鈴メガバースくりへし ※燭へし要素有り(完結済み)

かたなのスズトの省エネモード @10dance_suzuto

発情期とは、業だ。一度、開花した花は萎れてゆくのみ他は無かった。最も鮮やか足る時間の短さを、人類のほとんどは知らなかった。きっと致し方ないことなのだと思う。それらはβからは隔離されていたのだから、人類のほとんどは実情を知る術など、持つ筈がなかった。だから、知らない。#鈴メガバース

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Ωの、人としての尊厳を持った生が、どれほどまでに短いものなのかを。子供を産むためだけの、その存在から切り離されたなにもかもから守るための法であったのかを。知らない。知らなかった。 彼の尊厳は二十歳の夏に死んだ。珍しくよく晴れた七夕の夜だった。 #鈴メガバース

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オメガバースくりへし楽しそうだなぁ。だが僕が書くと間違いなく人格崩壊に至る。(このへん参照) twitter.com/10dance_suzuto… twitter.com/10dance_suzuto…

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@10dance_suzuto ちょっとくりへしオメガバース妄想したところ、ハッピーエンド(ただし主観のものとする)になって真顔。

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@10dance_suzuto しかも燭へし要素も入りそうだよ……なんだこれ……なんだこれ……。

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@10dance_suzuto でも個人的には好きな形になりそうだから、帰ったら呟きたいなぁ。忘れなかったら。…忘れなかったら。

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@10dance_suzuto 数日前から呟く詐欺してたオメガバースくりへし呟きます。ちょっと忘れかけててｵﾛ…ってしてるけど呟きます。先に言っておきますと燭へしENDのハッピーエンド(主観)かつ、人格崩壊要素が含まれます。苦手な方はミュートでお願いします。

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@10dance_suzuto 俺と国重はいわゆるところの家がお隣さん同士の幼馴染だった。あっちの方が四つ上で同じ学校に在籍していられたのは小学校の二年間だけ。右も左もわからない俺へ甲斐甲斐しく世話を焼く国重の姿は断片的に覚えている。記憶らしい記憶が作動し始めたのは

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@10dance_suzuto バースデーケーキに立つろうそくが二桁になってからだった。惜しいことを、とは思う。けれど両家のアルバムには沢山の二人の記録が残されていて、ページを捲ればいつでも国重に会うことが出来た。まだ何も知らなかった俺と、何もかもをしっていた国重。

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@10dance_suzuto 幸福というものを容易く信じていた時代。無知であることは、取り返しのつかない悲しみと、得ることの叶わない歓びを内包していた。俺はずっとそのぬるま湯に浸っていた。そのあたたかさを国重にも分け与えられていたのだと、今は信じていたい。

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@10dance_suzuto 俺の名前は大倶利伽羅廣光。一人で生き、一人で死ぬ。そう決めた人間だ。

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@10dance_suzuto 大倶利伽羅廣光：長谷部とはお隣同士の幼馴染。βの両親の元、ごく平凡な家庭で平和に育てられた。四つ下。六歳の時に受けた性別検査でαと判明。 長谷部国重：廣光とはお隣同士の幼馴染。四つ上。元クリスチャンだが今は信仰を廃している。検査でΩと判明。

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@10dance_suzuto 長谷部は中学に上がると、遠くの学校に行ってしまった。寄宿舎付きの学校を選んだと聞く。当時、九歳だった俺はぎゃんぎゃん泣くようなことは無かったが、代わりに随分と荒れていたと聞く。返事はしない、食事は取らない、夜は眠らない、学校には行かない、両親は

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@10dance_suzuto それまで手がかからなかった分だけ、うろたえたと言う。今では笑い話にしてくれることをありがたく思う反面、まぁ、そうだろうな、と思ったのは口が裂けても言えない。それでも長期休みには国重は家に帰って来た。その期間、俺は国重にべったりだったし国重も

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@10dance_suzuto 俺といる時間は笑っていてくれた。時々、家の用事でいなくなる日もあったが、俺はかねがね満足していた。国重は帰ってこないわけではない。それに今は、とても便利なものがこの世には存在しているのだ。そう、パソコンと、映像を伴った通話機能。

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@10dance_suzuto 国重の学校は人の出入りには滅法厳しい反面、個々人のプライベートは尊重する気風だそうだ。学年の関係なく全員が個室を与えられ、パソコンや携帯電話の所持も許されていた。流石に学校への持込は没収の対象だったが、プライベートな時間においての使用は

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@10dance_suzuto およそ想像のつく寄宿舎とはかけ離れたレベルで、自由だ。だから俺と国重は、毎日のように夜の短い時間にパソコンを立ち上げて会話を交わした。国重は大体ずっと勉強をしていたり本を読んでいたりしたが、そこそこ饒舌だ。だが音楽を聴いているような時だけは

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@10dance_suzuto 心ここにあらずといった感じに、目を細めて聞き入っていた。勉強を教えてくれる国重も好きだったが、そんな国重を見るのも好きだった。俺だけの特権のように思えた。剣道部に入ったんだ、と嬉しそうに報告する姿を見て、俺も剣道部のある中学を選ぼうと決めた。

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@10dance_suzuto 別に、大会で国重に会えなくたって良い。そんなものは端から期待していない。ただ国重との話題が一つ増えれば、それだけで良いのだ。実際に中学へ上がってから始めた剣道は性分に合っていて、今でも時間を見つけて近所の道場を借りている。生涯の生きがいを

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@10dance_suzuto 与えてくれたのも国重だ。……目が覚めてからずっと俺の世界は、眩しいほどの光の中で、あいつが振り返って笑う姿だけで構成されていた。「悲しいことは何もない」最後に会った国重の言葉は、俺の生をがんじがらめに縛り付ける。これまでも、これからも。

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@10dance_suzuto 国重が中学を卒業する年、俺はいよいよ現実味を帯びてきた中学受験に頭を抱えていた。なんていったってαの子供だ。それ相応の教育機関を選ぶことも出来る。両親に聞いた。国重は今の学校をそのまま進学するのかと。俺にその学校を受験する資格はあるのかと。

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@10dance_suzuto 両親からの返答はなすすべの無いNOだった。そもそも国重の行った学校は特殊な身分の子供しか通えないし、そもそも国重自身も高校からはこちらの少し離れた私立へ通うと言った。……そうか、戻ってくるのか。戻ってくるのか、国重！自分の表情筋が