銅大(あかがね だい)先生のまおゆう読書の呟きのまとめ

TRPGライター 銅大(あかがね だい)先生のまおゆう読感呟きのまとめ
0
銅大 @bakagane

『まおゆう』1巻。昨日広島でも出ていたので買って帰り、読む。面白い。面白いが、たいそう読みにくい。実は元のまとめサイトも読もうとして挫折したことあり。理由がようやく分かる。何かイベントが発生するたびに、大量の捕捉情報や、書かれてない展開が脳内で解凍されてあふれだすのだ。

2010-12-29 13:22:22
銅大 @bakagane

もともとテキスト中心の文章とは圧縮形式で提供され、読者の脳内で解凍されて記憶や経験が捕捉され、イメージが浮かぶ。セミの鳴き声が岩にしみいったり、スカートがひるがえってパンツが見えそうになったりというイメージを、読者からどうやって引き出すかが文章の腕の見せ所である。

2010-12-29 13:24:37
銅大 @bakagane

まおゆうは、特に圧縮の度合いが大きい。脚本やリプレイなどでもお馴染みの会話中心の文章であることも理由のひとつだろう。そのため、解凍時に読者が自分の中から持ち出す分量が実に多い。そしてその「俺の中のものが引き出されるっ!」感覚が、刺激となって面白さにつながっている。

2010-12-29 13:27:19
銅大 @bakagane

読者から何が引き出されるかによって、「まおゆう」の物語は違ってくる。私の場合は、「世界はなぜかくあるのか」で次から次へと引き出されていっては変更されていく。千年前。二千年前。この世界はどうだったか。十万年前。百万年前。生物はどんな進化をしたのか。何が馬鈴薯を魔界に置いたのか?

2010-12-29 13:30:46
銅大 @bakagane

読者が参加する余地がある物語。読者が自分の思いや経験を投影する余裕のある物語。絵の描ける人は漫画やイラストを描き、設定をこねくり回すのが好きな人は自分なりに設定を入れていく。そういう風にして「俺たちの物語」は作られていく。まおゆうとは、そういう作品なのだろう。

2010-12-29 13:34:20
銅大 @bakagane

読者に委ねる部分が大きいがゆえに、「マイナスな記憶や経験」をこの作品に投影することもたやすい。私も、学生時代、TRPGのキャンペーンで『まおゆう』に似た経済や生物学を持ち込んだ世界を作って参加者から大不評をくらったトラウマがある。「GMの独りよがりですか。いい気なものですね」だ

2010-12-29 13:37:21
銅大 @bakagane

……どよどよーん。思い出して暗い気分に。 まあ、ともかく。持ち出すならやはり、プラスな記憶や経験である。何を入れてもいいなら、マイナスよりもプラスであろう。新しい知識を学ぶ。物事のありようにリンクをつなげる。そういうのは楽しいことなのだ。

2010-12-29 13:39:10
銅大 @bakagane

しかし、1ページ読むたびに、大量の持ち出し分があって。「あれ、それをやるにはココとかソレとかやらなきゃダメだよね」というのが脳内で出てくると、やはり読むのに手間がかかる。じっくり楽しむことにしよう。

2010-12-29 13:40:43
銅大 @bakagane

現代日本人のプレイヤーがいるリプレイだと思えば良いのです。魔王のプレイヤーが百戦錬磨の古株ゲーマー(男)だと思って読むとたいそう読みやすいです。 RT @HighTaka: bakagane 年寄りにはつらそうじゃね(ごほ ごほ)

2010-12-29 13:48:45
銅大 @bakagane

私にとって『まおゆう』に似た感じの「俺たちの物語」は『ロードス島戦記』だった。TRPGのプレイ経験が作品に投影され、えらくしみじみとした覚えがある。そうだよね、ウッドチャック。こんな世界(ゲームシステム)でのし上がるには、それしかないよね。俺、お前の気持ちすごくよく分かるよ!

2010-12-29 13:57:11