宇宙世紀の艦船を語る騙るの続編2「ムサイ級巡洋艦」
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ムサイ。USSエンタープライズ号にヒントを得たとも語られる宇宙世紀艦艇のある種の原点にして金字塔。手堅いとすら感じさせる地球連邦のサラミス級と対極に位置するミノフスキー散布下の宇宙戦争を机上の論争で戦う姿を決められた汎用巡洋艦
2015-06-03 18:06:08最初のムサイは機動戦士ガンダムの前半でシャア専用と言う色物を挟みつつ強烈な印象を植え付けたアレ。全長234m、連装メガ粒子砲を背負い式に3基6門備え、船体前半側に全門斉射可能でありミサイル発射管も前方固定と完全に真っ正面を対敵姿勢に選んでいる。
2015-06-04 20:59:48前方から大気圏突入用シャトル「コムサイ」「主船体」「アングル部(兵装部)」「上部船体(MS運用区画)」「ブリッジ」上部船体から左右斜め下に伸びた「ブーム」を介して左右に1基づつの「メインスラスタ」と配置される
2015-06-04 21:04:22対敵姿勢が正面の割に前方投影面積が無駄に大きく感じるが、機敏な回頭能力、被弾時の被害局限に加えて中央船体後部(上部船体と左右のメインスラスタに囲まれた位置)に大型貨物や大気圏突入揚陸カプセルを牽引する目的があり、生産力が限定的だったジオン公国が量産する事にはそれなりの理由があった
2015-06-04 21:09:52上部船体は後面にシャッター開閉扉を有し、そこに3~4機のMSを収納運用したとされる。その他収納するだけならコムサイに2機までMSを収納可能な貨物区画があるが、これは「運用」を目的とした区画ではない為、冷却や整備が円滑に行い得るとは考えない方が良いのだろう。
2015-06-04 21:15:11しかし格納区画の高さはどう見ても高さ20mもない。15mも怪しい。屈んで発進が妥協案かも知れないが、UC劇中でのやり取りから「地球降下作戦用」艦船舟艇を除き、天地方向を無視した(と言うより推進軸で上下を規定した)寝台式搭載を主流に徐々に移行したと見るべきだろう。
2015-06-05 07:27:42結果、ザク系4/ドム系3を上限とした上部船体MS運用区画搭載数が4機に統一・安定を見たと解釈したい。そして続いて(作画ミスを発端とする)2砲塔型ムサイが登場する。これは主砲塔のみ3基から2基に減じたもので、簡易量産型とも呼ばれる。無論大口径メガ粒子砲の生産能力がボトルネックになり
2015-06-05 07:33:51船体があるのに竣工出来ない可能性があれば、艦政本部がそうした英断に至る可能性もあり(外惑星連合のゴーストが囁く)嫌いではない。しかしここは「鶏と卵」論争に「なってしまっている」として以下の説を開陳したい。
2015-06-05 07:38:27ジオン公国艦政本部は緒戦の各兵器、艦艇の費用対効果を分析した結果、ジオン公国宇宙軍は「よりMSに比重を高めるべきである」との結論に達した。ジオン公国の生産能力と何より人員調達能力は、大型宇宙艦艇の轟沈と言う数のまとまった戦死者数にこれ以上耐えられないと結論したのだ。
2015-06-05 07:43:23それは旧態依然とした砲撃戦用重巡洋艦「チベ級」の放棄だけではなく「ムサイ級」の運用能力の比重変更にも及んでいた。折しも「近い将来予想される地球連邦軍が投入するであろう対MS戦を優位に進める為に」と称して各MSメーカーが提示してきたスペックは、運用する艦艇側にこれまでにない水準の
2015-06-05 07:48:01整備補給能力を要求していた。それは「冷却」「推進材補給」「消費弾薬」「交換携行装甲板」はては「携行型ビーム火器の臨界メガ粒子充填」までが従来とは一桁違う値に達していたのだ。搭載区画の僅かなりともの拡張や艦自体のキャパシティを、既存艦艇の大幅な設計変更無しに実現するならばムサイ級の
2015-06-05 07:57:05メガ粒子砲を1基減じて、浮いた質量・容積・供給エネルギー量・排熱負荷を大型化・大出力化したMSの運用に充てると言うものだった。このタイプは第二次補充生産分から切り替えられ、徐々にムサイ級の主力となる予定だった
2015-06-05 08:04:18無論、この「ムサイ級」も全長などは変わらない。そして地球降下任務等がない場合はコムサイに替わり「補助MS区画」や「補給ユニット」などが接続される場合もあっただろう。ポケットの中の戦争に登場した「最終型ムサイ」は主砲塔が2基であり、MS運用を優先した「軽巡洋艦としての」最終型だ
2015-06-05 08:09:52この型(ワルキューレ等)の特徴は、従来のムサイ型とはうって変って「機動性」に更に注力している点だ。基本的なユニット配置に変わりはないのだが、中央船体後部に大型スラスターを配している。この事は重大だ。居住区画や弾薬などの搭載量を犠牲した他、大型貨物の牽引機能の比重が低下しているのだ
2015-06-06 17:12:45降下カプセルの搬送や、ニューディスサイズ紛争時のゾディアック輸送任務に用いる場合、増設したスラスタは死荷重となる一方で大型ミサイル発射管がオミットされており、対艦戦闘よりも(ザンジバル級と同様に)機動巡洋艦/MS母艦としての運用に重きを置いているかに見える。
2015-06-06 17:22:11特に、ムサイ型としては唯一縦長のMSハッチがあり、ザク系であればあまり窮屈な思いをせずに運用できる点もこの最終型ムサイの性格を表していると言える。だが、結果論ではあるが、これら2砲塔型ムサイは数的主流とは成り得なかった。
2015-06-06 17:34:57少なくとも「ジオン共和国」で運用されていた「ムサイ改」は3砲塔型の改修型(または2砲塔型を追加改修して3砲塔型としてから運用)が主力になっていた。背景として熱交換機能の強化など船体側の能力向上もあるかも知れない。(色々改修されているが、放熱板も増設されている)
2015-06-06 17:47:29では、何故2砲塔型ムサイの生産へのシフトが大々的に行われなかったのか?何故?謎だ、しかしその憶測の素材となるべき情報なら存在する。後期型ムサイと呼ばれる存在だ。一年戦争中を除くと最も多く目に触れたのはデラーズ紛争と呼ばれた時期であり、恐らくその期間に残存艦ほぼ全てが喪われている。
2015-06-06 17:57:57シーマ艦隊で、デラーズ艦隊で数多く運用されていたこれら後期型ムサイと呼称される宇宙巡洋艦は、実は軽巡洋艦では在り得ない。敢えて系統分類するならばチベ級の後を継ぐ「ムサイ級重巡洋艦」とでも言うべき存在だ。一見すると従来のムサイ級軽巡洋艦と基本構成は同一だ、しかし・・
2015-06-06 18:01:47主兵装に目を転じると、凡そ似ても似つかないコンセプトに基づく艦だとはっきりわまる。まず、MS運用区画だ。艦橋の下、上部船体に設けられているとは言え、それは前期型ムサイ級の上部船体から発進口を廃し、代わりにその両舷に1つづつ、合計2つのMS区画を設けているのだ。
2015-06-06 18:04:46その各々の上下面に設けられたスライド式整備架台が設けられ、最大8機のMSが上部船体に収納可能とされている。ハッチは前後の双方に設けられており非常に高い運用能力を与えられていると言ってもいい。(整備区画が極端に狭いと言う従前からの問題点は全く変わらないが)
2015-06-06 18:16:14【変わらないのはミサイル関係だろうか】大型ミサイルポッドはオミットされているかに見え(もしかすると、主船体の上に増設されているブロック先端に蓋がされた大型ミサイルポッド発射口にも見えるものがある)小型ミサイルは10個、元通り残されている。
2015-06-06 18:24:51MS関連と並んで大きな変貌を遂げたのはメガ粒子砲だ。これまでのムサイ級と同様にアングル部(兵装部)に3基の連装メガ粒子砲塔を備えている。しかし更に2基の砲塔が他の箇所に設けられている。都合合計5基10門にも達する。
2015-06-06 18:32:15