運命の少女

恐怖を乗り越え、人は気高さを得る
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雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

大井はあたりを見渡した。そういえば、あれほど大きな魔物が暴れていたにも関わらず、周囲にそのような痕跡はない。本当に幻だったのかもしれない 大井「それで提督、武器はいらないって…」 大井は呆れを通り越して感心してしまった。本当にとんだ試練だわ、と

2015-04-26 09:08:39
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

大井「…帰りましょうか」 ユー「…ハイ!」 二人は手を繋ぎ、互いのクリスタルを見せ合いながら出口へと向かっていった

2015-04-26 09:09:45
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大井「まぁ」 ユー「…そうですね」 洞窟の入口は氷で覆われていた。日没の時間から既にだいぶ経過している だが二人は絶望していなかった。大井は氷の破片を拾い、壁に打ち付ける 壁は、あっさりと砕けた この洞窟は確かに氷に覆われるが、それは突破できない程の厚さではなかったのだ

2015-04-26 09:10:25
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

大井「やっぱりね、そんなことだろうと思ったわ」 ユー「よかった…です」 瑠奈花「やあ、お疲れ様」 洞窟を出ると、そこでは瑠奈花が二人を歓迎した 二人がクリスタルを見せると瑠奈花は優しく微笑んだ 【おしまい】

2015-04-26 09:11:39
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後日談【運命の少女達】 〜司令船〜 大井「えっ、じゃあクリスタルは提督が仕組んだものなんですか?」 瑠奈花「そうだ。あの洞窟がクリスタルの産地だなんて嘘っぱちだ。これは私が作った人工クリスタルだよ。小さな炉とちょっとばかし知識があれば誰でも作れる」

2015-04-26 09:59:57
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

瑠奈花「この試練を思いついた時、あの洞窟はまさに最適な場所だった。そこでクリスタルを洞窟に隠し、それを取りに行かせることにしたんだ ユー、この試練における最大の罠は、君自身の中にある恐怖や不安といった感情なんだ」 ユー「恐怖…」

2015-04-26 10:00:26
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瑠奈花「如何にして恐怖を乗り越え、罠を切り抜けるかを試す試練なんだ。大井が一緒に行ったのは想定外だったが、結果的にはいい方向に働いたな。もし一人で試練に臨んでいたら、君は思いやりの心を手にすることはなかったかもしれない」 瑠奈花はユーの頭を撫でた。ユーは嬉しそうに笑っている

2015-04-26 10:00:48
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瑠奈花「そのクリスタルは試練を乗り越えた証。君はそれを使って、自分のライトセーバーを作るんだ」 ユー「えっ?」 大井「ライトセーバー…ですって?」 瑠奈花「そう、それはライトセーバー・クリスタル。光の刃を精製する神秘の石。君には、ライトセーバーを振るう資格がある」

2015-04-26 10:01:26
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

瑠奈花「期限は設けない。二,三日で作り上げてもいいし、一ヶ月、なんなら一年以上かけてじっくり組み上げてもいい。設計図もいらない。頭に思い描いた通りに、自分だけのライトセーバーを作るんだ」 ユー「…わかった…!」 ユーは静かにはしゃぎながら、自分のクリスタルを眺めていた

2015-04-26 10:01:54
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

大井「まさかこれがライトセーバー・クリスタルだったなんてね…」 大井もクリスタルをまじまじと眺める。ついさっきまではただの石にしか見えなかったが、そう言われてみると、これは非常に綺麗で神秘的だ 瑠奈花「…君も同じだぞ」 大井「え?」

2015-04-26 10:02:56
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

瑠奈花「君もユーと同じように、試練を乗り越えた。だからこそ、そのクリスタルを手にしているのだ」 大井「確かにクリスタルは手に入れましたけど…」 湖が凍るまでの間、大井は北上のことばかりを考えていた。自分で言うのもなんだが、完全に煩悩に溢れていたと思う

2015-04-26 10:03:23
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

瑠奈花「そのクリスタルはどこで?」 大井「地底湖の中心で取りました」 瑠奈花「なら、君はどんな形であれ忍耐を証明したことになるな。君は十分にクリスタルを、そして…ライトセーバーを手にする資格を持っていることになる」 大井は絶句した

2015-04-26 10:03:39
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

大井「私が…ライトセーバーを…?」 瑠奈花「そう、君もフォースに選ばれた… 運命の子だ。」 to be continued... next...

2015-04-26 10:03:57