日本刀問題

武術、武道家を含めて刀剣学の知識もなくいい加減な事を言う人が多いので、刀についての解説を作りました。
50
前へ 1 2 ・・ 18 次へ
又四郎 @matamatamatayan

古流武術の竹内流開祖が城主を務めた一ノ瀬城が天正七年(1579)に落城していますが、この時の城兵は多くても70~80人と推定されています。城が滅びる時でもこの程度の規模だったという事です。

2015-06-25 12:33:38
又四郎 @matamatamatayan

後北条氏滅亡の時、城郭都市であった小田原城に数万の兵で籠城したと言いますが、こんな大戦は例外だという事です。戦国時代の主力武器は槍ですが、大戦と小戦では意味が違います。槍の大軍の中で一人が刀を使えば邪魔ですが、小戦なら邪魔にならない事が多いはずですから。

2015-06-25 12:33:59
又四郎 @matamatamatayan

また、当時は数万の城があったと言いますが全てが正規軍の城ではありません。敵地では略奪が当たり前なので農民が避難する為の城もあったと考えられています。つまり武士や正規軍だけはなく武装農民や野武士も戦の当事者です。

2015-06-25 12:34:17
又四郎 @matamatamatayan

当時の戦の多くは山賊や赤穂浪士の討ち入り、現代で言えば暴力団やマフィアの抗争に近い規模だったという事です。豊臣秀吉が刀狩りをしたのも民衆の武装解除をしなければ戦国時代が終わらないからでしょう。

2015-06-25 12:34:35
又四郎 @matamatamatayan

大名同士の大戦だけで当時の戦いを考えるから矛盾するのであって、圧倒的多数であった小戦を知っていれば刀や槍といった武器、武術史の議論は妥当なものとなります。

2015-06-25 12:34:51
又四郎 @matamatamatayan

刀はどのくらい斬れるのか?という素朴な疑問があります。すぐ斬れなくなる等と言う人がいますが本当でしょうか?論より証拠という事で刃のついていない模擬刀(居合用模造刀)で人参を斬ってみました。youtu.be/e-_P6o0fnpo

2015-06-28 10:01:09
拡大
又四郎 @matamatamatayan

模擬刀は物を斬る為のものではないので真似はしないでください。さて、結果は刃がないのに斬れました。何故か?それは衝撃で斬るからです。標準的な日本刀は高校野球の試合で使う金属バットと同じくらいの重さがあります。

2015-06-28 10:01:49
又四郎 @matamatamatayan

金属バットで殴れば頭蓋骨は砕けますから、真剣であれば刃がなくても頭蓋骨くらいは斬れるという事ですね。血、油、刃こぼれで刃が悪くなるからすぐ斬れなくなるというのは成り立ちません。刃がなくても斬れますから。

2015-06-28 10:02:10
又四郎 @matamatamatayan

では引き切りや押切で斬るというのはどうか?これも正しくはありません。ギロチンってありますよね?西洋の首切り処刑機械。あれは押したり引いたりしません。真下に落ちるだけです。

2015-06-28 10:02:29
又四郎 @matamatamatayan

大きな金属が落ちるのですから衝撃で斬っている事になります。それと刃の角度です。ギロチンの刃は斜めになっていますね。つまり衝撃と角度で斬っています。日本刀も原理は同じです。包丁やカミソリと刀を混同してはいけません。

2015-06-28 10:02:45
又四郎 @matamatamatayan

刀を振り回さず押し当てるようにして斬る場合は押し引きしますがこれは例外です。武術、武道の専門家の中にさえ引くとか押すとか言う人がいますが間違いです。

2015-06-28 10:03:01
又四郎 @matamatamatayan

日本刀の手入れ動画の説明です。 抜くときは刃を上にして抜きます。そうする最大の理由は事故の防止ですね。刃が上向きなら落としたとしても斬れないですから。横にしないのはヒケ傷を付けない為です。ヒケ傷は金属表面の細かい傷の事で実用上は問題なくても美術性を損ねす。

2015-06-30 19:40:55
又四郎 @matamatamatayan

抜き方は少し抜いてから大きく抜きます。こうする理由は銃の安全装置的なものが日本刀にもあるからです。日本刀は抜き始めが固くなっていますがこれが安全装置です。 pic.twitter.com/Jizlh9c4I9

2015-06-30 19:42:04
拡大
拡大
又四郎 @matamatamatayan

西洋の刀剣は地面に対して垂直に吊るして携帯する事が多いようでが、日本刀は地面に並行に近い角度で携帯するのが普通です。これでは安全装置がないと重力で刀が落下する可能性があります。

2015-06-30 19:42:27
又四郎 @matamatamatayan

刀の本は抜き始めが固い理由について鞘の中で刀を浮かせているからだと書いてある事が多いです。浮かせる事で刀身を守るという訳ですが、これは刀の本が武用(実戦、武術、武道用)ではなく美術性重視だからでしょう。

2015-06-30 19:42:48
又四郎 @matamatamatayan

本来の目的は安全装置であると考えた方が合理的であり、浮かせて刀を守るのは後付けの理屈だと思われます。

2015-06-30 19:43:06
又四郎 @matamatamatayan

抜き始めが固いなら居合はどうするのか?と言う疑問があるかもしれませんが、居合には安全装置を解除すると同時に抜刀する技術があります。解除法は流派によっては複数のやり方があったりします。

2015-06-30 19:43:28
又四郎 @matamatamatayan

安全装置と言う表現をしていて専門用語を使わない事に違和感がある方もいらっしゃるかもしれませんが、刀に詳しくない方は専門用語が少ない方が分かりやすいと考えての事ですので、ご了承ください。

2015-06-30 19:43:50
又四郎 @matamatamatayan

さて、刀が抜けたら目釘(めくぎ)を外します。日本刀は柄にはめ込んで目釘で固定してあるのでこれを外す訳です。目釘を外した後、拳で手を叩くのはこうする事で刀の部品がゆるむか らです。緩んだら部品を外します。 pic.twitter.com/mQuD76CWI9

2015-06-30 19:44:32
拡大
又四郎 @matamatamatayan

柄に収納される部分を中心(なかご)と言いますが、ここは原則として素手で持ちます。素手で持つのは露出する部分と違って黒錆(くろさび)がついても問題ないからです。問題ないというより中心の黒錆は美術的に評価の対象になります。

2015-06-30 19:44:59
又四郎 @matamatamatayan

サビならなんでも良いわけではなく黒錆に限られます。その理由は美観に加えて黒錆が表面をコーティングしてくれるので鉄の内部が腐食しないからです。手の油で年月をかけて黒錆を育てるんですね。

2015-06-30 19:45:21
又四郎 @matamatamatayan

刀身の手入れは柔らかい布か和紙で拭います。これが第一段階です。注意点は下から上に拭う事。上から下や上下にこするやり方は手を切りやすくなります。当然ですが刃の方から拭ってはいけません。棟の方から拭います。 pic.twitter.com/YiJY2lI60y

2015-06-30 19:46:08
拡大
又四郎 @matamatamatayan

この最初の拭いで大まかな汚れを落とします。人間に例えると軽い洗顔のようなものです。第二段階で打粉(うちこ)を打ちます。ぽんぽんぽんっ、とやってる赤くて丸いヤツですね。打粉は砥石の粉であり、刀に粉をつけています。 pic.twitter.com/6Zxzf2ZF8Y

2015-06-30 19:46:59
拡大
又四郎 @matamatamatayan

第三段階はまた拭いです。最初の布(和紙)とは別の物を使います。打粉を使う事でさらに汚れが落ちるんですね。スキンケアで言えばスクラブ洗顔のような感じです。 pic.twitter.com/ywVvLp95YO

2015-06-30 19:47:42
拡大
前へ 1 2 ・・ 18 次へ