死ぬのがこわくなくなる話 その4 「あなたを永遠にするシステム」

渡辺浩弐 @kozysan

@FAUST_editor_J ヤバそうでしょう!?　作りのヒドさと書いてあることのマトモさのギャップで、かえってあぶない印象を感じます。一応ソース見た限りブラクラやウィルスは仕込まれてないようですが。

kenkenken @ken3now

おっと、これは予想外の展開ですね。ツイッター上の思考実験だけではなく、他のサイトに飛び分析検証が行われるとは！　 RT @kozysan: ということで、連載の方向性を一時的に、転換する。このサイトのことを明らかにすることが、百万の考察に勝ると考えるからだ。これが悪い冗談だと..

渡辺浩弐 @kozysan

@ken3now はい、ただし人様のことについては学術的スタンスで調査検証として取り組みたいと思います。

St Luca 歬 @orememento

@kozysan 「ＳＨＩＮＥ」ここからきてるのかな？　シャイン・ダルガノ配列→http://t.co/iAa4osk

渡辺浩弐 @kozysan

@awaikumo これは重要な情報ですね。一言でいうとDNAのはじまりの機能、ということでしょうか。その名前が「SHINE」というのは、偶然でしょうが示唆に富みます。

memeJekyll@SHINE @memeJekyll

-528:00　 あと528ジカン　モンダイハッセイ　やはりカンサツのヒツヨウがある。

渡辺浩弐 @kozysan

『死ぬのがこわくなくなる話』始めます。一瞬TLお騒がせします。電子メデイア上の執筆の可能性を追求しています。もしご興味感じられたら。途中乗車どうぞ。

渡辺浩弐 @kozysan

連載を始めてから1ヶ月が経過した。ここでいったん、整理しておこう。まず、確認したい。あなたは、死にたくない。僕も同じだ。そこで、死なない方法を真剣に考えよう、と、いうところからスタートした。

渡辺浩弐 @kozysan

1.肉体については、人工冬眠という大がかりな方法でなくても、DNAレベルなら簡単に、ほぼ完璧に半永久的に保存できる。修復と再生は、未来に託せばいい。

渡辺浩弐 @kozysan

2.ただし、あなたをあなたと定義する「記憶」のアーカイブについては、新しいシステムを用意して今、行う必要がある。

渡辺浩弐 @kozysan

3.肉体、記憶、それぞれの方法をほぼ完成させて、サービスを既に提供している(らしき)団体のサイト「SHINE」を発見した。

渡辺浩弐 @kozysan

そして僕はこの「SHINE」運営元に問い合わせをして、取材を申し込もうと考えた。しかしこのサイトには連絡先が記されていない。これ以上深く知るためには、登録が必須だ。

渡辺浩弐 @kozysan

(ここから先には、この連載がなければ進んでなかったと思います。)

渡辺浩弐 @kozysan

試してみよう。捨てアド・偽名で申し込んでみよう。まずいと思ったら入金段階でキャンセルすればよいのだ。送信ボタンをクリックすると、やがて画面にこのような文章が表示された。

渡辺浩弐 @kozysan

「自分の金だけではなく他人の金を借りてきても、盗んできても良いとしたらあなたは24時間でいくら集めることができますか」

渡辺浩弐 @kozysan

返答を書き込む欄が点滅しているせいで、妙にせきたてられるような気持ちになり、あまり考えずに書き込んでしまった。すると次の質問が表示された。

渡辺浩弐 @kozysan

「自分が死ぬことを免れる代わりなら自分の子供2人、父、母、うち何人までを殺せますか」

渡辺浩弐 @kozysan

「過去未来問わず希望通りに生まれ変わることができるとしたら、どのような時代どのような場所を選びますか」

渡辺浩弐 @kozysan

そんな質問が、全部で10問くらい。最後に黒画面に白文字が浮かび上がった。「ログインの申請を受け付けました。審査の上、その結果を24時間以内にお伝えします」

渡辺浩弐 @kozysan

それだけだった。結果的には一方的に問いただされただけで、やはり何も手がかりは得られなかった。

渡辺浩弐 @kozysan

それから一夜明けて。差出人「SHINE」からのメールが来た。ロックされていたが、前日に設定した暗証番号を打ち込んだら、開いた。

渡辺浩弐 @kozysan

>渡辺浩弐様　大変申し訳ございませんが、厳正な審査の結果、貴殿の入会をお断りすることになりました。

渡辺浩弐 @kozysan

簡素な一文だったが、その時ちょっと心がざわついた。

渡辺浩弐 @kozysan

違和感の正体に気づくのに時間がかかった。知らせたはずのない僕の名があったことだ。そして返信を受けたのは記入した捨てアドではなく、僕がプライベート用に使っている、非公開のアドレスだったのだ。