メソポタミア美術を解釈するためには!

エジプト美術の解釈と、メソポタミア美術の解釈と、それらの説明。遠近法と写実的であること。文脈の違い。
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せがわ @segawa

ざっくりした「世界美術史」みたいな本で、エジプトやオリエントのことはどう扱われているか知りたくて何冊か積んでる。もっと言うと、結構「語られてる」エジプトと、「あんま分かんない」もの扱いされてる(ことが多いように俺の目には見える)オリエントの扱いの違いというものは見えるだろうかと。

2009-11-14 23:57:36
せがわ @segawa

てろてろ読んでて思うのは、エジプトのことは結構みんな断定口調で突っ込んだこと書くんだよね。「奥行き感を放棄して客観的、本質的なものを表現するという方針」なんてそれエジプト人言ってないよね。どこから持ってきた? 誰が最初に言った?(続

2009-11-14 23:59:30
せがわ @segawa

続き)そういう、「これはこういうものに違いない」っていう(立証不可能な)解釈が生まれた経緯ってどんなんだったんだろうと思う。というのも、そういう解釈、ストーリーみたいなものって、エジプトには与えられてるけどメソポタミアにはまだ与えられてないみたいだから。

2009-11-15 00:02:00
せがわ @segawa

まあエジプト美術はストーリー立てしやすいけどね。確かに。でもそれは既に語られているから思うのであって、メソポタミア美術だって誰かが語れば「なるほど!」ってなるかもしれない。まあつまり将来的には何かその一端を担いたいと思うなど

2009-11-15 00:05:06
市川絡繰 @awajiya

@segawa それはルネサンス遠近法からの帰納ではないかなぁ.遠近法の確立後の認識からエジプトを視るとそうなる.という.

2009-11-15 00:04:29
せがわ @segawa

@awajiya そういうことなのでしょうね。結局その私たちに分かりやすい文脈に当てはめてるってことでしかないのかもしれません。でもその文脈で通して説明されると、「確かになあ」ってなるのは、なんかすごい。一口で言うと、エジプトばっかり言葉尽くして説明されちゃって、ずるいぞ!とw

2009-11-15 00:07:06
せがわ @segawa

ああでも結局そういう「当てはめる」のも一長一短なんだろうなあ。分かりやすくなって取っつきやすくなるかもしれない、でも勝手な解釈をしちゃうことの害悪はもう言うまでもないことなわけで

2009-11-15 00:08:44
津崎 @l_tzk

それはヨーロッパにおけるエジプト美術研究の歴史が長いから RT @segawa: これはこういうものに違いないっていう(立証不可能な)解釈が生まれた経緯ってどんなんだったんだろうと思う。というのもそういう解釈、ストーリーみたいなものって、エジプトには与えられてるけどメソポタミア

2009-11-15 00:05:30
せがわ @segawa

@l_tzk そうなのでしょうね。メソポタミア美術の研究も、どんどん進んでるところなんだろうな、というのは感じなくもありません。

2009-11-15 00:12:20
津崎 @l_tzk

@segawa もっというとエジプトがイギリスの植民地だったからでしょうね。イギリスという国は文化研究の分野においてはまぎれもなく立派な国です。

2009-11-15 00:14:48
せがわ @segawa

@l_tzk イギリス人もフランス人もエジプト大好きですものね。社会情勢もあれですし、メソポタミアの方はやっぱりちょっと遅れがち……

2009-11-15 00:28:06
市川絡繰 @awajiya

@segawa 射影幾何学を基にした遠近法ってのは,既に確立されて,私たちはその「制度」を外れてモノを視る事が困難なので,その見方が通じるのはエジプトまで.ということなのかもですなぁ.メソポタミアはその視覚領域からさらに遠いので,うまいこと言えない.というw

2009-11-15 00:10:25
市川絡繰 @awajiya

メソポタミアを視るには,射影幾何学を基にした遠近法を外して視なきゃならないわけで,これは大概の人には出来ない.出来ないから説得力を持った論を進める事も出来ない.という.まぁ日本に喩えると,飛鳥仏を語る語彙は困難.というのに似ている.

2009-11-15 00:13:27
市川絡繰 @awajiya

エジプトの場合,プレ遠近法.と位置づければ割に簡単に語れるのだな.

2009-11-15 00:16:04
せがわ @segawa

@awajiya ううんなるほどそういう線もあるのでしょうか。難しいな。遠近法という手段がとられるかとられないか、それによりどんな価値観が窺えるか、というような解釈が、まず「制度」だということですよね?

2009-11-15 00:18:44
市川絡繰 @awajiya

@segawa そうですなぁ.いま私たちが「自然」に見えている遠近感てのは制度やらエピステーメーやらの産物でして,当然ながら評論もその制度内で語られ,理解されるものですな.

2009-11-15 00:22:53
市川絡繰 @awajiya

@segawa メソポタミアは,エジプトと違って,写実へ向かっているベクトルの途上,とは解釈出来ないのよねw

2009-11-15 00:26:54
市川絡繰 @awajiya

これは飛鳥仏と一緒なんだよな.写実へ向かっているベクトルの途上の古拙とは解釈出来ない.

2009-11-15 00:27:34
せがわ @segawa

@awajiya 人体のバランスは取れていくし動物なんかもすっきりとしていきますが、写実……というよりは様式として固まっていくという感じでしょうか。遠近法も、ある一定のルールはあったのだとする論文もありますが、やっぱり「写実」ではない。法則が違うんですよね。

2009-11-15 00:33:00
市川絡繰 @awajiya

@segawa そうですな.なので優劣を言えないのですよね.これが遠近法という規範|制度が前提に出来れば,どれだけ上手くそれが表現出来てるかで優劣がつけられます.ところが,それと違うパラダイムで,かつ技能が巧いから,いいとも悪いとも言えない.言えても説得力を持たない.ということで

2009-11-15 00:37:40
市川絡繰 @awajiya

(当然「写実」というのも遠近法に包含される概念である.つまりそれは対象をどの座標にプロットすれば正しいかという射影幾何学上の問題と解だからである)

2009-11-15 00:41:20
せがわ @segawa

@awajiya ああ……なるほど。すごくよく分かりました。 「彼らが何を表現しようとしていたのか」についても、前提が違うから技法が手がかりにならなくて、勝手なこと言うにしてもとっかかりがなくなってしまうのですね。

2009-11-15 00:51:43
せがわ @segawa

@awajiya 「飛鳥仏」がキーワードですね? ちょっと勉強してみます。

2009-11-15 00:35:18
市川絡繰 @awajiya

@segawa まぁあくまでも比喩ですけどね.日本の造形美術は遠近法が古拙→巧緻になって完成 という経緯を辿ってませんので.ただ,薬師寺聖観音に代表される初唐様式と法隆寺の飛鳥仏のように,殆ど時代差がないのに造形のパラダイムが全然違う.ということはあるのです.

2009-11-15 00:53:25
せがわ @segawa

@awajiya 大変勉強になります。お話できてよかった。

2009-11-15 00:57:32