよ(*‘ω‘ *) 神通と霧島は…咆哮の旦那に貸し出しました」

2015-03-21 02:14:17
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 木曾「例の新型深海棲艦の相手、だな」 葛葵と蹠球が臨む機動部隊の捕捉はいわば前哨戦。 空母棲姫を含む敵機動部隊とは別に敵主力艦隊の存在が確認されていた。 神通や霧島はそちらの作戦に回されたのだと蹠球は察した。

2015-03-21 02:15:43
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 りべ「頼りないところは否定してほしかったんですけどねぇ…」 タイミングを逃し言えなかった不満を小声で葛葵は言う。 それを木曾は呆れ顔で受け流す そんな和やかなムードで進む両艦隊の懇談だったが…それを一気に冷やす出来事が甲板の端では起きていた…

2015-03-21 02:16:37
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 事の始まりは二名の航空母艦の邂逅。 弓道着に似た艤装、青い袴。サイドテールが特徴の航空母艦加賀 碧彩色の着物のような艤装を纏う同じく航空母艦龍鳳と向かい合わせになっていた。 二人が言葉を何やら交わす。そして甲板上に大声が上がる

2015-03-21 02:18:23