林檎さんとの会話4: ハリウッドまで1クリックの距離

(2010.1.26-2.6,12,25) Part 1. 林檎さん、@odg1967さんとのダーウィンと目的論の話 Part 2. 林檎さん、石岡@yishiokaさんとのドゥルーズの「選好」の話 Part 3. ハリウッド映画の話 Part 4. 1 click slang 続きを読む
0
@lingo_coffee

「ダーウィンの危険な思想」の9章が我が意を得たりという感じ。適応主義の文脈、自然が最善を目指すことを仮定する目的論的思考から、進化論はおろか生物学すら結局の所逃れられ得る筈は無いが、それを否定することに依怙地になる必要も無いのだ。問題は目的論自体ではなく、視座の取り方なのだから。

2010-01-26 07:19:53
@lingo_coffee

よくも悪くも「避けられ得ぬ目的論」の思弁性を明らかにすることによって、常に世界全体と目的論的世界との間に空隙が生まれる訳で、この空隙から世界に対する我々の二重性を如何に看取していくかという所に未来はかかってるんじゃないかなあ。

2010-01-26 07:28:32
@odg1967

「目的論 teleology」というのは因果連鎖を説明する際に「目的因 final cause」を重視する考え方で、その対義語は「作用因 efficient cause」を重視する「機械論 mechanism」だと思っていたのだけど……。

2010-01-26 07:51:27
@odg1967

だから目的論的世界観というのは、「ものごとには必ず特定の目的がある」みたいな運命論とか宿命論とは別物。たんなる説明の仕方の問題。

2010-01-26 07:52:45
@odg1967

藤原保信先生の影響下で語られる政治思想史において、目的論の代表がアリストテレス、機械論の代表がホッブズ。ホッブズは機械論的自然観を政治学に導入したひとという位置づけなので、デカルトの影響が重視されることになるし、ホッブズ政治理論の説明も自然観の検討から始まることに。

2010-01-26 07:55:27
@odg1967

外在的な作用因で説明するのではなく、組み込まれたプログラムのようなものの存在を前提とした説明を目的論と呼ぶのはアリだと思うのだけれど。

2010-01-26 07:59:28
@lingo_coffee

@odg1967 安易に言葉を選んでしまったかも知れません。パングロス的な側面が進化論にあることは事実ですが、あくまで進化論の根底になっているのは作用因(環境)と目的因です。問題は目的因の「中身」を考える際、過去と未来を直線で繋ぎ普遍的なものを見ているのではないかということです。

2010-01-26 08:21:37
@odg1967

@lingo_coffee 恐縮です。おそらくそういうことだと読んでおりました。目的論が云々される際に、非目的論的思考として何が想定されているのかいつも気になってしまう性格なので、ついつい。

2010-01-26 08:32:15
@lingo_coffee

@odg1967 いえいえ、こちらこそ改めて再考する機会を頂けて感謝しております。適当に呟いているだけだとついつい色んな物がコンタミしてしまうので…

2010-01-26 08:43:28
@lingo_coffee

宇宙に関するどんな説明も如何に正しかろうと、単に運動の内にある問題の再分配という視点からしたのでは、決して完全な物にならない…運動の内にある問題の特徴やその再分配の特徴は、累積的に目標を達成していく、つまり私達の知っている様々な価値の世界に累積的効果を及ぼす様な物だからである…

2010-02-05 15:52:28
@lingo_coffee

ジョンデューイって教育関係のイメージしか無かったけど、意外にも進化論の問題をこれ以上無く的確に表現しててびっくり

2010-02-05 15:57:11
@lingo_coffee

ユクスキュルの「生物から見た世界」がかなり面白そう。コクマガラスは静止しているキリギリスを認識出来ない。正確にはコクマガラスの世界に存在している<筈>のものは、それが静止している限りに於いてコクマガラスの世界には存在していない。

2010-02-25 00:24:36
@lingo_coffee

ゲーム音楽やディズニーのイベント曲は映画音楽家が担当することが多いんだけど、それは映画とシンパシーがあるからなのは勿論だが、それ以上に彼等の担当する映画やゲームがディズニーランド的だから、と考えた方がいいことに気付いた。

2010-01-26 07:44:17
@lingo_coffee

ディズニーの大規模ショーの構成については何らかの考察が加えられても良い気がするのだが、なかなか面白い説明が思いつかない…あれ程現代に於いて文字通り「マニエリスム」なものも無いと思うんだけど。まあ能登路雅子の本読む限り、欧米だとかなり研究されてそうではある。

2010-01-26 07:51:33
@lingo_coffee

というか滑り止めの存在が「第一志望」が成り立つ条件だからね。RT @tricken: …大学受験における「第一志望」っておかしいわ。経済学に〈選好〉って概念があるけど、そういう数理的な“分析”モデルでも導入しない限り、「あっちよりこっちに入りたい」みたいな話、成り立たない…

2010-01-26 09:16:42
@lingo_coffee

考えてみれば、指向よりも回避の上に成り立っている制度ではある。

2010-01-26 09:33:00
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

ドゥルーズがいう「消尽」では、選好が設定できない場面が問われている。ベケットの『ワット』における枚挙は、選好の空間を吟味し尽くす。そして『バートルビー』の"I would prefer not to"の"preference"が「選好」。

2010-01-26 09:29:35
@lingo_coffee

@yishioka 概念の的確な説明有難うございますw。あくまでも「消尽」を条件とする"既に尽きた可能事"として、また"not to"を条件として成り立つ様なものが「選好」であるとするなら、選好の本質はある種否定的なものに立脚せざるを得ないのでしょうね。

2010-01-26 09:45:03
@lingo_coffee

グールドのスパンドレル議論(スパンドレルは目的を持つのではなく単なるヴォールト天井の副産物に過ぎない、況や進化の過程をや)という議論に対し、スパンドレルもスキンチや他のペンデンティブとの「選択」である、と切り返す議論はマジ見事。

2010-01-26 10:11:21
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

@lingo_coffee ちょっと私の言葉が少なかったですね。選好を尽くすことが「消尽」です。そしてバートルビーは選好を「せずにすませたい」わけです。

2010-01-26 10:06:07
@lingo_coffee

@yishioka 選好が語られた文脈と、選好それ自体を混同して済みません。選好とはそれ自体は純に肯定的、意欲的なものであるということですね。

2010-01-26 10:17:06
Yoshiharu ISHIOKA @yishioka

@lingo_coffee ドゥルーズ本人は「選好が有効でなくなったところから」思考をはじめていたのではないでしょうか。だから全面肯定とは言い難いし彼の欲望概念は選好よりも広い。しかしこの脈絡を捉える際に「だから政治経済の議論には限界が」みたいに短絡するのはよくないと考えます。

2010-01-26 10:27:06
@lingo_coffee

@yishioka 確かに個人的には「回避と組みになった選好」「有効で無くなった選好」や「選好の土壌に乗りたくない」といった文脈上で選好を捉えがちですが、選好それ自体の指向性まで上述の文脈に回収してしまうのでは元も子もありませんね…

2010-01-26 10:41:25
@lingo_coffee

今のTLの速度だと半日に一回チェックしなければ追いつけないのだけど、4日離れた暁にはもう浦島気分…

2010-02-01 00:03:38
@ttt_ceinture

@lingo_coffee そんなときは邪気眼的に「どうせ大した話などしていない。本読んでた自分勝ち組」と割り切るのオススメ

2010-02-01 00:09:06
1 ・・ 4 次へ