【お玉さんの読書マラソン】「名探偵図鑑完読作戦」第5部

お玉さんの読書マラソン企画「名探偵図鑑完読作戦」第5部です。青山剛昌『名探偵コナン』単行本の付録「世界の名探偵」で紹介された名作を読んで「名探偵」を勉強し直そう!というお取組みの続き。第5部は、番外編の吉敷竹史から隅の老人、ルルタビーユ、三河町の半七、棟居弘一良、今西栄太郎、ギデオン・フェル博士、合田雄一郎、スティーブ・キャレラ、火村英生、朝吹里矢子までを紹介してらっしゃいます。(杉下右京は映像作品のため除外)
4
前へ 1 ・・ 25 26
お玉と毒のぬまち @ottama709

「贈る証言」 完全にネタバレですけど、そのおばあちゃんが裁判に出頭して証言するわけなんですよ。 朝吹里矢子シリーズって、ちょっとした間の悪さがドツボに嵌る作品、や、とてつもない悪意の表出を描くお話だらけで暗くて暗くて重たくて重いんですけど、ここに来て、こんな美しいエピソード。

2015-06-06 01:23:12
お玉と毒のぬまち @ottama709

「贈る証言」 裁判所なんかに行ったら死期を早めるだけなのに敢えての行動。事務的で冷静な藪原弁護士のバックアップ(ヘェ〜、こんな法律もあるのね)を前に置くことで、おばあちゃんが語る一言一言がよりあたたかくて、眩しく見える。 この世の中にいるのは、クソババアだけじゃなかったんだね

2015-06-06 01:23:55
お玉と毒のぬまち @ottama709

「贈る証言」 で、事件の真相として明示されるあまりにも邪悪な意志が、おばあちゃんの人間性から来た覚悟との対比となってるわけなの。 作家が若い時分では書き出せない、そんな領域下の感情のお話でもあるし、それでいてミステリ作家としての技巧をおろそかにしていない練り込みもあるんよ。感服

2015-06-06 01:24:31
お玉と毒のぬまち @ottama709

それ行け! 朝吹里矢子! その22 「十五年目の真実」 とある女性が死んで青酸カリのカプセルを飲んで死んだ。容疑者としてあがった男性は「十五年前」に彼女に頼まれ青酸カプセルを渡したことを告白する。女性が死に至った経緯は不明。殺人か? 自殺幇助か? はたまた時効成立?

2015-06-06 01:25:06
お玉と毒のぬまち @ottama709

「十五年目の真実」 一風変わった内容の事件を設定し、そこに法律的解釈をシミュレートする。といったよくある法律ミステリ。ただその事件を徹底的に掘り起こすといったところまでは行かず、実は別の何者かの意志が絡んでいた、というこれまたよくある法律ミステリのパターンでオとされている

2015-06-06 01:25:27
お玉と毒のぬまち @ottama709

「十五年目の真実」 完成度は悪くなく上手くまとまってはいるのだが、飛び切りの二短編を読んだ後なので、物足りなさがあるのも正直なところ。 うん、予想がついちゃう。先読みできる内容なのよね。 法律トリビアで取り扱われている「時効」も、ちょっと小難しい箇所を拾っているんだよなぁ〜

2015-06-06 01:25:49
お玉と毒のぬまち @ottama709

それ行け! 朝吹里矢子! その23 「五十年後の意志」 遠い先祖が残した、五十年後の未来に開示される遺言状に書かれていた内容。「金塊を柳の下に埋めているので、分けなさい」 しかし、その土地はすでなか後継者の手を離れており、他人の土地となっていた。

2015-06-06 01:26:45
お玉と毒のぬまち @ottama709

「五十年後の意志」 それまでの現実の手触り感が満載にあった三本の短編から一変、夏樹静子の茶目っ気たっぷりの無茶な短編がキターッΣ(゚д゚lll) そんな変な案件にもキッチリ法律的解釈や真っ当な処置と手続きを示してくれているわけだが、すっげぇフワフワした内容だのぉ

2015-06-06 01:27:29
お玉と毒のぬまち @ottama709

「五十年後の意志」 埋蔵金を追っかけている人はゼヒ読んで欲しい短編である。 しょうもない、ホンマにしょうもなさすぎるオチもサイコーだ( ´ ▽ ` )ノ

2015-06-06 01:27:44
お玉と毒のぬまち @ottama709

それ行け! 朝吹里矢子! その24 「離れの不審火」 少額の連帯保証人となった一家にまわってきた返済額は膨れに膨らみ一億を超えていた。債権取り立て屋が執拗に訪れて返済を迫る。 その渦中、離れが放火にあい、おばあちゃんが還らぬ人へ。更に疑惑の対象、債権取り立て屋も殺されてしまう

2015-06-06 01:29:11
お玉と毒のぬまち @ottama709

「離れの不審火」 『贈る証言』のラストは、またもや詰め込みすぎの濃ゆいミステリだ。 いろんな意味で救いのないお話で、「贈る証言」で垣間見せてくれた邪悪な意志を打ち払う人間の眩しさ、人間の善意を、真っ向から否定するような内容になっているのよね(>人<;)

2015-06-06 01:30:00
お玉と毒のぬまち @ottama709

「離れの不審火」 不審火のロジックだけを取り出すと真相への道筋の見せ方はかなりカッチリして巧みなんだけど、そこに乗っかっているドラマがあまりに重くて…… それを受けての債権取り立て屋殺しも、ノンキな立場に立って見れば「ああ、ナルホドね。やるなぁ〜♫」なんだけど……、くっ、ヒドいよ

2015-06-06 01:30:18
お玉と毒のぬまち @ottama709

「離れの不審火」 巻頭から楽しく読める短編集を「二つの真実」なみにドス黒い沼に突き落とす意地の悪さ。 しかも朝吹里矢子に、藪原 & 風見志朗以外の新しい男の影を示唆してるのに投げっぱなしでの終了ってタチが悪い。 こんなの読まされたら次の朝吹里矢子作品を期待するしかないヤン

2015-06-06 01:31:18
お玉と毒のぬまち @ottama709

しかし、次作への期待を増長させておきながら、2000年以降の夏樹先生の執筆作品数は激減しており(十冊も出してないのよ)、朝吹里矢子シリーズは未完となる可能性がかなり確実となっているのが現状だったりするんよね(>人<;) ああぁぁ〜〜

2015-06-06 01:31:51
お玉と毒のぬまち @ottama709

さて、朝吹里矢子シリーズの全短編レビューはこれにて終了! 「名探偵図鑑完読作戦」という読書マラソンおいて、ネロ・ウルフ & 鬼平犯科帳と並ぶ自分にとって最大級の収穫であり、「夏樹静子、ガンガン読まねば」という決意と「何で、今まで読んでなかったの」という後悔が募った読書になりました

2015-06-06 01:32:20
お玉と毒のぬまち @ottama709

今まで夏樹静子って、日本のミステリの歴史史上、スーパーメジャーに位置する、毒のない無難な作家さんだと思っていたんだよね。けど実態は、変な作家(超褒め言葉♫)の部類に属してるんじゃないかしら、という予感がヒシヒシと。たぶん高木彬光系統の作家さんなんじゃないかしら、とも。

2015-06-06 01:32:37
お玉と毒のぬまち @ottama709

朝吹里矢子、シリーズを重ねる毎にどんどん濃くなっていくんだモンなぁ。おかしすぎるわ(>人<;) 先にあげたとおりバランス重視でマイベストは『霧の証言』。 で、『贈る証言』→『花の証言』→『星の証言』と。

2015-06-06 01:33:33
お玉と毒のぬまち @ottama709

作品で言うと「贈る証言」「相続放棄の謎」「土地狂乱殺人事件」「パパを返して」「二つの真実」「沈黙は罪」あたりが自分の中での上位の四分の一。 けど、朝吹里矢子シリーズの場合、水準以下カナ? という作品が四分の一を下回った数しかなかったりするので……、割とどの作品も僅差だったりなのね

2015-06-06 01:33:55
お玉と毒のぬまち @ottama709

というわけで「朝吹里矢子」はおしまい! 次はコナンくんの52巻紹介の「中禅寺秋彦」なわけですが、一旦ここでインターバル。 明日より、毎年恒例の「本ミス大会参加作家様をリスペクト」を行いますよ♫ ふぅ、コレもまた地獄だよね( ´ ▽ ` )ノ ではでは〜♫

2015-06-06 01:35:11
前へ 1 ・・ 25 26