「これは、三角形だ」「いや、円に見える」「だからそれは、……」

病理医ヤンデル先生が、他施設からの病理診断コンサルトについて語っています。 タイトルの内容から、さらに一歩踏み込んだこともツイートされていて、奥の深い話です。
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病理医ヤンデル @Dr_yandel

臨床画像・病理対比の仕事をしていると、「自分の病院の病理診断に納得がいかない、内視鏡などの画像と病理が合わない。きみなら画像とあわせて診断を考えられるだろう、どうか診断し直してくれないか」という依頼がくることがある しかし基本的にこういう臨床からのオファーにはひどく慎重に応える

2015-06-25 07:18:17
病理医ヤンデル @Dr_yandel

病理診断というのは「縁の下」的に臨床診断を支える、補強する、担保するものと思われがちだが、実際には「一つの真実を、臨床診断とは違った軸から観察したもの」なのである。「円錐を横からみたら三角形、下からみたら円に見える」とき、三角形の方が正しいとか円のほうが正しいとかいうことはない

2015-06-25 07:19:27
病理医ヤンデル @Dr_yandel

円錐をみているとき、「三角形だと思ったのに病理が円だと言っている、おかしい」となって、「病理診断が間違っているかもしれない」という考え方は大変に危険なのである 「三角形と円それぞれに見える図形はすなわち円錐ではないか?」という解釈こそが必要となる

2015-06-25 07:20:18
病理医ヤンデル @Dr_yandel

一方、円錐を下からみて「うちの病理は円だと言っている、しかし楕円ではなかろうか?」という微妙な差異を気にする臨床家もいる。実に熱心で、かつその目線は鋭い。しかしこの場合、臨床医から他院の病理医にコンサルトを依頼するというのは「仁義的にちょっと……」なのである

2015-06-25 07:21:07
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「円錐を下からみて円だと診断した当地の病理医」にはメンツもあろう。ただし気にすべきは「メンツ」みたなうすっぺらいものではなく、「専門家が円と言ったからにはそれなりの根拠がある」という一点なのだ。それを臨床医が「円だと言ってるけど楕円では?ほかの病理医に聞こう」というのも難しい

2015-06-25 07:21:59
病理医ヤンデル @Dr_yandel

理想に近い病理コンサルテーションは、臨床医と病理医の意見がくいちがったときに「十分なdiscussionをし、そのうえで病理の質問は病理医から行う」ということである。この対話をすっとばして、臨床医から他院の病理医にコンサルトするのは「メンツ」以前に「情報が不十分になりがち」。

2015-06-25 07:22:47
病理医ヤンデル @Dr_yandel

臨床家からコンサルトの依頼がきたときには「すごく気を遣う」。それは一見するとタテマエを大事にし、「おたくの病理医に嫌われたくないので病理通して下さいw」みたいな雰囲気の回答にも聞こえるだろうが、本心としては「おたくの病理の情報をくれ、病理医から話してくれ」、その一点なのです

2015-06-25 07:24:07
病理医ヤンデル @Dr_yandel

何言ってるかわかんないでしょぉ?だいじょうぶ、ぼかして書かないとぼくが社会的に死ぬの!(タテマエ)

2015-06-25 07:24:54
病理医ヤンデル @Dr_yandel

今ふと思ったけどぼくすでに社会的に死んでないか?もう死んでるのにさらに死ぬのを気にするの、「一度死んだベジータがもう一度死ぬとこの世からもあの世からもいなくなる」→「さらばだカカロット」→うおおおーっ!→灰 みたいな壮大なフラグでは……

2015-06-25 07:32:23