【冬E4篇:碧花絢爛】前篇

焼き鳥製造機の辛辣なお言葉と 女の子の部屋に不法侵入した提督。
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葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 龍鳳は再び拳を振り上げ目の前に座る葛葵に打ち付けようとしたがそれは彼の左手に阻まれる りべ「…そっか…」 それだけ言うと彼は表情を変えた。 普段見ることのない顔に…

2015-03-21 02:40:32
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 ふう…と息を漏らし彼はぼそりと重いトーンで(おそらく本音であろうことを)口にする りべ「…どいつもこいつも後ろばかり見ているな…」 その目に普段の柔和な色はない。

2015-03-21 02:41:16
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 背筋に寒気が走る…そんな感覚すら覚えた。 おちゃらけている彼の姿からは想像もつかないような冷たい…その瞳に宿る怒りとも悲しみともとれない色。 だが、それを見たのは一瞬だけだった。 すぐさま顔を伏せ。顔を上げる時にはそれは消えていた。

2015-03-21 02:41:52
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 再び龍鳳に目を向け葛葵は口を開く その表情は真剣そのもの りべ「"過去"はそうだったかもしれない。 だが…"今"はどうなのかな?"航空母艦"龍鳳」 あえて口にしたのだろう。 自分に、言い聞かせるように…

2015-03-21 02:42:43
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 航空母艦?先ほどはその先輩である加賀から輸送艦呼ばわりまでされて… 過去?そして今とはどういうことなのだろう 在りし日の思いを胸に今も戦い続ける。 それとは違うのか 頭をフルに回転させても葛葵の言っている意味が理解出来ない。

2015-03-21 02:43:26
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 龍鳳は一番聞きたくなかったことを彼に問い詰める 龍鳳「…私を作戦から外しにきたんですよね?」 だが、問われた葛葵は首を横に振る。 りべ「…いや。ちょっとだけ話をしにきただけだよ」 そう言い葛葵は右手、三本の指を立てる

2015-03-21 02:44:09
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 りべ「龍鳳を作戦から外すつもりはない。 だが、その状態では不安だと思ってね… 今から話す三つのこと。 これを頭の隅でいい。心に留めておいてほしい。 そしたら私は部屋を出ていく。いいね?」 龍鳳は涙を拭きながら静かに頷く。

2015-03-21 02:44:53
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 りべ「… … …」 葛葵は立てていた指を順番に曲げ、言葉を口にしていく。 龍鳳「…」 そして最後の言葉を口にした後、手を下げた りべ「…話は以上だよ。今はわからないかもしれないけどね」 そう言い葛葵は腰を上げる

2015-03-21 02:45:25
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 りべ「…作戦が終わったら答えを聞かせてね(*‘ω‘ *)」 葛葵は部屋を出て振り返り龍鳳のおでこに人差し指をつく りべ「夕食が終わったら作戦の最終確認!サボるなよ?」 そう言い残し通路の奥に消えていった 龍鳳「…」

2015-03-21 02:47:14
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 龍鳳が見つめる通路の先には人影があった。 壁に背をもたれかけながら腕組みをしている 木曾「…よう。話は終わったか?」 視線に気づいたのか壁から離れ、木曾はこちらに近づいてくる 木曾「お前に謝らなきゃいけないことがある」

2015-03-21 02:48:14
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 木曾はポケットからカードのような物を取り出し龍鳳に見せる 木曾「母艦個室、各部屋のマスターキーだ。俺が普段管理してる。 …あいつに…龍鳳と話がしたいと頼まれてな…つい使ってしまった。 管理者失格だな」 木曾は頭を掻き苦笑いをする。

2015-03-21 02:49:14
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 木曾「お前に、預ける。悪かった…じゃ、夕飯でな。」 それだけ言いマスターキーを手渡し葛葵が消えていった同じ通路の奥へと歩き出していった。 その様子を見届けた後、部屋の扉を閉め。その場に座り込む 静寂が辺りを包み心を吹き抜けるかのようだった

2015-03-21 02:50:58
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 ふと天井を見上げ先ほどの葛葵の言葉を思い出す… (…私は一体なんなんでしょう…?) やはり答えは出てこない。そんな思惑とは裏腹に時は過ぎてゆく。 複雑な思いを胸に残したまま作戦の火蓋はきって落とされたのだった ーーー後篇へ、続く

2015-03-21 02:52:07