少人数学級は費用対効果が低い、教員研修には効果がない…etc. ~ エビデンスベースの教育論
まあ結論としては「米国の結果を日本にあてはめられるわけないだろ、常識的に考えて」と変わらない可能性が高いが、(a)政策が各個人に与える効果に影響する要因をモデル化し、(b)要因がどう異なるか検討し、(c)その帰結としての予測される効果の違いを個別政策ごとに議論したいものですな。
2015-05-28 02:51:48各要因を個別検討するわけでないがざっくり(b)を見るために、(介入前の)非説明変数を観察できる変数で回帰した残差の分布が、実験を行った環境と効果を予測したい環境で異なるかをみるのが標準的なアプローチだと思う。確かHotz, Imbens, Mortimer (2005).
2015-05-28 02:54:00ただしこのアプローチは、外的妥当性に対し0か1の結論になり、もし分布が異なったら「あきらめたら?試合終了だよ」という結論になって先に進めないのと、観察数が小さいと分布が異なると言う仮説を棄却できなくてかえって外的妥当性があるという結論を出してしまいやすくなるという問題がある。
2015-05-28 02:54:53M.Gechter氏(Penn Stateに就職予定)は、その問題の克服を試み、あるRCTから得た政策効果の推定値を他の文脈に外挿する予想効果の上限下限を構築する方法を提案。実用性に関しても有名なフィールド実験のデータを使って検証。 people.bu.edu/mgechter/Gecht…
2015-05-28 02:55:25(脱線)この論文「簡単な例と直観」のセクションより数式のセクションの方がはるかに分かりやすい気がするのは私だけ?「簡単な例と直観」のセクションで苦闘したあとだからそう思うのかもしれないけど。何で例と直感が素直に飲み込めなかったか思うところを本人には伝えたけどまあ知らん。
2015-05-28 02:56:09研究報告を聞いた感じでは、この方法をそのままやったらよほど大規模実験じゃない限り上限下限の信頼区間が広くなりすぎて外的妥当性なんて何も言えなくなるんじゃないか、という印象を受けた(実際最初の応用例はそんな感じ)。もちろん、それ自体は重要な結果である。
2015-05-28 02:56:56ただ、その手法も米国と日本くらい違うものへの応用は無理してできなくはないが、想定していないような。変数がとる値の範囲が2つの文脈である程度重なることが重要で「国」はそれを満たさないので、最初の「米国の結果を日本にryないだろ、常識的に考えて」を論理的に却下するのは難しいかも。
2015-05-28 02:58:12アメリカはこうだから日本もこうだ!とは言えないわけで>_< ちなみにそのアメリカの教育改革も「エビデンス」に捉われすぎて「点数のための教育」になりつつあるとの声はだいぶ前からあがっている。 おっしゃっている「エビデンス」のエビデンスもちょっと??だ。 なんのための「エビデンス」?
2015-05-28 02:59:33教育において費用対効果を分析することは大切なことではあるが、それだけで政策決定すると判断すると非常に功利主義的な社会になってしまいますね。
2015-05-28 03:25:23つまり、費用対効果だけで政策決定をすると、「投資対効果がない」とされた方々を支援しなくても良いのか?という問題が生まれる。例えば、重度の障害を持つ方や高齢者など。
2015-05-28 03:27:24とはいえ、多くの人が「自分の経験」のみを根拠に「教育」を語っているのを見ると、教育政策に科学的根拠を求めるのは重要だとは思う。
2015-05-28 03:29:58「功利主義」の限界なんて数十年前に分かっていることなのに、実際の政策は「功利主義」にさえ届いていないということかな。
2015-05-28 03:32:56エビデンスベースの少人数学級教育のメリットについての政策決定とは、どこの誰の研究についてのことだろう? 「人数学級政策の教育効果の不都合な真実 赤林英夫 / 教育の経済学」synodos.jp/education/12530
2015-05-28 04:48:31早期教育の効果についての研究がすぐに幼児教育の無料化につながるのは何か飛ばしていると思う。社会階層の分化が著しい米英の研究で早期教育の効果が如実に表れるのは経済的に弱い階層そういった前提があらわれている日本の地域は一部 repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstre…
2015-05-28 08:31:33。低所得階層への乳幼児教育への補助は日本でも効果があがるだろうけれど、これらの論文を読んで富裕層は有限資源の経験値が高い成績優秀な教員をかれらの階層が通園する幼稚園へ招こうとする効果の方が高くなり、格差は開くのではないかしら。 repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstre…
2015-05-28 08:32:34少人数学級の効果は日本では小学校の国語能力にしかみられないのならば、財力がある私立学校はその路線でいけばいいのでは。でも、家庭教育環境が整った階層では、ほとんど差は観られないのではないかしら。 synodos.jp/education/12530
2015-05-28 08:34:48日本でも、低所得者階層の集まるダウンタウンでの教育で計測すれば、またこれらの結果は異なってくるのかもしれないけれど。でも少人数学級よりも、お昼ご飯を抜いてしまう貧困児童に昼食を与えるのが先ではないかしら。 synodos.jp/education/12530
2015-05-28 08:36:22十分財力がある階層は心理学の調査を元にして、優秀な教員を確保して早期乳幼児教育をするだろう。でも、財政危機にある日本国政府は、6人に1人の貧困家庭の子供達に富裕層が受けるほどの充実した教育環境は提供できないから、格差は拡がる pic.twitter.com/qh0p3BqODi
2015-05-28 08:41:24経済学は心理学よりも優秀だと思う。心理学はせいぜい知能指数との相関関係しか解明していないのでは。中室 牧子先生 「日本人の学力の違いは、遺伝で35%説明できる」 business.nikkeibp.co.jp/article/manage…
2015-05-28 08:48:02どうやって環境要因を差し引いたのかよく解らないけれど、遺伝で「学力」まで35%説明可能なら教育より婚活データベースとセカンドライフお見合いを国営してハイブリッド日本人作った方が費用対効果が高く経済的。 business.nikkeibp.co.jp/article/manage…
2015-05-28 08:52:19でもその肝心の知能指数が知能指数でしかないのが問題で。でも学力まで説明できたら影響は大きいかもしれない。--双生児研究で著名な安藤寿康先生「「知能指数は80%遺伝」の衝撃」 natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20…
2015-05-28 08:53:42いつのまに双生児法は経済学者が考えたことになったのか知りたい。「この問題を解決するために、経済学者が考えた才気縦横の手法が、一卵性双生児のデータを研究に用いるということである。」 business.nikkeibp.co.jp/article/manage…
2015-05-28 09:02:13独自環境ってなに??教育年数は環境因子では??--遺伝、環境、独自環境と学力・所得・教育年数 rieti.go.jp/jp/publication…
2015-05-28 09:18:14双生児法を使用した学術研究で楽天リサーチを使うって、ありなの?その精度は??それ以前に、楽天はどうやって双生児の一卵性と二卵性を識別した上でデータを収集し、その上で独自環境をどう調査しているのだろう? rieti.go.jp/jp/publication…
2015-05-28 09:25:26