第111回日本精神神経学会学術総会実況　特別講演　新潟大学名誉教授・カリフォルニア大学名誉教授　中田力先生　心を創る脳機能：複雑系脳科学とその臨床応用

aikider @sayoarashi

過去の神経科学では、局在論を基盤としてきた

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しかし、機能局在とは生まれつき決まったものではない。

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初心者による囲碁死活問題学習のfMRI

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死活問題かゲームかという違いで動く部分が違う。有段者ではさらに少ないニューロンで処理するようになる。つまり局在ははじめから決まっているわけではなく、習熟するうちに局在が決まっていく。

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複雑系科学とは

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近代科学とは複雑系科学である。複雑系科学では１＋１≠２である

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バイナリが重要である。

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過去の科学では還元論で説明しようとしてきたが、複雑系科学では還元論が使えない。

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機能ユニットの線形集合＝心、ではない

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複数の人間が喋っていても聞き分けることができる、カクテルパーティー効果

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情報は分離することができない。

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神経系はリニアにできている。しかし小脳皮質と大脳皮質は学習できる。

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学習は機能を変化できるということなので、局在論とは本来相容れない。

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小脳の学習は適応型決定論的学習を行う。

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大脳は確率空間における学習である。

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適応型決定論的は複数のルートから最適なルートを探しだして学習する。ほとんどは運動系にある。

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こうした学習がふるまいにも影響を与える。その代表が古典的学習付け

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古典的学習付けは大脳を必要とせず、小脳だけで完結する。

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大脳の学習法は、脳が処理するごとに処理の仕方が変わる。処理をするごとに学習をする。これを無限に繰り返す。

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心を作る脳の活動：染色体記憶（本能）、小脳学習（パブロフの犬）、大脳学習（ポリアの犬）

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これらが入れ子構造になっている。

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ポリアの壺：壺の中に赤と白の玉が入っている。独立性の問題と連続性の問題。

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幼児期経験の依存性：情報を扱いながらもクリティカルタイムを切る。

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弱視のある目は、眼球に異常がなくても一方の目を使わなくなる。これを防ぐためにパッチセラピーを行う。

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クリティカルピリオドは言語は２年、資格は６年である。これを超えると言語や資格を獲得できなくなる。